浜松市議会 > 2008-11-26 >
11月26日-19号

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  1. 浜松市議会 2008-11-26
    11月26日-19号


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    平成20年 11月 定例会(第4回) 平成20年11月26日◯議事日程(第19号) 平成20年11月26日(水)午前10時開議 第1 会議録署名議員指名 第2 第203号議案 浜松市職員の給与に関する条例等の一部改正について 第3 代表質問 第4 第204号議案 鴨江山公園根上がりマツ倒木事故に関する和解及び損害賠償額について    --------------------------------◯本日の会議に付した事件 議事日程のとおり。    --------------------------------◯出席議員(54人)    1番  鈴木 恵          2番  小沢明美    3番  嶋田初江          4番  渡邊眞弓    5番  小黒啓子          6番  北島 定    7番  山口祐子          8番  山崎真之輔    9番  田中照彦         10番  新村和弘   11番  早戸勝一         12番  波多野 亘   13番  西川公一郎        14番  小倉 篤   15番  田口 章         16番  鳥井徳孝   17番  山本博史         18番  野尻 護   19番  湖東秀隆         20番  鈴木滋芳   21番  関 イチロー       22番  河合和弘   23番  飯田末夫         24番  花井和夫   25番  渥美 誠         26番  大見 芳   27番  松下正行         28番  黒田 豊   29番  袴田修司         30番  樋詰靖範   31番  和久田哲男        32番  氏原章博   33番  酒川富雄         34番  高林一文   35番  鈴木浩太郎        36番  太田康隆   37番  吉村哲志         38番  桜井祐一   39番  長山芳正         40番  中村哲彦   41番  斉藤晴明         43番  二橋雅夫   44番  丸井通晴         45番  今田欽也   46番  小松錦司         47番  鈴木育男   48番  遠藤隆久         50番  高林龍治   51番  内田幸博         52番  立石光雄   53番  松下福治郎        54番  中村勝彦   55番  柳川樹一郎        56番  酒井基寿◯出席説明員  市長       鈴木康友     副市長      飯田彰一  副市長      山崎泰啓     副市長      花嶋秀樹  政策調整広報官  山下隆治     総務部長     鈴木伸幸  企画部長     清田浩史     財務部長     鈴木 勲  生活文化部長   福田幹男     社会福祉部長   杉山浩之  こども家庭部長  鈴木敏子     健康医療部長   徳増幸雄  保健所長     西原信彦     環境部長     尾高紀夫  商工部長     水谷浩三     農林水産部長   中津川林太郎  都市計画部長   織田村 達    公園緑地部長   水英治  土木部長     大塚幸作     建築住宅部長   松本直己  中区長      太田純司     東区長      鈴木將史  西区長      稲垣佳文     南区長      中村久仁茂  北区長      長山久幸     浜北区長     名古政昭  天竜区長     石塚猛裕     総務部次長(秘書課長)                             湯澤 久  財務部次長(財政課長)       教育長      高木伸三           高林泰秀  学校教育部長   古橋利広     水道事業及び下水道事業管理者                             鈴木俊廣  上下水道部長   山下秀樹     消防長      鈴木秀俊  監査事務局長   松井稚枝    --------------------------------  監査委員     鈴木幸作◯出席議会事務局職員  事務局長     鈴木利房     事務局次長(議事調査課長)                             吉山則幸  議会総務課長   大林幸廣     議事調査課専門監議事調査課長補佐)                             山本 泉  議会総務課専門監(議会総務課長補佐) 議事調査課主幹(調査法制担当)           佐野 晃              小宮山敏郎  議事調査課副主幹(議会運営グループ長) 議事調査課主任           小池恒弘              中村浩三  議事調査課主任  青葉陽亮     議事調査課主任  北畠章吉  議事調査課主任  田代智成     議事調査課副主幹(調査広報グループ長)                             岩本 篤    --------------------------------          午前10時開議 ○議長(内田幸博) ただいまから、本日の会議を開きます。    -------------------------------- ○議長(内田幸博) 本日の日程に入ります。 本日の議事日程は、お手元に配付した日程のとおりであります。 最初に、日程第1会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員は、会議規則第78条の規定により、3番嶋田初江議員、20番鈴木滋芳議員、39番長山芳正議員を指名いたします。    -------------------------------- ○議長(内田幸博) 次に、日程第2第203号議案浜松市職員の給与に関する条例等の一部改正についてを議題といたします。 議題の第203号議案は総務委員会に審査の付託をしてありますので、その経過と結果について、総務委員長の報告を求めます。 20番総務委員長鈴木滋芳議員。     〔総務委員長 鈴木滋芳議員登壇〕 ◆総務委員長(鈴木滋芳) 総務委員会に付託されました第203号議案浜松市職員の給与に関する条例等の一部改正について、去る11月17日に委員会を開会し、慎重に審査いたしましたので、その経過と結果について御報告を申し上げます。 まず当局から、本議案は9月26日に出された人事委員会による職員の給与改定に関する勧告を踏まえて改正をするもので、その内容は、借家・借間に係る住居手当の最高支給限度額を現行の2万7000円から2000円引き下げ、2万5000円とすること。また、自宅に係る住居手当について、5年を超えても月額2500円を支給するとした経過措置を廃止すること。さらに、年間における職員の給与が民間企業従業員の給与を0.36%、月額にして1373円上回っていることから、本年4月からll月までの8カ月の格差相当分を12月に支給する期末手当から減額するものであるとの説明がありました。 これに対し委員から、公民格差を解消するため、期末手当において職員の給与を4月まで遡及して減額することは、法的に問題はないのかとただしたところ、当局から、東京高裁の裁判例では、公民格差を解消する手段は各自治体の裁量にゆだねられ、減額する場合に、期末手当において調整措置を講じることは違法ではないとの判断が下されているとの答弁がありました。さらに同委員から、今後、職員組合との間で検討委員会の設置を検討していくと聞いているが、その会議の内容についてただしたところ、当局から、旧浜松市職員と合併市町村職員との給与の差について、意見・要望を聞いていくものであるとの答弁がありました。 次に、他の委員から、職員組合と協議する必要性はあるのかとただしたところ、当局から、勤務条件等に係るものは、職員の生活に直接影響があることから、職員団体との話し合いの場を持つもので、今後も誠意を持って対応していきたいとの答弁がありました。 これらの質疑の後、採決を行った結果、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。 以上、審査の概要を申し上げ、総務委員会の委員長報告といたします。 ○議長(内田幸博) 以上で総務委員長の報告は終わりました。 ただいまから、委員長報告に対する質疑を許します。 質疑はありませんか。--発言がないようですので、質疑を打ち切ります。 ただいまから、第203号議案浜松市職員の給与に関する条例等の一部改正についてを採決いたします。 本件は、総務委員長の報告どおり、原案を可決することに異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(内田幸博) 異議なしと認め、第203号議案は原案のとおり可決されました。    -------------------------------- ○議長(内田幸博) 次に、日程第3代表質問を行います。 市政に対する代表質問は、各会派代表者により行います。 最初に、自由民主党浜松代表36番太田康隆議員。(拍手)     〔太田康隆議員登壇〕 ◆36番(太田康隆) おはようございます。 寒い日が続いております。山の木々も冬支度を始めておりまして、紅葉真っ盛りといったところでありますが、モミジの色は赤い鮮やかな色が美しいですね。ぜひ御答弁も明確な鮮やかな御答弁をお願いいたします。 それでは、通告に従いまして、会派自由民主党浜松を代表して質問させていただきます。 まず初めは、平成21年度予算編成方針についてであります。 大規模合併を経て、政令指定都市--以下、政令市と言わせていただきますが--入りを実現した浜松市は、平成合併の主要な目的の一つであった行財政改革を合併により達成したばかりでなく、その後も強烈な個性を持った行革審の効果もあって、行革の取り組みについては全国トップクラスにあると評価しております。政令市初年度となる平成19年度決算を見ても、2717億円の普通会計歳入の2分の1に当たる市税収入を確保。政令市移行に伴う175億円の事業をこなし、実質収支で61億円の黒字。実質単年度収支は9億円の赤字ながら、市債発行を210億円に抑制する一方で、310億円を超える元金償還を実現。こうした健全化努力によって、総市債残高は19年度までの3年間で275億円を圧縮。合併により0.839まで低下した財政力指数も0.911に回復し、その他の財政指標も主要都市平均を軒並み上回っております。 しかし、行政運営にあっては、財政の健全度と市民満足度は常に相反関係にあります。したがって、財政規律は無論守るべきですが、市民満足度が確保されているかも大切な視点であります。さきの決算審査でも指摘したように、147億円の財政調整基金は残したものの、市民要望を満たす必要な事業量が本当に確保されたのかという問題は残ります。至上とすべきは絶妙な財政バランスだと考えます。 また、合併・政令市移行を経て新たな問題が顕在化しました。工事発注など地域経済の発信基地を失ったことによる地域間格差の拡大。地域求心力の低下。政令市事務における制度や税制の不均衡。粗密に発達した都市構造のため基盤整備の非効率性。土地利用と資産課税の不整合など。さらに、ここへ来て、平常時の議論が成り立たないような経済不況の影が忍び寄ってきました。そこでまず、現時点における浜松市の財政状況をどのように認識しているか市長にお伺いいたします。 市民参加のワークショップを経て策定され、平成19年度にスタートした新総合計画が新中期財政計画に裏打ちされ、実施計画として毎年の戦略計画に具体化され、予算として秩序を持って執行されていくことが民主的な行政運営だと考えています。そこに康友市長の独自色やマニフェストを可能な範囲でどのように反映させていくかということになります。21年度予算は市長が編成にかかわる2回目の、政令市として3回目の予算です。政令市としての権限をどう生かしていくのか。12市町村の地域連携を確保し、地域力をどう発揮させるか。産業や経済の活性化のために行政はどうかかわっていくのか。安全・安心を確保するため、道路・上下水道など市民に身近なインフラをどう充実するか。市長マニフェストをどう実現するのか。こども第一主義は施策の大きな柱であります。しかし、その一方には高齢者対策があります。見える化予算として、通学路の整備や交差点改良など、交通事故政令市ワースト1脱却に向け、どう行動するのか。こうした課題を戦略計画2009で示された重点戦略に沿って、どのように施策に落とし込んでいくのか注目されます。そこで、質問の二つ目は浜松市の課題の分析を含めて、21年度予算の編成方針と重点施策についてどのように考えているか伺います。 世界的な経済危機の影響が懸念される平成21年度は、経済全般の停滞が予想されます。失業者対策や中小企業対策などへの迅速な対応が求められます。地域経済を意識した発注方法の工夫や業務の民間委託の促進など経済活性化策も必要です。市役所は大口の雇用先であるとともに、発注元として地域経済の一翼を担っております。自治体がとれる施策には限界がありますが、地域経済活性化策は緊急の課題であります。そこで、三つ目として、今回の世界的な景気後退に浜松市はどう対応していく考えか伺います。 2番目は、自治会と地域協議会についてであります。 市内には、私たちの生活に影響を与える市民団体、NPO、企業などさまざまな組織があります。しかし、ごみの出し方から防犯灯の管理、子供たちの交通安全からお年寄りの介護の相談、地域防災、道路建設に至るまで、生活の一番身近なところで調整役を担い、大切な役割を果たしているのは自治会です。都市部では加入率が低下している時代にあって、自治会が機能していることは浜松市の財産であります。政令市17市の中でも、充実度はナンバーワンだと自負しております。市民協働による地域社会をつくる上で核となるのは自治会です。したがって、民間の自主的組織だとして補助金削減の対象にする考え方には異論があります。自治会の主たる財源は住民の会費で、合議制のもとに運営され、役員による執行体制もあります。全世帯加入を組織原理とする直接民主主義の原型がそこにあります。自治会と行政がパートナーとなり、上手に役割分担をすることで、時代が求める市民参加型社会の絵はいかようにも描けます。また、そのための支出は措置されてしかるべきです。さて、市長は共生共助でつくるひとつの浜松を主張されてきました。そこで、市長の目指す新しい浜松をつくっていく上で、行政との役割分担をどうするかを含め、自治会をどう位置づけていく考えか伺います。 本市は12市町村でまちまちだった取り扱いを今年度から一本化し、自治会運営費補助金を廃止し、1世帯当たり850円と1行政区当たり150万円プラス世帯数掛ける10円の合計額を行政連絡業務委託料として連合会に支払うこととしました。北遠など旧11市町村に対しては、平成22年までの3年間だけ激変緩和措置がとられます。補助金でも助成金でもなく委託料としたのは、いわゆる回覧などの文書配布は、本来、行政が行うべきものとの考え方で、旧浜松市の例にならったと聞いております。協議を経て決定した結果は尊重しますが、指摘しておきたいことは、委託料なら許されて補助金や助成金はだめだという傾向が行政側にあることです。自治会は防犯、防災、介護予防、環境美化など、明らかに連絡業務という範疇を越える多くの仕事を処理しています。運営費全体を補助するオールマイティーな補助金こそふさわしいと私は考えます。もし万が一、行政がやることになった場合の人件費に換算すれば、とても1世帯850円などでは処理できません。そこで、質問の2番目は、一部にはこの委託料をさらに削減すべきという意見がありますが、市長のお考えを伺います。また、運営費補助金とすることにどのような不合理があると考えるか伺います。 浜松市は合併から政令市移行の過程で、地方自治法に基づき、地域自治区を置きました。このうち、西区、北区、天竜区については、区協議会と地域協議会とが2層構造になっているもので、これを市長は平成22年4月から区協議会に一本化するとしています。振り返って考えるべきは、何のために地域自治区を設置したかです。目的は住民意見の行政への反映と市民参加による住民自治の推進の二つでした。今回、各地区から存続要望が出ていますが、合併後の日も浅く、当然の意見だと思います。国と地方との関係と同じで、地域住民にしてみれば、本庁は物理的にも遠く、住民意思を反映させる制度は一つでも残したいと考えます。地域協議会をなくした場合の代替機能をどこが担うのか。今後、地域自治センター、区協議会、自治会の役割分担を含めた議論を進め、住民の不安を除き、理解を得ることが大切です。特に天竜区は対応を誤ると、過疎化が一気に進む可能性があります。今、本市が過疎地をどう守るか日本じゅうが注目しております。市長は元気な浜松懇談会でじっくり考えたいと答えていますが、じっくりとはどの程度を言うのか確認をしたいと思います。そこで、地域協議会の区協議会への統一は時間をかけて慎重に進めるべきと考えます。少なくとも平成21年度での廃止は延期すべきと考えますが、どうか伺います。また、天竜区については面積が市域の半分以上を占め、過疎地という特殊事情を考慮して、他地区と区別して考えるべきで、住民が納得するまで据え置くべきと考えますが、どうか伺います。 3番目は、行政経営の品質をどう高めるかについてであります。 行財政改革については、浜松市は全国に誇れる実績を上げ、その結果が政令指定都市の中で健全な財政指標としてあらわれていることは先ほど述べました。しかし、行政運営の目的が市民福祉の向上や市民満足度の最大化にある以上、健全財政を維持すればすべてよしということにはなりません。そこには、限られた資源をどう有効に配分するのか、行政経営の熟練した知恵とわざが必要であります。その知恵を担うのは職員の皆さんであり、わざを支えるのは行政経営の組織であり、マネジメントシステムだと思います。 さて、浜松市は多額の費用と労力を費やして発生主義・複式簿記の新公会計制度による財務会計システムを平成21年から導入する準備を進めてきました。質問の一つ目は、こうした財務会計システムを柱とする行政経営基幹システムの導入経費等の全体像と、導入による効果をどう予測しているかについて伺います。また、来年度導入に向けた進捗状況と稼働させるための職員研修など、今後の予定を伺います。 次に、事業評価について伺います。事業を進める上で必要なことは、何のためにどれだけの規模で行うかの目標設定と、その結果の検証です。浜松市は平成13年度から行政評価システムを導入し、PDCAサイクルの確立を目指してきました。しかし、従来の問題点は、事業と予算科目とが一致せず、評価体系の中だけの評価にとどまっていたことです。予算編成も昨年度から事業単位がより鮮明になり、事業評価も本年度から政策・事業シートとして、事業、予算、人員などが一体的に評価できるように改善され、評価結果を計画や予算編成に反映できるようになりました。次に必要なことは、財務会計システムとの接続です。今後においても、市民への説明責任を担保する透明性の高いマネジメントシステムが求められ、ツールとしての行政評価システムはますますその重要性を増していくことと思います。現在、浜松市では政策・事業シートによる内部評価に加え、行革審や市政モニター、区協議会による外部評価や構想日本による外部評価などが行われていますが、基本は行政の内部評価の品質を高めることが第一だと考えます。市民協働型の市政運営という意味では、いろいろな局面で市民参加を実現させていくことに異論はありませんが、市民の声を反映することと市民のフィルターを経たという言いわけをすることとは違います。また、特に行政評価については、政策遂行のプロである行政マンによる事業・評価システムが整備され、執行責任者である市長を頂点とした内部統制が確立することが最も望ましいと考えます。そこで、市長の内部評価についての御所見と、新しい事業評価システムの導入によって、来年度以降、行政経営の質をどう変えていこうと考えているか伺います。 次に、地域シンクタンク設立構想について伺います。政令市に移行したことで、国の情報が直接リアルタイムに入るようになりました。多くの権限が移譲され、はんらんする情報の中で、政令市の強みを生かした市政運営を行うためにデータ・情報の分析・加工、さらには地域に合った政策提言などのシンクタンク機能はどうしても必要です。また、これまでにも増して自主・自律的な政策運営が求められることから、政策形成能力の向上も大きな課題となってきました。都道府県や政令市の約半分が導入していることから、当市でも地域シンクタンクの設立に向けて調査研究を進めてきましたが、その後どうなったのでしょうか。そこで、浜松市職員の政策形成能力をどう認識し、どう高めていくか伺います。また、地域シンクタンク設立について、どのように考えるのかあわせて伺います。 次に、文化振興についてお尋ねをいたします。 浜松市は、さまざまな地域に伝統的な文化活動が息づき、市民の文化活動への参加意欲も高い地域だと思います。合併により歴史も風土も異なる地域を吸収したことで、本市の文化活動はますます多様性を得ました。特に西浦田楽や横尾歌舞伎などに代表される伝統芸能は、地域の一般市民が時代の変化を乗り越えて担ってきたところに価値があります。今後も、これらの無形文化財は市を挙げて支えていく必要があります。また、そうした人の営みだけでなく、地理的条件、自然景観、活動を支える施設や歴史的建造物も広く地域文化には大切な要素です。本年5月議会において、我が会派の吉村議員が行った文化事業に関する質問に対して、市長は二つの認識を示されました。一つは過去の蓄積を生かして、市内各所で特徴ある文化事業を積極的に展開していくこと。もう一つは、市民が主体の自由な文化活動が活発に行われるよう、環境の整備を進めることです。そうした文化政策を通じて、文化が都市の活力となる創造都市をつくるというのが市長の目指す方向性だと理解します。今回、市が所有する老朽化した文化施設等の既存施設について、一律に廃止・解体するのでなく、改修して保存・活用する方針を示されたことは大いに評価するものであります。そこで、自由民主党浜松としては、今後においても、伝統ある建物の保存活用や市民の文化活動を支える施設の改修整備を積極的に進めていくべきとの立場から、以下の点について市長のお考えを伺います。 一つ目は、旧浜松銀行協会や鴨江別館などの伝統的な施設の活用についてです。昭和5年に建築された旧浜松銀行協会は、昭和初期の面影を色濃く残している由緒ある建物です。市当局はここにフォルテ内にあった木下恵介記念館を移転させるとの方針を示しておりますが、この活用方法については的を射たものと評価します。しかし、単に記念館として利用するだけでなく、面積に余裕があることから、2階部分の有効活用なども含め、幅広く活用策を検討すべきと考えます。そこで、現時点での計画について伺います。また、旧浜松警察署として昭和3年に建てられ、市に移管された鴨江別館ですが、老朽化し解体される予定だったものを、芸術の創造などの拠点として利用できるよう改修する方針との報道が先月の新聞に掲載されました。市民オーケストラの練習場などに利用されていましたが、建築士協会など専門家からも存続要望があったことから、この方針変更は創造文化都市を目指す上でも意義深いと考えます。そこで、具体的にどのように改修し、活用していく考えか伺います。 二つ目は、音楽や演劇活動の拠点施設の整備についてです。市長が目指そうとする市民が主体となって行われる文化芸術活動を積極的に推進するため、また音楽の都づくりをより促進するためには、いろいろな分野の創造団体の活動や、楽器を使った音楽の練習ができる施設が必要です。本市においては、公民館や各種施設の会議室等を使用するなどして活動をしていますが、需要を満たしていない状況にあります。安定した活動を保証するためには、防音設備や部屋が独立しているなど、環境の整った施設をさらに提供していく必要があると考えます。現在、拠点となっている施設の一つに男女共同参画推進センター(あいホール)があります。年間18万人が利用し、音楽室もあり、毎週木曜日は全館音出し可能ということで、多くの支持を得ています。しかし、建設されて33年を経過したことから老朽化が目立ち、耐震的にも問題があると聞いております。あいホールは、立地にも恵まれた場所にあること、また浜松交響楽団や吹奏楽団、さらに多くの演劇集団などが利用している現在の利用状況等を考え合わせると、これを改修して、さらに利用価値の高い市民の文化活動の拠点としていくのが望ましいと考えますが、市長のお考えを伺います。 最後の質問です。セーフティーネットとしての高齢者雇用政策についてお尋ねします。 2007年問題として指摘されるように、戦後の団塊世代の退職問題は大きな問題です。労働力人口は、2007年が6669万人ですけれども、この10年間で450万人が減ると予想されております。一方、社会保障としての年金の支給開始年齢は、2013年にかけて段階的に65歳に引き上げられる結果、60歳の定年から65歳の年金支給まで5年間の空白期間が生ずることになります。2004年6月に高年齢者等の雇用の安定等に関する法律--以下、高齢者雇用安定法と言いますが--の改正がなされた理由は、労働力人口の減少の中で、労働力確保という側面だけでなく、年金支給開始年齢の引き上げに対して、高年齢者の収入確保を図り、社会保障制度を下支えするという側面がありました。改正の要点は定年の65歳への引き上げ、定年の廃止、希望者を継続雇用する制度を導入の三つのうちのいずれかの選択を義務化したものです。しかし、改正法は対象労働者に係る基準を定めるなど、事業主が一定の対策を講ずれば、継続雇用制度を導入したものとみなすとして、この場合、希望者全員を雇わなくてもよいとしています。厚生労働省が発表した本年6月の実施状況では、従業員51人以上規模の企業の96%が実施。しかし、希望者全員が65歳まで働ける企業の割合は39%にしかすぎません。企業の目的は営利です。雇用は手段です。したがって、セーフティーネットを企業に任せるには限界があります。しかも、地方には制度改正の恩恵を受けられない自営業や中小企業従業者がたくさんおります。雇用機会の創出や担い手をグループ化するなど、行政が関与する余地は十分にあります。雇用の所管は国や県と決めつけるのではなく、市としても、60歳あるいは65歳を超えた高年齢者の雇用の安定につながる施策の検討を始めるべきときです。そこで、質問の一つ目はセーフティーネットとしての高年齢者雇用政策をどう考えるか伺います。 次に、昭和46年制定の高齢者雇用安定法--旧法ですけれども--に基づいて定年退職者の能力活用と生きがいづくりを目的に各市町村単位で設立されたものにシルバー人材センターがあります。浜松市は昭和57年に設立、社団法人組織で運営されています。会員数は約3200人。このところ、65歳以下の会員が少なく、全体会員数も減少、受託件数も公共・民間ともに減少していると聞いています。しかし、今回、法改正によって、シルバー人材センターが臨時的・短期的な業務について労働者派遣事業を行う場合、特例として届け出のみで行えるようになりました。この結果、シルバー人材センターの事業内容や会員構成の拡大の可能性が広がりました。今後は団塊世代の退職者を受け入れる環境づくりも課題となるでしょう。雇用を求める高年齢者とアウトソーシングを進める行政の方向性が一致したとき、一石二鳥、社会保障の下支えの役割が加われば、一石三鳥のワークシェアが実現することになります。そこで、シルバー人材センターを活用することにより、就業機会の拡大を図るべきと考えますが、どうか伺います。 高年齢者雇用の問題は、これまで定年退職者の生きがいづくりという福祉的側面で語られてきました。しかし、時代は変わり、熟練労働力の確保と社会保障の補完という新しい要請が加わりました。労働行政は国の仕事という固定観念ではなく、国民の生活する場、つまり生活の拠点としての地方で、これらの問題とどう向き合うかが今日的課題だと思います。そこで、本市としても、国の経済対策関連の特別交付金を活用した雇用の拡大や熟練技術者・技能者の技術・能力継承策など、高年齢者雇用の浜松モデルを試行するべきと思いますが、市長のお考えを伺います。10歳の子供も半世紀後には高齢者になります。子供施策と高齢者施策は表裏のものと考えます。 以上で1回目の質問を終わらせていただきます。     〔鈴木康友市長登壇〕 ◎市長(鈴木康友) 皆さん、おはようございます。 それでは、第36番自由民主党浜松代表太田康隆議員の御質問にお答えいたします。 太田議員御指摘の山々のモミジのような鮮やかな答弁になるかどうか心配でございますが、頑張ってやらせていただきたいと思います。 最初に、御質問の第1番目、平成21年度予算の編成方針の1点目、財政状況の認識についてお答えいたします。私は、本市の規律ある財政運営には、市債の削減が大変重要であると認識しております。平成19年度決算では政令指定都市に移行し、一般会計の歳出決算規模が164億円増加する中で、市債残高は借り入れの抑制や繰上償還により、一般会計で100億円、総市債残高で138億円を削減いたしました。しかしながら、総市債残高5493億円は市民1人当たり69万5000円で、土地開発公社等の外郭団体の借入金残高を加えると5844億円、1人当たり73万9000円であり、決して少ない残高だとは思いません。こうしたことから、今後も政令指定都市として持続可能な行財政運営のため、行財政改革による財源捻出、企業立地への投資による将来の税収確保、市債残高の削減による将来負担の軽減に取り組んでまいります。 次に、2点目の予算の編成方針についてお答えいたします。まず、21年度の財政見通しでございます。税収については、11月補正予算案で法人市民税を減額いたしましたが、21年度当初予算でも、9月半ば以降の金融危機、実体経済の縮小や景気の下振れから、法人市民税は現時点において20年度当初予算と比較して大幅な減収になると見込んでおります。このため、財政調整基金の取り崩しなど、歳入の確保とともに、歳出においては扶助費など必要な予算を確保しつつ、歳出規模を抑制するため、事業の縮小や実施年度の見直しなども検討しなければならないと考えております。一方で、御質問にございましたように、本市には農業や林業の振興、土地利用や中山間地振興といった大都市圏の政令指定都市とは異なる、いわゆる国土縮図型政令指定都市として、中・長期的な課題があることも十分認識しております。このような財政見通しと課題認識を踏まえ、21年度当初予算は事業の選択と集中を徹底する予算、市民の目線に立ち、行財政改革効果が見える予算として編成してまいります。また、予算編成においては、戦略計画2009の基本方針やマニフェスト工程表であるビジョン22に掲げた事業を重点施策とし、行財政改革により捻出した財源を集中的に配分してまいります。具体的には、教育施設の100%耐震化について、工程表を2年前倒し、23年度末の完了を目標に取り組んでまいります。また、御質問にもございました通学路など安全・安心な歩行者空間整備や交差点改良工事など、交通事故の政令指定都市ワースト1脱却に向けた施策を予算化してまいります。 次に、3点目の緊急的な対策についてお答えいたします。国においては、10月16日に補正予算第1号が成立し、10月30日には、補正予算後の追加経済対策として生活対策が発表されました。この生活対策では、総額2兆円の定額給付金や地域活性化に資するきめ細かなインフラ整備を目的とした総額6000億円の地域活性化・生活対策臨時交付金などが盛り込まれております。本市といたしましても、地域経済の活性化のために、これらの国の経済対策に呼応する必要があると考えております。現時点では、国の交付金を活用した事業として、教育施設の緊急耐震化事業などを想定しております。しかしながら、国の制度内容や予算対応の時期など、不確定な部分が多いことから、引き続き国の動向を把握してまいります。また、中小企業対策を初め、景気後退への迅速な対応を図るため、本市として早急に緊急経済対策本部を設置し、全庁体制で対応策を検討してまいります。 次に、御質問の2番目の自治会と地域協議会についての1点目、行政との役割分担と自治会の位置づけについてお答えいたします。市民ニーズや社会的な課題が多様化して、行政だけでは解決することが難しい事態になっております。このため、市が市民や市民活動団体、事業者と適切な役割を分担し、課題解決に取り組んでいくことは、今後の市政運営に不可欠であると考えております。こうした考えのもと、戦略計画の基本方針にも、共生共助でつくる豊かな地域社会の形成を掲げるなど、協働型都市経営を目指し、事業展開を図っているところでございます。市内全域にわたり、それぞれの地域で活動する各自治会や、特定の目的を持ち専門的な知識や技術を有するNPOやボランティア団体などの市民活動団体がそれぞれの特性を生かし、よりよい地域づくりのよきパートナーとして、一緒になって取り組んでいく社会を実現したいと考えております。その中で、ほとんどの世帯が加入し活発な地域活動を行っている自治会は、長年にわたって市と協力して協働を実践してきた大変重要な団体であると認識しております。 次に、2点目の自治会委託料と運営費補助金についてお答えいたします。自治会に対する行政連絡業務の委託につきましては、合併後もそれぞれの地域で行われてきた自治会運営費助成等の制度を、市自治会連合会との協議を重ねる中で、平成20年度から旧浜松市の制度に統合したものです。統合に当たっては、過疎や辺地を抱える地域への加算など、地域特性への配慮や3年間の激変緩和措置などを盛り込んでおります。市といたしましては、現行の業務委託に係る単価を平成22年度まで据え置く中で、激変緩和措置による効果や業務量を分析評価し、市自治会連合会と協議して、その後のあり方を検討してまいりたいと考えております。また、運営費補助金とすることについてでございますが、浜松市では自治会を行政運営上の対等で重要なパートナーと認識しており、行政連絡業務を初めさまざまな業務にかかわっていただいております。これらの業務は、それぞれの内容に応じ、市が実施責任を負うものは委託方式でお願いし、また自治会が実施する公共的な事業については事業費補助方式をとっております。行政連絡業務の委託におきましては、自治会の本質である地域住民の意思に基づいた自主的・自立的な運営を保つ意味から、運営費補助よりも現行の委託方式のほうがふさわしいと認識しており、また、さまざまな業務を行っていただくことを通じて、それぞれの地域のコミュニティー醸成にも役立っていると考えております。 次に、3点目の地域協議会についてお答えいたします。私は、共生共助でつくる豊かな地域社会の形成を市政運営の基本方針に掲げ、ひとつの浜松による一体感のあるまちづくりを進めております。一方で、地域の課題にきめ細かく対処するためには、区を基本としたまちづくりが重要であると考えております。そのため、早く旧市町村の枠組みを越えて、区を単位にまとまっていただければとの考えから区協議会と地域協議会の再編を提案しているものでございます。さらに、地域の声をきめ細かくお聞きし、市政に反映していくことは大変重要なことでありますので、住民自治の基礎である自治会やNPOなどを通じ、地域の皆さんの御意見をしっかりお聞きするとともに、新たな仕組みとして、地域の各種団体で構成するコミュニティー協議会を提案させていただきました。これは、幅広い地域の課題を把握し、みずから解決していくという自立した住民自治組織を念頭に置いたものでございます。また、地域協議会再編後の地域自治センターについては、区役所の支所として、地域の方々への身近な市民サービスの提供やまちづくり事業などを、引き続き担っていく必要があると考えております。御指摘のとおり、地域協議会の解消に対する住民の皆さんの不安があることは十分承知しております。こうしたことから、今後も市民の皆さんの声を丁寧にお聞きし、慎重に判断する中で、来年度の早い時期には結論を出してまいりたいと考えております。 次に、御質問の3番目の行政経営の品質をどう高めるかについての1点目、行政経営基幹システムにつきましてお答えいたします。まず、一つ目の全体像と効果の予測についてでございますが、行政経営基幹システムは、文書管理や財務会計、人事給与、職員申請など、行政を経営する上で基本となる業務を対象とした、全庁で利用する統合的なシステムでありまして、平成21年4月の運用開始を目指しているものでございます。このシステムの導入によりまして、既存の人事給与システムや財務会計システムなどを更新するとともに、電子決裁を初め、文書管理の電子化、予算編成や予算執行の電子化、そして時間外勤務命令や休暇申請などの職員の届け出申請の電子化、さらには新たな公会計制度への対応を目指しているものでございます。このシステムの開発は、平成19年10月に着手し、システム開発から保守運用までを一体として業務委託しております。また、契約期間が満了する平成25年度までに要するシステムの開発、保守運用及び機器等にかかる経費の総額は21億5000万円余となっております。一方、今回のシステム導入では、内部事務の省力化を図り、これにより生じた事務処理時間等の人的資源を各課の本来業務や市民サービスに直結する部門に振り向けます。こうしたことにより、より一層の行政サービスの向上を図ることを目指しておりますが、その導入効果といたしましては、現在行っている庶務的な業務の省力化などにより、年間約8億円を見込んでおります。 次に、二つ目の平成21年度導入に向けた進捗状況と職員研修など、今後の予定につきましてお答えいたします。まず、システム開発の進捗状況でございますが、本年12月までにおおむねシステム開発が完了いたしまして、来年1月からは実際の運用を想定した検証を開始する予定でおります。システムの円滑な運用開始には、使用する職員の操作方法の習熟が必要となりますので、現在、電子決裁や文書管理の方法、職員申請の仕方、また新たなシステムでの財務処理の方法などについてパソコンを使った職員研修を行っております。この研修は、年度末までに管理職から一般職員まで延べ2700人ほどの参加により実施してまいります。今後、システム運用に関する基準や細かなルールづくりなども進め、来年4月の基幹システム運用開始が円滑にできるよう万全を尽くしてまいります。 次に、2点目の事業評価についてお答えいたします。現在の評価システムは、平成19年4月の第1次浜松市総合計画のスタートに合わせた戦略計画を核とするマネジメントシステムの一部として構築してまいりました。この仕組みは、計画、実行、評価、見直しのPDCAサイクルを運用していくに当たり、目標を見据えた計画策定とその資源配分、効率的な事業の実施、そして評価を有機的に結びつけ、政策や事業の見直しと改善を進め、効果的な行政経営を目指すものでございます。現在の評価システムにおきましては、事業ごとの評価に加え、戦略計画に掲げられている政策の評価を実施し、評価結果をホームページ上で公表するとともに、部局及び区戦略計画を対象として、市民で構成する市政モニターによる外部評価制度を新たに構築してまいりました。こうした取り組みにより、市政運営の透明性を確保し、政策や事業の説明責任を果たしてまいりました。しかしながら、御指摘のとおり、行政内部における評価の精度を上げていくことも重要であり、評価を担う職員の意識改革、資質の向上を初め、事業の効果をあらわす目標値の設定、評価指標を含めた評価結果の検証などに改善の余地があると認識しております。平成21年度からは、事業レベルでの評価を行政経営基幹システムの中で運用することとなり、予算や決算情報との連携や目的に応じた集計が可能となるほか、職員の事務負担も軽減できます。今後は、行政経営基幹システムへの移行に向けた研修を通じて、職員の評価に対する理解を深めるとともに、事業の効果を的確にあらわす目標値の設定への改善や、事業の見直しにつながる評価結果の検証に取り組み、評価の精度を高めることで、さらなる行政経営の質の改善に取り組んでまいります。 次に、3点目の地域シンクタンク設立及び職員の政策形成能力の向上について、あわせてお答えいたします。地方分権が進展する中、地域の課題をみずからの責任で施策化し、執行する自主的・自立的な運営が求められ、組織として政策形成能力向上の必要性を痛感しております。他の政令市では局ごとに企画機能を持たせ、政策研究や提言などを行っているところもございます。そこで、本市におきましても、来年度から各部局において強化される官房機能を中心として、政策研究や提言などを行っていくとともに、それら業務に携わる職員による調査研究及び情報収集の体制を充実させていきたいと考えております。また、これら体制の充実に加え、スプリングレビューなどの政策形成の場において、各部局との間で中長期的展望に立った政策のあり方の議論をより一層進めてまいります。さらに、国等への要望などにおきましては、事業要望だけではなく、制度改正への提案を進めていくなど、地方政府にふさわしい地方分権や法改正に係る課題を抽出し、政策提案できるよう図ってまいります。御質問の地域シンクタンク設立につきましては、組織の立ち上げより、まずは庁内組織の機能強化による職員の政策形成能力の向上を強力に推進していくとともに、民間シンクタンクの活用や専門家・有識者などの人材バンクの作成など、民間のノウハウを取り込む方策を検討することにより、全庁的なシンクタンク機能の充実を図ることが重要であると考えており、これにより、本市の政策形成能力の向上を図ってまいります。 次に、御質問の4番目の文化振興についての1点目、伝統的施設の活用についてお答えいたします。 まず、一つ目の旧浜松銀行協会の活用策でございますが、旧浜松銀行協会は浜松市出身の著名な建築家である中村與資平氏の設計によるもので、昭和5年の竣工以来、戦災や戦後復興など激動の昭和を生き抜いて現存する貴重な歴史的文化遺産であります。平成16年に財団法人静岡県銀行協会より浜松市に譲渡された後、建物の特徴を生かした文化施設とするよう演奏会やアート展などの実験事業を行い、市民・有識者で組織する運営会議に提言をまとめていただくなど、その活用方法を探ってまいりました。このような中、木下恵介記念館の移転先として、昭和の面影を色濃く残すこの施設を決めたものでございます。今年度、実施設計を行い、来年度、改修工事を経て、秋以降には市民の皆さんに利用していただける予定です。現時点での施設の活用方法でございますが、1階を木下恵介記念館として作品や業績を紹介する展示を行い、2階をアート系のギャラリースペースや上映会、演奏会などに活用できる場としていきたいと考えております。また、今回の改修に際して、設計者である中村與資平氏や旧浜松銀行協会の業務を紹介するスペースについても検討してまいります。いずれにしても、貴重な文化財であるこの施設の雰囲気を損なうことのないよう、関係する皆様の御意見をいただく中で施設整備を進め、この歴史的な施設を改修して新たな文化発信の拠点にしてまいりたいと考えております。 次に、二つ目の鴨江別館の改修活用でございますが、鴨江別館は旧浜松銀行協会に先立つ昭和3年に旧浜松警察署として建設されたもので、昭和47年に市に移管され、現在は音楽団体などの練習会場として年間2万人を超える市民の皆様に利用されております。御質問にありましたように、鴨江別館は老朽化が著しく、耐震上の問題もあることから解体の方針となっておりました。しかしながら、私は知恵と工夫で既存施設の新しい使い方を考えることや、都市の記憶が詰まっている建物をできる限り活用することが、これからのまちづくりにおいては重要なことであると考えております。また、今年度になって静岡県建築士会浜松支部や市民団体から保存と再生についての要望をいただいた経緯もあり、改修活用の可能性についての検討を進めることとしたものでございます。具体的には、施設の持つ趣からアート系の創造工房やアートセンター機能を有する施設としての活用方法を探っていきたいと考えております。また、向かい側にある旧浜松銀行協会のギャラリー機能と合わせて、コミュニティーアートの拠点として、さらには、景観的にも一体感のある地区としての整備を図りたいと考えております。今後、耐震補強を初めとする施設自体の活用可能性とともに、市民団体が主役となる施設の運営形態も含めて検討を進めてまいりたいと思います。 続きまして、2点目の音楽や演劇活動の拠点施設の整備についてでございますが、本市では音楽や演劇など多くの文化芸術団体が活発に活動しております。こうした活動に必要な防音や照明・音響等の設備が整った練習室は限られており、活動団体からは施設整備の要望も出されております。音楽の都づくり促進や市民文化活動の推進には、日常の活動拠点となる設備の整った練習場等の整備が必要と考えております。御質問の男女共同参画推進センターは、本市における男女共同参画の推進拠点であるとともに、文化芸術団体の活動拠点ともなっており、年間18万人を超える利用者があります。しかし、建設後33年を経過し、老朽化が進んでいる上、耐震性能にも問題があり、早期の対策が必要です。耐震改修する方法も考えられますが、現状の施設の利用状況や市内の文化芸術団体の活動状況などを考えれば、男女共同参画の拠点機能に加え、音楽や演劇・ダンスなどさまざまな活動に対応できるような防音設備などが整った練習室等の機能を備える施設に建てかえることが費用対効果の観点からも適当と考えます。このため、現センターは平成21年度をもって閉館とし、24年度を目途に男女共同参画の拠点施設と、いわゆる文化芸術創造センターのような文化芸術活動を支援する複合施設を建設したいと考えております。 御質問の5番目のセーフティーネットとしての高年齢者雇用政策についての1点目、高年齢者雇用政策についてお答えいたします。国におきましては、65歳までが働くことができる環境整備のために、高年齢者雇用安定法の改正を行うとともに、社会保障の機能強化のための緊急対策においても、60歳代の雇用確保や中高年齢の再就職促進、多様な就業機会の確保を主な柱として位置づけ、高年齢者の雇用対策を図ることとしております。これまで市はこれら国の施策及び事業主等に対する各種助成制度について情報提供を行うとともに、高年齢者職業相談室や浜松家内労働福祉センターへの助成を通じて高年齢者の雇用促進の支援をしてまいりました。こうした中、労働力人口の高齢化及び減少が進んでいく状況の中で、高年齢者の持つ豊富な知識・技術などを十分に発揮できる雇用機会の確保・職場環境の整備や社会保障制度の不足分を補うことのできる対策が必要かつ重要な課題であることは申し上げるまでもございません。市においては、重要な施策として、積極的な企業誘致を初め、新産業、新技術の創造を総合的に支援し、産業の振興や地域経済の活性化を図ることが、労働市場の拡大による雇用の創出・安定につながるものと考えております。こうした中、最近の急激な経済状況の変化に伴い、雇用環境への厳しい状況が予想されることから、本市といたしましても、景気動向の推移や雇用政策に対する緊急度等にかんがみ、地域の実情・ニーズに応じた施策を実施するため、国・県との連携を一層強化してまいります。また、ハローワークや企業、商工会議所、各関係機関などで構成されます浜松公共職業安定所雇用対策推進協議会や西部地域中小企業人材確保研究会などとの連携による事業を実施し、雇用促進・就労支援に向けた雇用政策を推進してまいります。 次に、2点目のシルバー人材センターの活用についてお答えいたします。シルバー人材センターは、定年退職者等の就業相談と就業機会の提供により、高年齢者の能力の活用と生きがいづくりに資することを目的として設立され、地域社会の活性化にも大きく貢献しております。しかしながら、御質問にもありましたように会員の高齢化や受託件数の伸び悩み等の課題を抱えているため、国においては全国で80万人の会員を平成22年度までに100万人とする活性化目標を掲げております。市といたしましても、新規会員の加入促進や新規職域の拡大がシルバー人材センターの活性化と高年齢者の就業機会の拡大につながるものと考え、指導・支援を行っているところでございます。特に、国が新たな補助事業として盛り込んだシニア労働力活用事業については、市としても団塊世代の退職者を取り込む効果的な事業として支援することとし、シルバー人材センターが平成20年度から各種講習会、講演会、相談会等を開催して、新規会員の加入促進と高年齢者の就業機会のさらなる拡大を図っております。また、法改正により可能となった労働者派遣事業については、静岡県シルバー人材センター連合会が平成21年4月から派遣元事業所として参入を予定しており、浜松市シルバー人材センターとしても平成21年度中に派遣実施事業所として会員を新たに派遣することができるよう、スーパーマーケット等の小売業界に働きかける準備を進めております。市といたしましても、こうしたシルバー人材センターが取り組む新規会員の加入促進や新規職域の拡大について、引き続き連携・支援を行うことにより、高年齢者の就業機会の拡大を図ってまいります。 次に、3点目の浜松モデルの試行についてお答えいたします。技能と経験豊かな高年齢者の方々にその能力を生かして働いていただける雇用の機会を確保していくことは、就業率の向上だけでなく、活力ある社会を築いていくためにも大変重要であると認識しております。高年齢者の雇用支援については国全体の課題であり、国が中心となって取り組むべきものであると考えておりますが、本市としましても、可能な限りの対策を取り組むことが重要であると考えております。御質問にあります特別交付金につきましては、国の追加経済対策の中で新たに雇用再生交付金が設置される方針であると伺っております。本市といたしましても、こうした国が進める安定した雇用機会を創出するための対策について積極的に情報収集し、その活用策の検討を進めてまいります。また、熟練技術者・技能者の技術・能力の継承策につきましては、産業創造センターなども活用して研究を進めてまいります。これら高年齢者の雇用の支援策の推進につきましても、関連各課の連携による会議を今年度立ち上げて、具体的な対策の検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆36番(太田康隆) 議長、36番。 ○議長(内田幸博) 36番太田康隆議員。     〔太田康隆議員登壇〕 ◆36番(太田康隆) 再質問させていただきます。 2番目の自治会と地域協議会の質問の地域協議会にかかわるところですが、私は少なくとも平成21年度での廃止は延期すべきと考えるが、どうかという質問をさせていただきました。御答弁は、結論を出す時期は、来年度の早い時期にとお答えいただいただけですので、再度質問させていただきます。質問の趣旨は、とにかく一度延期して議論する時間を与えてはどうかという意味ですので、本当にあとは市長の判断次第だというふうに思います。よろしくお願いします。     〔鈴木康友市長登壇〕 ◎市長(鈴木康友) それでは、太田議員の再質問にお答えいたします。 先ほども答弁させていただきましたとおり、今さまざまな皆さんから御意見をお聞きしながら検討しているところでございまして、来年度の早い時期に必ず方針というものを出してまいりますので、ぜひその点御理解いただきたいというふうに思います。 ◆36番(太田康隆) 議長、36番。 ○議長(内田幸博) 36番太田康隆議員。     〔太田康隆議員登壇〕 ◆36番(太田康隆) 再々質問させていただきます。 意見がなかなかかみ合いませんでした。自治会と地域協議会、これは地方分権社会、分権社会を支える地域をどうつくるかという大変重要な問題だというふうに思っています。自治会とは国家権力や法制度の裏づけのない民間組織です。民間組織であることに変わりありません。地域の全世帯を会員として、一定の地域に秩序をもたらす秩序の領域的妥当--これはマックスウェーバー流にいうということですが、これを実現してきた日本の自治会組織というのは世界的にもまれなんですね、もう奇跡に近い組織だと言われております。合併などによって、法制度の裏づけのある地方公共団体が遠くなったために、身近な地域に必要な公共サービスを確保して、必要な意思決定を行うため秩序を維持する仕組みとして、そこに住む人々が育ててきた方式であります。戦後の高度成長1960年代以降、個人所得と自治体の税収が増大します。それまで、例えば道普請であるとか、自治会が提供してきた公共サービスは個人が私的サービスで代替したり、行政が行政サービスとして代替するようになります。この結果、自治会の必要性は低下して衰退が始まるわけであります。こうして自治会の担う仕事というのは、防犯灯の管理から利害関係の調整まで、本当に地味で重要、だれもやりたがらない。しかし、行政も市場もサービスを提供しないために、だれかがやらなければならない仕事だけが残っているわけですね。1990年代にバブルが崩壊して国の財政危機が叫ばれると、それまで行政が担っていた公共サービスを今度は民間との協働で確保しようという考え方が台頭します。再び自治会が必要となるわけでありますが、既に加入率は低下しておりまして、自治会機能は衰退しているために、コミュニティーを補完・再生するため、わざわざコミュニティー政策を行政がやらざるを得なくなるわけです。市長は、こうした歴史と現実をどう理解されるでしょうか。たまたま私がこの質問をつくった後に、月刊「地方自治」の巻頭論文にコミュニティーについて載りました。そこにも書いてあることでございますので、ぜひ読んでみてください。 浜松市の自治会は健在なんですね。平成20年度の加入率は96.2%あります。私が先ほど市民協働の絵はいかようにも描けると申し上げましたのはそういう意味であります。御答弁では、業務について委託方式と事業費方式で整理しているということですが、委託料や補助金を削るということではなくて、自主的な自治会の業務であっても、きちんと行政として評価していくべきだと私は考えます。 地域協議会についてであります。今日、全国的には、ただいま申し上げましたように自治会の衰退を補うためにコミュニティー政策を必要としています。自治会加入率が64%と低い宮崎市では、コミュニティー・プラットホームとして制度上の地域自治区を置いています。しかも、各地域事務所には地域コーディネーターという嘱託職員を2名配置しているということでございます。本市の特に北遠地域で心配なのは、高齢化によって全世帯会員制という自治会の組織原理が維持できなくなることです。その場合、それを補うためにコミュニティー政策を行政がやらざるを得なくなる。そうならないためにも地域協議会を残すという主張は、理論的な正統性があるというふうに思っています。ぜひ再考をお願いしたいというふうに思います。 私が今回質問をつくっていく中で、二つの大きな課題と言いますか、壁に当たりました。一つは、基本構想についてであります。現在の総合計画策定時に私たちが議決した基本構想、とりわけ都市の将来像が康友市長が主張するひとつの浜松となかなか一致しないということです。つまりクラスターという概念とひとつの浜松がどうも一致しない。基本構想とは何ぞやということでありますが、首長がかわるたびに基本構想を変えている市町村もあるようですけれども、首長がかわってもそういったことに左右されない基本構想があってもよいのではないかというふうに思っております。どうするかということです。このままいくのか、修正をかけていくのかということですが、後期4年の基本計画、つまり都市経営戦略の策定に向けて議会としてもきちんと議論していく必要があるのだろうというふうに思っております。 もう1点は、市長マニフェストの取り扱いです。マニフェスト全盛の時代ですが、マニフェストというのは、財政的裏づけであるとか、あらかじめ客観的に検証されたものではないと思っています。例えば市民税を半額にしますという候補が当選して、じゃ、本当に市民税を半額にできるのかということです。それができないことはもう明らかでありますが、有権者はマニフェストを一つずつ評価しているわけではないということでありますので、大切なことは、実現していく過程で財政的裏づけであるとか、市民意向であるとか、そういったものを確認しながら、しっかり議論していくということだと思います。その議論の過程を明らかにすることで、それが検証していく作業なんだろうなと思います。したがって、全部やらなくてはいけないということではなくて、必要とあらば大胆に修正していくことも必要なんだろうなと思っております。先ほどの地域協議会の廃止問題については、市長マニフェストに載っていることですので、ぜひ議論して、いい方向で結論を出していっていただきたい、お願いしておきます。 1番目の予算編成方針ですが、景気減速により、法人市民税が大きく減収見通しだということです。景気の影響を受けない固定資産税が地方の基幹税目であったということは本当によかったと思っています。先人の知恵はすばらしいなと思います。また、農業が私たちに教えてくれる教訓というのは、予測不能な天変地異もありますけれども、種をまいて手入れをしなければ収穫は得られないということです。種まきも含めた将来につながる予算編成をぜひお願いしたいと思います。 3番目の行政経営の品質向上でありますが、21億円という大きな投資をして整備する基幹システムですので、当初想定した効果が十分発揮されるように、トレーニングを含めてしっかりと対応していただきたいと思います。節約された人的資源をどの部門にどう配分していくかとか、職員の発想を使い切り・現金主義から発生主義やコスト計算に対応した発想に転換できるかということが課題だろうと思います。 文化振興につきましては、あいホール、大変実のある御答弁をいただきましてありがとうございました。既存施設の改修、整備、それから拠点施設の充実につきましては、方針どおりの実現を期待いたします。 最後の雇用の問題、大変大きな問題ですが、投げかけさせていただきました。当市でも担当が労政、高齢者福祉、企画にまたがっております。そういった中で庁内会議を立ち上げていただけるということですので、ぜひ雇用政策の浜松モデルの実現に期待したいと思います。 再々質問と申し上げましたが、意見・要望とさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(内田幸博) 次に、創造浜松代表19番湖東秀隆議員。(拍手)     〔湖東秀隆議員登壇〕 ◆19番(湖東秀隆) 会派創造浜松を代表いたしまして、さきの通告に従い、質問をいたします。 その前に、このたびは鈴木康友市長、第3回マニフェスト大賞グランプリ受賞おめでとうございます。 今後も市民生活と浜松市発展のために、さらなる御努力をお願いいたします。 では、質問に入らせていただきますが、ぜひともこの受賞されましたグランプリの輝きが曇らないよう、明確な御答弁を御期待申し上げますので、よろしくお願いいたします。 1番目の質問は、障害児や障害者に優しい浜松づくりについて市長にお伺いいたします。 障害者自立支援法の施行により、障害のある人を取り巻く環境が大きく変化する中で、第1期浜松市障害福祉計画が策定されました。現在、第2期障害福祉計画の策定が進められていますが、障害者の人数に対する受け入れ態勢、また県や県内各自治体との連携について利用者並びに事業者からもさまざまな課題や改善点についての要望がされたと聞くところであります。県との調整を図る中で、障害者やその家族、事業関係者からも十分に意見を取り入れる必要があると考えます。そこで、1点目としては、障害者自立支援法に基づく障害福祉計画の現状と次期の福祉計画策定に当たり、利用者並びに事業者からもさまざまな課題や改善点について要望を聞く中で見直した点は何か、お伺いいたします。 2点目は、障害者自立支援法が施行されたことにより、障害児に対する放課後対策を、現在、本市も日中一時支援事業で対応しております。この事業は、主に障害者の日中活動を確保し、また、その家族の就労支援及び障害者を介護する家族の一時的な休息を目的としているなど、障害を持つ成人への施策が中心となり、未成年である障害児への放課後対策は不十分であります。このようなことから、障害児の放課後の居場所対策についてどのような認識を持っているのか、お伺いいたします。 次に、障害児の放課後の居場所対策について、10月28日、浜松市障害児放課後支援連絡協議会から障害のある子供の放課後活動事業に関する要望書が提出されました。要望項目は、浜松市日中一時支援事業及び発達障害児等生活支援事業の利用実態・運営状況を把握し、実情に見合った制度とすることを初め、利用者の対応並びに障がいを持つ子供への適正な支援などが明記されています。現在、健常児への放課後対策は各小学校の余裕教室あるいは施設建設により積極的に講じられております。一方、障害児の受け入れ場所を見ますと、事業者が個人的に改修した倉庫、あるいは授産所、作業所等の空きスペースで受け入れているのが現状です。また、距離的な問題や低料金で使用できる適当な場所がないために市所有施設の一角を借りて受け入れしていますが、施設の目的外使用という理由で月10万円というマンション並みの家賃を支払いながら、障害児のために厳しい運営をしている事業者もいます。また、事業者からの日中一時支援事業の運営上での課題をお聞きしたところ、現在1人1時間当たり900円の利用料金で受け入れしています。しかし、障害が重い児童へは、指導員がマンツーマンで対応しなければ危険な場合もたびたびあり、指導員不足から非常勤職員を雇用せざるを得ない状況です。現場も知らず、単純な机上論で障害児の人数に対する指導員数から算出した補助金だけでは事業運営も厳しく、この先、指導員や非常勤職員の雇用も成り立たず、事業継続が難しく、この先検討せざるを得ない状況とのことでした。このようなことから、3点目の質問として、障害児の放課後対策について、日中一時支援事業の利用者並びに事業者から要望書が提出されていますが、要望項目についてどのように検討されているのか、お伺いいたします。 4点目は、国が示した放課後児童健全育成事業では、障害児も健常児とともに利用することが明記され、その場合には国からの補助も上乗せされます。しかし、現実論として、健常児と障害児がともに一室で放課後を過ごすことが可能なのであればよいのですが、突然、発作的な症状が出る場合もあることから、ともに放課後を過ごすことは難しいと考えます。ちなみに、発達障害児も全国的に増加していますが、発達障害児の中で療育手帳を持たない児童が、健常児と一緒に放課後を過ごすことにより、健常児からのいじめ問題も全国的に発生している事例があることもつけ加えておきます。このような状況から、障害児の放課後対策について検討する必要があると考えます。また、障害児の家庭では、母子・父子家庭もあり、保護者として会社勤務も不定期となり、正規雇用も厳しい状況です。障害児と健常児の兄弟姉妹がいれば、なおさらのことであります。健常児の保護者も障害児を持つ保護者も、それぞれ子供の将来のために少しでも就労し、家計を支えたいという思いは同じではないでしょうか。こども第一主義を提唱する鈴木市長ならば、御理解いただけると思っております。 他都市の取り組みを調査したところ、名古屋市を初め横浜市や川崎市、さいたま市など、それぞれ市内に市立や県立の特別支援学校が設置されています。国の施策での対応では不十分なことから、放課後になれば、市立・県立の児童の区別なく、市民の一人として市が取り組むべきとの観点から、発達障害児を含めた障害児のトワイライトスクールやタイムケア事業など、各自治体の単独事業として障害児に対する放課後対策を実施しております。本市も同様に単独事業による対策も検討すべきと考えます。そこで、さきに述べましたが、他都市では障害児の放課後対策事業の取り組みやこれらを市単独事業として実施しております。健常児と障害児も区別なく、子供たちの放課後対策事業に対し格差がないよう取り組む必要があります.本市においても、障害児に対する放課後の居場所づくりについて、現状や要望を踏まえ、実施に向けて今後の取り組みとその考え方についてお伺いいたします。 5点目として、鈴木市長のマニフェストに掲げた小・中学校への特別支援学校併置の考え方、並びに具体的取り組みについて、また併置する場合の放課後対策も検討する考えはあるのか、あわせてお伺いいたします。 次に、2番目の質問は、浜松市地球温暖化対策への取り組みについてであります。 地球温暖化対策は、現在、世界じゅうで最重要課題として取り組んでいるところでもあり、本市においても、浜松市地球温暖化対策地域推進計画案が策定され、現在パブリックコメントにより、市民から広く意見を募集しているところであります。また、平成20年度から22年度までの浜松市役所地球温暖化防止実行計画(第2期計画)も策定され、目標達成のため取り組んでいると思います。この計画の目的は、市役所がみずからの事務事業に伴って排出する温室効果ガスの削減を目指すための計画であり、平成20年度から平成22年度までの3年間に平成17年度比6%以上削減するという内容であります。そして、浜松市地球温暖化対策地域推進計画の策定を前に、市役所が率先して取り組む姿勢を示すことと明記されています。このようなことですので、目標達成のため、全庁での努力を願うものであります。市民や事業者へ示す前に、まずは市の施設など、職員が率先して温暖化対策に取り組む姿勢が必要です。例えば、市の施設では、屋上緑化や壁面緑化の推進、職員のエコ通勤、学校給食での残菜の堆肥化など、地球温暖化対策に対する職員の率先行動が重要と考えます。また、浜松市役所地球温暖化防止実行計画(第2期計画)では、市所有の大規模施設31施設でのCO2排出量削減策に取り組むことにより、3億8000万円余のコスト削減が図られると明記されています。このことから、さらに職員のCO2排出量削減の意識高揚がなければ、目標年度の達成は不可能ではないかと考えます。また、目標達成するには、部局予算内での推進ではなく、それぞれの部署でアクションプランを作成させ、それに対しては、別枠で温暖化対策としての予算を配分し推進させることも重要であり、もちろんチェック体制も強化する必要もあると考えます。 このような観点から、4点について市長に質問いたします。1点目として、名古屋市や大分市、伊勢崎市では地球温暖化対策の一環として、市職員が先頭に立ち、自転車によるエコ通勤などに取り組んでいます。本市でも市職員が率先してCO2排出量削減のための取り組みを推進すべきと考えますが、その考えをお伺いいたします。2点目として、環境対策の観点から、学校給食での残菜処理の現状と堆肥化も視野に入れての活用策について検討する考えはないか、お伺いいたします。3点目として、市の大規模施設でのCO2排出量削減について、平成22年度を目標として計画書を作成し実行していますが、果たして達成できるのか、残り2年間の達成に向けての取り組みをお伺いいたします。4点目として、各課での取り組みについて温暖化防止対策としての別枠予算を確保すべきと考えますが、どのようにお考えなのかお伺いいたします。 次に、3番目の質問は防災対策についてであります。近年、東海地震等の大規模地震発生が叫ばれている中、被害を最小限に食いとめるため目標設定の必要性が高まり、国は平成17年3月に地震防災戦略を策定しました。そして、防災基本計画では、地方公共団体においても、これらの計画を踏まえた地域目標を策定することとしております。このようなことから、ことしの3月に本市は地域目標として、地震対策の数値目標、達成時期等を明示する市アクションプログラムを策定しました。このプログラムの中で、市内69カ所が孤立地域に想定されていることから、その対応は大きな課題と思われます。 さて、災害発生を想定したとき、まず最初に、市全域での被害状況や安否確認、孤立地域も含め、迅速な情報収集にあると考えます。しかし、防災行政無線による通信体制の現状は、災害対策本部のある本庁と南区役所、西区役所の3カ所だけが通信可能で、その他の区役所との無線通信はできていません。さらには、災害時、各区役所内にも災害本部が設置されますが、7カ所の区役所のうち、西区、北区、天竜区のように複数の旧市町村が一つになった区では、区内の自治センターなどの避難所との通信もできない状況であり、区役所としてすべき区内の情報収集ができず、本庁の災害対策本部にも報告ができない状況となっています。被害状況を迅速に把握し、市民の生命と財産を守るためには、防災無線の整備は喫緊の課題であります。他の自治体との連携、そして整備費用の問題もありますが、広大な市域をカバーするデジタル無線設備の整備が最優先されるべきと思います。そこで、1点目として、防災無線はデジタル化も計画されていますが、整備完了はまだ数年先との話であります。市民の生命・財産を守るためには、全市域をカバーする無線設備の迅速な整備が必要であると思いますが、市長のお考えをお伺いいたします。 また、緊急物資の観点から、災害発生時には飲料水は何よりも早く必要であります。特に孤立地域での最低限の食料や飲料水については、地区集会所や地域内の防災倉庫での備蓄も必要と考えます。平成22年度には防災ヘリコプターが導入されることにより、孤立地域への緊急物資の空からの搬送も可能となりますが、夜間や気象状況などの条件により、防災ヘリコプターの対応も困難になることが予想されます。 次に、2点目として、各地域の食料・飲料水の備蓄状況と孤立地域への搬送所要時間をどのように把握されているのか、また飲料水の確保が困難な孤立地域への対応はどうか、そして防災ヘリコプターでの対応が困難な場合--気象状況あるいは時間帯等ですが--の搬送対策についてどのようにお考えなのか、飯田副市長にお伺いいたします。 次に、3点目は、災害を想定して、市としての指定文化財所有者への周知徹底と対応についてであります。市内には、国・県・市の指定有形文化財は262件登録されています。災害発生時における大切な指定文化財の保全も必要と思われますが、有形文化財については所有者の管理責任となっております。しかし、災害発生時、まずは生命が最優先され、文化財の保全は後回しになると思われます。できる限り万全なる保全対策を所有者にしていただくためにも、どのような対応をされているのか、あわせて飯田副市長にお伺いいたします。 そして、4点目は避難所についてであります。現在、市内各地区での避難所は小学校を初め市施設を指定されていますが、地形的あるいは災害規模や被災状況により、指定された避難所への移動が困難になることも想定されます。市指定の避難所とは別に、市内には避難所として活用できると思われる県所有施設が40カ所ほどあり、既に高等学校などの施設については県と協定が締結され、災害発生時には市民の避難所として利用できることとなっております。それ以外の県の施設では協定を結ばない限り、施設周辺住民の避難所としての受け入れはできない状況であります。このようなことから、地域性や地形等の状況を把握する中で、県の施設を避難所として活用できるよう協定を締結すべきと思いますが、そのお考えを飯田副市長にお伺いいたします。 4番目の質問は、市街化調整区域内の土地活用に向けた許可基準の見直しについてであります。 本年4月より企業の市外流失を食いとめる策として、また新たに進出する企業への誘致・立地策が条例化されたことは、浜松に立地する企業への土地政策に対する大きな規制緩和の第一歩であったと私は理解しています。これは本市の長期的な財政の安定と税収の確保を図る上で大変重要な政策であり、当局の早急な対応は評価に値するものであります。さらに、第2段として税収を高める施策の一つとしては、広大な市域の有効な土地活用をすることであります。都市計画の中で、開発と保全はしっかりとすみ分けをする必要があることは理解していますが、農地に関しては農業従事者の高齢化や後継者不足から農地の維持管理が本市においても大変難しくなってきているのが現状であります。しかし、国は特色ある地域を無視し、日本国土を一律に金太郎あめのごとく法律で網をかけたことにより、市街化調整区域内の農地は日本全国どの地域でも保全しなければならない状況にあります。本市はそれを都市計画法第34条11号の条例によって緩和し、住居等への土地活用ができるよう可能な範囲で許可基準を見直すことが必要であると私は考えます。昨年11月の定例会での花嶋副市長の答弁では、市街化調整区域の全域において、平成21年度からの運用の開始に向け、開発許可基準の区域・立地の内容などの見直し案を策定していくと言われています。市街化調整区域内の土地活用に向けた許可基準の見直しを図るなど、第1段に続き、第2段の規制緩和策を当局はどのように考えているのか、今後の展望も含め、花嶋副市長にお伺いいたします。 5番目は、松菱跡地対策の状況と今後の方向性についてであります。 松菱跡地については、さきの議会でも我が会派の高林議員が質問いたしましたが、この問題は、中心市街地の顔として、また中心市街地活性化への起爆剤となることから、本市や市民にとっても大変重要な課題であると考え、再度質問いたします。 松菱が閉店してから、はや7年が経過しております。いまだに旧松菱ビルがそのまま残っているのは、中心街にとっては異様な光景にさえ思える状況であります。このような中心市街地の状況は、市民や外来者に閑散とした印象を与え、浜松の将来に不安を抱かせることにもつながりかねません。今まで関係者の方々が大変な努力と調整を行ってきたことから、大丸百貨店が浜松に出店すると思っていたところ、本年9月25日に、株式会社大丸と地権者である株式会社アサヒコーポレーションとの間で締結されていた出店に関する基本協定が解除されたとの報道がありました。市民からは、いくら民間同士の事業であろうが、市としても何らかのかかわり合いがあったのではないのか、株式会社大丸と株式会社アサヒコーポレーションとの間で合意できない何らかの事項があったのではないか、それとも地権者間のことなのかなど、さまざまな憶測が飛び交い、市民の中には、中心市街地活性化や本市の発展を危惧する意見さえ出始め、不安な課題となっております。このような中、浜松商店界連盟が中心となり、大丸百貨店の浜松出店に対し早期開店を求める署名活動が行われ、去る18日には1万2667人の署名を集めて市長あてに提出されたところであります。そこで、以下の3点について市長にお伺いいたします。 1点目は、株式会社大丸と株式会社アサヒコーポレーションとにおいて締結されていた基本協定がなぜ解除されたのかについてお伺いいたします。2点目は、地権者間と株式会社大丸との関係はどのような状況であったのか。また、基本協定が解約された後の地元関係者の反応や対応はどのような状況なのか、あわせてお伺いいたします。3点目は、民間主体の事業ではありますが、本市としても何らかのかかわり合いがあったと思いますが、そのような対応をしてきたのか、あわせて、今後どのような対応を考えているのかお伺いいたします。     〔鈴木康友市長登壇〕 ◎市長(鈴木康友) それでは、第19番創造浜松代表湖東秀隆議員の御質問にお答えいたします。 御質問の1番目の障害者に優しい浜松づくりの1点目の障害福祉計画の現状等についてお答えいたします。障害福祉計画は障害者自立支援法に基づき、障害のある人が地域で自立した生活を送るために必要となる障害福祉サービスの見込み量などを定めた計画であります。現行の第1期計画では、障害のある人のサービス利用に係る利用者負担の軽減策や、施設から退所された方の居住の場となるグループホームへの整備助成等の施策を盛り込み、サービス量の確保に向けて推進してまいりました。その結果、自立訓練など一部のサービスについては、地域生活移行への不安などから利用の伸び悩みが見られるものの、居宅介護、児童デイサービス及びグループホームなどのサービス利用は順調に推移しております。一方で、議員の御指摘にもありますように、制度がスタートして間もないことなどから、新たな課題も見え始めてきております。こうした状況の中、本市では、障害のある人の教育や就労を初めとした日常生活における不安を解消するために、地域全体で支える仕組みづくりが必要と考えているところです。次期計画の策定に当たっては、障害福祉サービスの支給決定を受けている方全員へのアンケート調査結果を踏まえ、利用者ニーズに合ったサービス見込み量の見直しを行っています。また、本年度、相談支援事業所を中心とした関係機関が、障害のある人が抱える困難事例を協議する場として、(仮称)障害者自立支援連絡会を各区に設置してまいります。これを受けて、次期計画には各区の現状や課題を踏まえた中で、この連絡会における具体的な取り組みを盛り込み、障害のある人を地域で支える体制の充実強化を図ってまいります。 次に、2点目の障害児の放課後の居場所対策につきましては、平成18年度までは障害児放課後対策助成事業の補助金で3団体が実施していました。平成18年10月から障害者自立支援法が本格実施されたことに伴い、同法の地域生活支援事業に基づき、日中一時支援事業として対応できることとなりました。この事業の主な目的は保護者の介護の負担を軽減することでございますが、このことにより、この3団体がすべて日中一時支援事業の放課後対策事業所としての登録事業者となりました。平成19年度には登録事業所が10カ所にふえ、現在は11の事業所が小学生から高校生までの障害児の放課後受け入れを行っております。登録事業所がふえ、徐々にではありますが、障害児の放課後対策事業は拡充してきております。 次に、3点目の日中一時支援事業の利用者並びに事業者からの要望書に対する検討についてでございますが、本年10月28日に11事業所が組織する障害児放課後支援連絡協議会から要望書が提出されました。この中でさまざまな課題も見えてまいりましたことから、障害の程度に応じた受け入れや職員の資質向上の研修等について、早速、庁内の担当部署で検討を始めたところでございます。 次に、4点目の障害児に対する放課後の居場所づくりに向けての今後の取り組みについてでございますが、現在、障害児の放課後対策は日中一時支援事業の中で展開しております。この事業は保護者の介護負担の軽減が主な目的であることから、保護者の就労支援も含めた放課後対策を同一事業で継続することが適当か否かの検討が必要と考えております。そこで、今年度から来年度にかけて利用対象者のニーズ調査や事業者との協議を行うとともに、国においても障害児の放課後デイサービスを検討しているとの情報もあることから、その動向を注視しながら、市としての障害児放課後事業のあり方について見直しをしてまいります。 次に、御質問の5点目、私のマニフェストに掲げました小・中学校への特別支援学校併置とその放課後施策についてお答えいたします。本市の北遠地域や引佐地域においては近隣に特別支援学校がなく、障害のある子供たちは、既設の特別支援学校へ通学することが困難な状況にございます。小学校・中学校内に分校を併置することは、障害のあるなしにかかわらず、子供たちが互いに触れ合い、豊かな心をはぐくみながら、ともに生活できる社会の実現につながるものと考えております。こうしたことから、ことしも昨年に引き続き、小学校・中学校等への県立特別支援学校分校の併置について、県へ要望を行ったところでございます。今後につきましても、障害のある子供たちのために分校の併置を県に働きかけてまいります。なお、特別支援学校の分校が併置される場合の障害児に対する放課後施策につきましては、4点目で申し上げましたが、利用対象者のニーズ調査の結果を踏まえ、検討したいと考えております。 次に、御質問の2番目、浜松市地球温暖化対策への取り組みについての1点目、市職員の率先した取り組みについてお答えします。市民、企業、行政が一体となって温室効果ガスの削減に向け取り組むための地域推進計画の策定に先駆け、昨年度、市の率先行動計画としての市役所地球温暖化防止実行計画を策定いたしました。その計画の実効性を高めるため、今年度、ISO14001における環境配慮行動のチェック表を大きく見直しました。例えば、3階以内の移動は階段を利用すると18グラムのCO2削減や、2キロメートル以内の近距離移動時の公用車利用をやめると1キロメートル当たり232グラムのCO2削減など、行動指針をCO2削減効果つきで示し、毎月のチェックを義務づけています。また、これまで電気等の使用量を半年ごとに環境企画課に報告してもらうだけだったものを、現場単位で毎月チェックし、改善につなげるよう、チェック表の様式を見直しました。これらの取り組みにより、全課において電気・燃料の使用量を毎年、前年度比1%ずつ削減していくことを目指しています。無駄を省き、物を大切にする、例えば窓際の照明を消す、消せる構造になっていなければ改善策を考えるというような、本来ならば当たり前のことを原点に立ち返って徹底してまいります。さらに、職場だけでなく、家庭においても、自然に環境配慮行動を行えるよう、新たに家庭版のチェック表を作成し、1人1日1キログラムのCO2削減を目指した取り組みを始めています。これに加え、市職員の率先した取り組みとして、通勤に自転車や公共交通機関の利用を奨励することにつきましても、今後取り組んでまいりたいと考えております。 次に、2点目、環境対策の観点から、学校給食での残菜処理の現状と堆肥化への活用策の検討についてお答えします。まず、学校給食での残菜処理の現状についてでございますが、学校給食から発生する生ごみの多くは、燃えるごみとして焼却処理されております。しかし、三ヶ日中学校、南庄内小学校、気賀小学校、三ヶ日東小学校及び三ヶ日西小学校では、生ごみ処理機を設置し、処理された給食残菜の一部を花壇等の堆肥として使用している学校もございます。また、給食センター6カ所のうち、浜北、天竜、引佐の3カ所にも消滅型生ごみ処理機を設置しており、給食残菜の約7割から8割を減量化しております。今後、学校給食における残菜処理につきましては、教育委員会とともに、生ごみ処理機を設置した学校及び給食センターの実態を踏まえ、生ごみ処理機の学校等への設置の有効性を検討してまいります。また、北区内にある民間の堆肥化処理施設では、堆肥化したものを地域のミカン園や近隣農家で活用しているという事例もありますので、給食残菜についても、こうした施設において堆肥化できるか、モデル的な試行を検討してまいりたいと考えております。 次に、3点目の大規模施設でのCO2排出量削減についてお答えいたします。市施設におけるCO2排出量削減を進める上で独自の基準として、年間のCO2排出量が500トンを超える施設を大規模施設と定義づけています。中部浄化センターや医療センター、本庁舎など31施設が該当し、CO2排出量で全施設合計の約55%を占めています。計画では、電気やガスの使用のほか、公用車の使用、廃棄物の焼却など、市の施設並びに市の事務事業に伴って排出する温室効果ガスの総量を、平成22年度までに平成17年度比6%削減することを目標としています。これに対して、平成19年度時点で2%の減少にとどまっています。さらに今後は、医療センターのESCO事業のような多くの削減を見込める省エネルギー化事業がない中、大変厳しい状況であるため、各施設で万遍なく対策を積み上げていくことが必要になります。そこで、今年度から新たに大規模施設において、施設ごとに削減目標と年次計画を作成し、各施設でできる対策を積み上げることといたしました。また、これにあわせて、各施設における対策のポイントを探るために、施設ごとにエネルギーの専門家による診断を受けました。この診断結果を踏まえて投資対効果を分析したところ、冷暖房設定温度の緩和や稼働開始時間の繰り下げなどの投資不要な対策のほか、白熱灯から電球形蛍光灯への切りかえや、清掃工場のバグフィルターの定期的な更新などを実施することにより、目標が達成できる見込みです。なお、限られた予算の中ではございますが、省エネ対策がコスト削減につながることを各部局が理解し、足並みをそろえて実施していくことが必要と考えています。 次に、4点目の予算の確保についてお答えいたします。地球温暖化対策の推進については、戦略計画2009の基本方針において、重点戦略を進めるリーディングプロジェクトの一つに掲げ、その中で家庭や事業所とともに、公共部門における省エネルギーの推進を位置づけているところでございます。平成21年度の当初予算編成につきましては、9月半ばの金融危機に端を発した世界的な経済悪化により、本市におきましても、極めて厳しい財政環境のもとで編成しなければならないと認識しております。したがいまして、例年以上に集中と選択を進めるため、戦略計画の基本方針に掲げたリーディングプロジェクトへの重点的な予算配分を心がけてまいります。なお、御質問にございますような部局横断的な政策課題に対応する経費の取り扱いについては、予算編成の中で検討してまいりたいと存じます。 次に、御質問の3番目、防災対策についての1点目、防災無線の整備についてお答えいたします。 現在の浜松市の防災行政無線は、合併前の12の市町村がおのおの整備しました周波数の異なる無線設備のため、旧市域を越えた無線通信はできない状況にあり、合併に伴う課題と認識しております。加えて、浜松・浜北の両地域の無線免許期限は、国のデジタル化計画により平成23年5月までとなっており、防災対策上、早期に整備を行うことが必要でございます。このようなことから、平成19年度に基本設計、平成20年度に実施設計を行ってまいりました。今後につきましては、有効期限のあります浜松・浜北地域の無線設備を平成21・22年度に整備をいたします。その他の地域につきましても、平成23年度以降、できるだけ早期に整備を図り、災害対応に万全を期してまいります。 次に、御質問の5番目、松菱跡地対策の状況と今後の方向性についての1点目、基本協定の解除についてお答えいたします。松菱跡の再生につきましては、株式会社大丸の浜松への出店意向の表明を受けて、株式会社大丸と関係権利者を代表する株式会社アサヒコーポレーションとの間で、事業完遂を目的とする基本協定を締結し、都市型百貨店の立地を目指してまいりました。しかしながら、関係権利者間の調整に思いのほか時間を要し、いまだに最終合意に至っていないことから、協定項目となっている事業スケジュールでの完遂が難しいと判断し、株式会社大丸と株式会社アサヒコーポレーション両者合意の上、9月25日付にて基本協定が解除されました。また、浜松市を含めた3者間で締結した出店条件確認書の効力も失うことを確認いたしました。このような中、株式会社大丸には浜松への出店意向に変わりがなく、引き続き出店に向けて地元関係者と協議することを表明していることから、現在、関係者間において協議が継続されているところであります。 次に、2点目、地権者と株式会社大丸との関係、基本協定解除後の地元関係者の反応や状況についてお答えいたします。株式会社大丸と株式会社アサヒコーポレーションは、基本協定に基づき、賃貸借予約契約の締結を目指して、経済条件、施設の具体的な計画、街区内の権利関係等を確定すべく精力的に協議調整を進めましたが、関係権利者の合意形成を得るには目標スケジュールの枠内での対応が困難となり、この立て直しを図るため両者間での協定解除の手段を選定いたしました。基本協定解除後、関係権利者においては、株式会社大丸の浜松への出店意向を再確認し、事業協力者の支援を受けて、街区一体開発の実現に向けて改めて合意形成に努めるとともに、株式会社大丸を街区再生の最良のパートナーとして、事業実施体制の見直しを進め、早期の事業着手を目指しているところであります。 次に、3点目、市のこれまでのかかわりと対応、また今後の対応についてお答えいたします。市としましては、民間事業者から提案された松菱跡の再生事業が中心市街地の活性化はもとより、都市の将来発展に重要な役割を果たすものと考え、中心市街地活性化基本計画の核事業として位置づけるとともに、市街地再開発事業等の諸制度についても、最優先事業として国等関係機関との協議を進めてまいりました。今後の対応でございますが、本再生事業において、大丸百貨店は街区一体開発による1敷地1建物を出店の絶対条件としておりますので、すべての関係地権者の合意によって大丸出店のための環境が整備されることが必要であります。市といたしましては、個々人の所有権という私権にかかわることでございますので、地権者の権利調整に関与することはできませんが、浜松商店界連盟が実施した大丸百貨店の早期実現を求める署名に多くの市民が熱い思いを込められたことを踏まえ、本事業の一日も早い着手を願っております。これまでの経緯を踏まえると大変難しいことだと思いますが、事業を推進するための体制が確立されることが不可欠であり、体制が整えば、都市再生特別地区における街区一体開発事業として、市が周辺のまちづくりなどの支援を行っていく方針に変わりはありません。     〔飯田彰一副市長登壇〕
    ◎副市長(飯田彰一) 続いて、私から、御質問の3番目、防災対策についての2点目、食料・飲料水の備蓄状況と孤立地域への対応についてお答えいたします。 浜松市での食料・飲料水の備蓄状況は、備蓄場所の関係で各地域で多少の違いはありますが、全体では非常食は約58万食、飲料水は約4400立方メートルでございます。これらは、被災1日後の想定される避難者数約19万人に対して、食料3食分と8日分の飲料水に当たります。また、孤立地域への食料等の搬送はヘリコプターの使用も含めて対応いたしますが、多少日数がかかることも想定する必要がございます。このため、孤立地域に限らず、家庭においては、静岡県地域防災計画に基づいて7日分の食料と3日分の飲料水の備蓄をお願いしているところでございます。特に、飲料水については、中山間地の集落においては、上水道ではなく、いわゆる山水を水源とする飲料水供給施設を利用しておりますので、供給施設の破損時や気象条件等により、ヘリコプターが数日間対応できない場合も想定されます。このため、すべての孤立予想地域の御家庭に対して、飲料水の備蓄の必要性を改めて啓発してまいります。また、自主防災活動を支援する補助制度を活用して、各地域で備蓄に努めていただくことも一つの方法でございますので、こうした取り組みについてもPRしていきたいと考えております。 次に、3点目の指定文化財所有者への周知と市の対応についてお答えいたします。災害発生時における指定文化財の保全については、何よりも指定文化財所有者との連携が必要と考えております。これまでは所有者と連携して文化財防火デーにおける消火訓練などを実施してまいりましたが、本年度より災害時の対応も含めた具体的な取り組みについて検討していたところでございます。そこで、本年度は、まず指定文化財所有者の皆様を対象に、来月12月より建造物や仏像、絵画などの管理や防災、防犯対策についての一連の講座を開催してまいります。災害発生時においては文化財の保全を図ることも大変重要ですので、こうした講座を契機として、所有者や地域住民、文化財保護団体等と連携方法を相談しながら、文化財の搬出方法や保全、防犯対策などについての協力体制を構築してまいります。 次に、4点目の県施設の避難所活用についてお答えいたします。現在、避難所として207カ所を指定しておりますが、このうち県施設につきましては7カ所の県立高校を避難所として指定しており、他の13の県立高校とは覚書を締結し、必要に応じて避難所として使用することが可能となっております。また、中心市街地への買い物客や新幹線などの運行停止により、主に市外の帰宅困難者のための一時的避難所として静岡文化芸術大学を使用することを想定しており、現在、協定締結の準備を進めているところでございます。御指摘のとおり、県有施設はこれらの高校のほか、20施設ほどありますが、指定避難所が被害を受けて使用できないときや、地形あるいは道路状況等により、指定避難所への避難が困難な場合等も想定されますので、避難所として利用可能な県施設につきましては、地域住民の御意見をお聞きしながら、協定が締結できるように調整してまいります。     〔花嶋秀樹副市長登壇〕 ◎副市長(花嶋秀樹) 次に、御質問の4番目、市街化調整区域の許可基準の見直しについてお答えいたします。 本市は、以前より多くの集落地が市街化調整区域に存在する中、合併により、さらに地域性の異なる集落地を抱えることになりました。こうしたことから、本市の土地政策を取り組む上で、地域コミュニティーの維持や無秩序な都市の拡大を防ぐために、既存集落の制度運用は極めて重要な課題となっております。そのため、本年度、大規模既存集落等の制度について、現行の市街化調整区域における開発許可制度の運用基準についての見直し作業を進めております。その主な見直し内容につきましては、旧浜松市のみに指定されていた大規模既存集落を新浜松市の市街化調整区域全域を対象として、その集落特性に応じて中山間地域と一般地域に区分した区域を設定してまいります。一方、市街化区域の隣接部に当たります大規模既存集落内におきましては道路、上下水道などの一定の社会基盤整備が進められ、また、農用地区域に指定されていない区域、いわゆる白地区域では都市化された地域が存在しております。これらの地域は新たな公共投資の発生も少なく、市街化調整区域の建築規制の必要性が薄いことから、新たな区域を設定し、道路要件等の一定の条件を付した上で、専用住宅、併用住宅などの立地を許容してまいります。なお、この開発許可制度の見直しに伴います運用時期につきましては、今後、諸般の手続を進め、平成21年4月を予定しております。 ◆19番(湖東秀隆) 議長、19番。 ○議長(内田幸博) 19番湖東秀隆議員。     〔湖東秀隆議員登壇〕 ◆19番(湖東秀隆) 時間も若干残りましたので、要望もしくは意見を述べさせていただきたいと思います。 まず、1点目の障害児者に優しい浜松づくり、これにつきましては、新たなる(仮称)障害者自立支援連絡会の設置ということで、前向きに取り組んでいただく方向性が若干でも見えたこと、ありがたいな、そう思っておりますが、実際のところ、この連絡会と、また市・県・国、いろいろな部分での連絡というもの、十分な協議もされた中で密に連絡をとり合っていただく、そういう部分についてちゃんと機能がされるように御配慮のほうもお願いしたいなと、そう思っております。実際、インターネットでいろいろ調べたところ、厚生労働省の関係で、この障害福祉計画の策定に向けて第2期の部分についての案が公表されております。これについては、いろいろ細かく言うと時間がありませんので、内容をあらかた言いますと、実際にこの第1期計画が策定された時期が18年度末であったということで、日数的に足りなかったのではないか。その中で、いろいろな自立支援法等の関係もあったことから、十分な検討ができていなかった自治体も多いと推測されると、ですので、今後、第2期の計画策定に当たり、それぞれの現状の把握、地域における課題等を踏まえ、今後実施すべき事項を検討することが重要とも書かれております。ですので、この障害福祉計画の第2期についても、しっかりと現状を把握する、また事業所、また利用者、それと利用者を抱える保護者等の意見を十分に聞くこともお願いしたいと、そう考えております。 2点目の障害児の放課後居場所対策、なおかつ3点目と関連しますが、実際に要望書が提出された内容については、場所的な問題、それと健常児と障害児との格差、それと就労したいのだけれども、今の状況だと、本当にレスパイトだけという保護者。保護者によっても一時的な休息を望む人もいれば、安定的就労を望む家庭もあると思います。ですので、その点について、いろいろな選択肢ができるような、できるだけ健常児についても障害児についても、こども第一主義という主張を前面に出していただく中での放課後対策を浜松市独自で検討されるのも一つかなと、そう思っております。あわせて、特別支援学校への併置の関係は、理解はします。が、やはりどうしても県との協議、連絡等もあります。今現存する県立の特別支援学校の部分についても同様かと思いますので、県とさらなる協議を深めていただく中で、どのような方向性ならば放課後対策ができるのかを含めて、また早急に対策、検討、協議をお願いしたいと、そう思っております。 2番目の地球温暖化対策のところでございますが、やはり職員によっても、部署によっても温度差があるというのは、我々としてもひしひしと感じてくるところがございますので、やはり全庁を挙げてまず市役所が取り組むんだと、取り組んだ姿勢を市民に見ていただいて、市民もあそこまでやれば我々もやらなければいけないという意識を呼び起こすような取り組みを、もっともっと細かいところも、また施設関係での大きなところもあわせて取り組んでいただきたいな、そう思っておりますし、これについては、一つは環境部等が一生懸命取り組んでいるとは思いますが、ただ環境部がやっているからいいんだというような問題ではなくて、逆に環境部から各部署へ、あなたの部署ならば何ができますかというような提案方法とか、それぞれアイデアを起こす中で、それぞれが取り組めることをまずはやらせるということも必要ではないかと考えておりますので、そういう部分も含めて、ぜひとも前向きに意識改革をやっていただきたいな。先ほど事例でも言いましたが、エコ通勤、これについてはなかなか課題も多いと思います。できるだけ自分たちも公共交通を利用しての通勤も考えておりますが、そういう意識を持たせるということがまずは大事であると思いますので、大なり小なり日ごろからの意識改革を、また市長が先頭に立って発揮していただきたい、そう思っております。 次に、3番目の防災対策でありますが、これについては、水というもの--食料もそうですが、水というものも同じような扱いで質問させていただいたわけでございます。これについては、万が一災害が起き、けがをした場合、まずはその傷口を消毒するにも、山水も使えないような状況を想定するならば、ペットボトルとか何か別にちゃんとしたきれいな水があれば洗浄したり、また目とか口とかに何か異物が入ったときでも対応できるという、ただ飲むだけという観点ではなくて、一つの災害に対する処置の一アイテムとして水も必要ではないかという観点も含めて考えておりますので、できるだけ孤立地域も含め、身近なところで即対応できるような考え方もあわせて持っていただく中で、対応もしくは備蓄を推進していくという、そのぐらいの意識を持っていただければなと、そう感じております。よろしくお願いいたします。 次に、市街化調整区域内の許可基準の見直しについて。これは調整区域内での土地活用に対する、そこに住まわれる住民の--自分の土地であっても自分の土地ではないようなすごい思いが強くある方も多いです。そういう思いを十分に酌み入れていただき、農業以外で活用できるようなものがあれば、その部分もそれぞれ相談に乗った中で十分に活用していただけるよう、そのような施策になるよう、ぜひとも推進していただきたい、そう考えております。よろしくお願いいたします。 松菱跡地につきましては、本当に市民だけではなく、最近ではテレビにも映っておりますので、広範囲において松菱跡地については注目の的だと考えております。ぜひとも浜松の顔としてということも含まれておりましたが、さまざまな課題、今答弁をお聞きする中ではあるなと感じております。しかしながら、今後、中心市街地活性化のためにもぜひとも大丸百貨店が無事開店の運びとなるように、さらなる関係団体との協力、連携をしていただいた上で、事業推進のため支援をできるようお願い申し上げまして、一切の質問とさせていただきます。(拍手)    -------------------------------- ○議長(内田幸博) この際、午後1時まで休憩いたします。          午後0時11分休憩    --------------------------------          午後1時再開 ○副議長(長山芳正) 会議を再開いたします。    -------------------------------- ○副議長(長山芳正) 代表質問を続けます。 改革はままつ代表32番氏原章博議員。(拍手)     〔氏原章博議員登壇〕 ◆32番(氏原章博) 私は改革はままつを代表して質問させていただきます。 質問の1番目は、100万都市浜松の実現について、3点、市長にお伺いします。平成17年7月1日、本市は幾多の困難を乗り越え、12市町村が合併し、新しい浜松が誕生しました。合併は終着駅ではなく、一つの区切りであり、1年9カ月という短期間に政令指定都市を目指し、難しい国との協議調整を経て、合併特例での人口要件を満たし、平成19年4月1日めでたく政令指定都市となったものであります。県並みの権限と財源が与えられる政令指定都市は、全国の市町村にとってはあこがれの的ではありますが、どこでも簡単に手の届くものではありません。政令指定都市という大きなブランドを手にして1年半が経過し、大方の方向性が明確になってきたものと認識するものであります。そこで、1点目は、中核市から政令指定都市に移行した後の政令指定都市効果といった形での収入の増加した項目と金額、また同様にふえた支出の項目とその金額の主なものを伺い、あわせて政令指定都市となったことによる成果について、具体的に感じているところをお伺いします。 合併直後、浜松市と頭につけて住所を書くのに戸惑った市民は、次に区の名前を書くということになり、少なからず違和感を覚えたことは確かでした。しかし、時間の経過とともに、当たり前のように区の名称も記載できるようになりました。市民サービスの面では、ひとつの浜松を目指しているとはいえ、区役所、地域自治センター、そして市民サービスセンターと多くの行政組織があり、市民にとっては合併以前とほとんど変わらないサービスを受けています。こうした組織の効率化も今後の大きな課題であると認識しております。とはいえ、旧浜松市以外の市町村の住民からは、行政に対する苦情や政令指定都市となった弊害等を指摘されていると聞いているところですし、区と区との合併、いわゆる合区の話が出たりということで、市民は心のどこかに不安を抱いているものと感じています。そこで、2点目は、政令指定都市になってからの市役所についての市民の評価をどのようにとらえているか伺います。そして、その評価に対して市長の見解をお伺いします。 近年、地方自治体は経営感覚が問われ、身近にあった夕張市の財政破綻が例として取り上げられ、行財政改革が叫ばれています。第1次に引き続き、第2次行財政改革推進審議会において、市内部の業務と外郭団体等について詳細に現状把握や改善の提案や諮問等がなされております。今までの慣習や理由等が明確にないまま機械的に継続されている事業の見直しがなされ、行政内部だけでは処理できない数々の問題が整理されつつあり、将来の浜松市にとって大変よい結果となるものと認識しています。 さて、平成の大合併により、全国の自治体数は、平成11年度末の3232から平成18年度末には1821となり、さらに平成21年度末には1779になると聞いております。合併により、広域的に行政需要に対し効果的に対処できるとともに、無駄・無理をなくし、市町村の行政的基盤を著しく強化できるものであり、合併こそが最大の行政改革であると言われるゆえんであります。 話を地理的条件に変えると、都市の発展は古来より大河川の扇状地が中心でありました。本市には一級河川の天竜川が流れていますが、残念ながら、天竜川を軸としてまちが発展している形状ではなく、川の両岸でそれぞれ独自のまちが形成されております。とはいえ、本市と天竜川を挟む磐田市、袋井市を含む生活圏や産業圏のつながりが近年ますます強固になり、国道1号の朝夕ラッシュは長年にわたり著しいものがありました。そのため、本市と磐田市、袋井市が一体となり、天竜川への橋をかける要望を重ね、浜北大橋、かささぎ橋、掛塚橋と両岸が結ばれ、国道1号に国の直轄事業として新々天竜川橋がかかり、懸案であった渋滞も解消され、より一体感が増しました。こうした状況を見ておりますと、本市と磐田市、袋井市は土壌が基本的に同じであり、合併することにより、より広域的かつ効率的な行政運営が可能な圏域であるとだれもが考えます。人口的には磐田市は約17万7000人、袋井市は約8万6000人、森町は約2万人であり、2市1町を合わせて約28万3000人であります。これに本市の約82万4000人を合わせますと、人口約110万7000人で、名実ともに大100万都市が実現することとなり、一つになることにより、この地域を日本そして世界に発信することができます。また、両地域は企業の生産活動が活性化しており、農業生産も盛んで、都市とそれを取り巻く中山間地の自然に恵まれています。ちなみに、製造品出荷額の合計は6兆円で豊田市に次ぎ全国第2位、農業産出額は830億円で堂々の全国1位となります。そのため抱える課題も共通し、解決への方向も一致しています。いずれにしても、合併はそれぞれの地域や住民に大きなメリットをもたらすことは明白です。そこで、3点目は、磐田市、森町、袋井市と浜松市との合併は大きな行政改革につながり、今後必要な方向性であると考えますが、市長の見解をお伺いします。 質問の2番目は、市役所庁舎の将来構想について、2点、市長にお伺いします。庁舎の耐震性の問題から市役所の旧庁舎が解体され、土木部、公園緑地部、商工部など多くの部署が民間のビル等に間借りを余儀なくされ、さらに平成17年の合併により組織も飛躍的に大きくなり、農林水産部等も民間ビルに移転しました。そのため、現在の庁舎は各所にタコ足状態で、市職員でさえ何がどこにあるのかよくわからず、市民はなおさらであります。やっと探し当てても次に行くときには、場所が変わっていたりして、市役所との距離がますます遠くなるという声が多く聞かれています。また、内部的にも年々行政が複雑になり、一つの課や部だけでは処理が難しく、横断的な協議調整が必要な場合でも会議室等の不足により、なかなか打ち合わせもできないという状況も聞いております。その上、会議を開催するには、あちこちに間借りしている各課より本庁に集合するため、それなりの時間が必要となり、各課からの往復時間や待ち時間のロスを入れると膨大な時間が無駄になっているのが現状であります。そこで、1点目は、こうした状況をかんがみ、今後の本庁組織の民間ビル借用と今後の方針についてどのように考えているかお伺いします。 市役所庁舎は、その昔、利町のはまホール前の五社公園にあったものが、戦災復興の区画整理事業で現在地に移転したものと聞いております。浜松城公園東南の一角にあり、かねてより8階建ての現庁舎は浜松城の天守閣の眺望を遮り、いかがなものかという議論がされていました。ライトアップした天守閣が一番の見せ場となる東南方向から全く見えずに寂しいとの声や、観光やビジネスで浜松を訪れる多くの人にせっかくの浜松城が披露できずに残念だとの声が聞かれます。浜松城の天守閣は再建されたものとはいえ、周辺の日本庭園とあわせて、極めてすぐれた景観を創出しています。このすばらしい公園の不足を言えば、まとまった広さと天守閣の眺望とお堀の水の3点セットだと思っております。そのため、政令指定都市となった浜松市のセントラルパークにふさわしい公園にしていくには、庁舎の移転を考えていくことが必要ではないかと考えるところです。幸いにも、東地区にはシビックコアとして国の機関が集合し、官庁街を構成して浜松の霞ヶ関が着々とでき上がっております。その上、静岡県の合同庁舎は浜松市が政令指定都市になったことにより、土地も含め、かなりの空きスペースがあることも聞いているところです。また、東海地震が叫ばれ、はや二十数年が経過し、ややあせた感はありますが、北海道や東北、上越で大きな地震が発生しております。一たび地震が発生すれば、時を待たず救援、そして災害復旧と市の果たす役割は大きく、市へ市民の期待ははかり知れないものがあります。災害復旧対策本部を速やかに立ち上げ、人命救助、避難場所や仮設住宅の確保、救援物資やボランティアの受け入れ等にも都心部の広大な空き地は絶対に必要なものであります。そこで、2点目は、浜松城公園の将来計画にも触れた上で、防災拠点となる市役所庁舎の将来構想についてどのように考えているか、お伺いします。 質問の3番目は、静岡県西部地域地場産業振興センターの活用について市長にお伺いします。静岡県西部地域地場産業振興センターは、県西部の繊維産業を中心とした地場産業の発展のために昭和58年開設されたものであります。先日、当局から議会にその解散について説明があったところです。繊維産業に長く携わってきた者として一抹の寂しさはありますが、業界低迷の時代の流れの中で、やむなしの感はしております。しかしながら、建物そのものは築後25年とはいえ、設備や外装の補修修繕で十分使用に耐える状況と聞いております。また、隣接地には東区の区役所があり、産業展示館とともに東区の行政の中心といった、へそとも言える重要な位置にあります。1階は展示室やレストラン、2階から4階は会議室やホールという施設であり、公共施設への転用は簡単に可能であることは当局も認めております。当然、現在は市のものではありませんので、譲渡の手続等、クリアすべき点はあると思いますが、ぜひとも浜松市として活用していきたいと願うものであります。 こうした折、時を同じくして中央図書館より市立図書館のあり方についても議会に報告がありました。これは文部科学省のこれからの図書館の在り方検討協力者会議の「これからの図書館像~地域を支える情報拠点を目指して~」という提言を受けて、市で検討したものです。新浜松市の図書館の抱えている課題や目指すべき方向性、すなわち図書館をどういう状態にしたいのか明確にして、短期的・長期的に取り組む課題を整理していこうとまとめられています。それによりますと、東区の東部地域は図書館サービスが手薄という点を市は十分認識されており、整備の将来像では延べ床面積2000平米、蔵書10万冊、利用対象者5万人、駐車台数100台としています。もうおわかりと思いますが、地域の文化・情報の拠点であり、地域住民の長年の悲願である図書館の設置を、もの、すなわち建物と施策の方向性が一致した今こそ検討していただきたいと願うものであります。 そこで、次の3点について伺います。1点目は、西部地域地場産業振興センターの市への譲渡の見通しについて伺います。2点目は、東区東部地域への図書館設置の必要性についての考え方と新たな図書館の役割を改めて伺います。3点目は、静岡県西部地域地場産業振興センターを図書館として再活用したらと提案するものですが、その際、障害となり得るものは何か伺った上で、図書館としてリニューアルへの考えをお伺いします。 質問の4番目は、市有林の現状と今後の課題・展望について、3点、市長にお伺いします。合併により広大となった本市の森林面積は静岡県の森林の21%を占めております。市の財産である市有林等も1014ヘクタールに及び、この管理や活用が今後の大きな課題の一つであります。また、所有形態が市有林であったり、市営林であったりと複雑で、材価の低迷から森林の財産的価値が下がったり、森林ビジョンとの整合性もあわせて、今後の運営は大変厳しいものがあると思うところであります。 そこで、次の3点について市長にお伺いします。1点目は、市有林等で1014ヘクタールあるとのことですが、所有形態やどのような利用がなされているかなど、その区分を含め現況について伺います。2点目は、近年、森林の財産的価値が著しく低下している中、今後どのように管理運営していくのかについて、アとして、管理運営の課題をどのようなものととらえ、今後どうすべきと考えているか伺います。イとして、本庁、区役所、地域自治センターごとに管理の現状や考え方が統一されていないようであります。その現状と今後の方策をどこが今後管理運営するかも含めて伺います。3点目は、市有林はもとより、広大な森林行政に関しては専門知識を持った職員が必要です。管理運営する部門においての人材や人事について、今後どのように考えているのかお伺いします。 質問の5番目は、明善記念館とその生家について生活文化部長にお伺いします。金原明善翁は、天保3年、遠江国長上郡安間村、現東区安間町に生を受け、その生涯を治山治水、社会事業にかけ、その足跡は天竜川流域のみでなく、岐阜県や北海道にも広がり、その偉業徳行は顕彰し続けるべきものと考えております。合併後の浜松は、暴れ天竜を静めた明善翁の業績の恩恵を丸々受けており、東区では郷土の偉人として明善翁を子供たちにも知ってもらうよう「明善とあばれ天竜」という絵本を明善記念館の協力のもとつくり、学校や希望者に配布しています。先日、安間町の記念館と生家を訪ねてみました。無料で入館できる記念館の入口に記帳台がありましたが、正直言って訪れる人も少なく、数多くの遺品や遺墨、関連資料も宝の持ち腐れ状態の感じがいたしました。また、生家の方も当時の名字帯刀を許された豪家の屋敷らしい堂々としたものであり、正確には不明だそうですが、200年ぐらい前の建物だろうと言われています。しかしながら、現況は荒れ放題の様相で、建物内部へは玄関の土間のみ入れる状況で、建物の文化的価値や当時の豪農の暮らしをしのぶどころではありません。実にもったいない話です。現状は、財団法人金原治山治水財団が管理運営しているとのことですが、郷土の偉人とその偉業についての顕彰や生家の文化的価値についてはどのように考えているか、次の4点について伺います。 1点目は、金原明善翁について、また、その偉業や遺徳について市はどのように考えているか伺います。2点目は、資料の整理や歴史的価値について、改めて市として財団と協力し調査研究すべきと思いますが、どうか伺います。3点目は、生家の歴史的・文化的価値をどのように考えているか伺います。4点目は、生家を財団と協力し、修復・耐震等を施し、展示施設も兼ねた建物とし、明善翁を顕彰できる場とすべきと考えますが、どのように考えているかお伺いします。 以上、改革はままつの代表質問といたします。御答弁よろしくお願いいたします。     〔鈴木康友市長登壇〕 ◎市長(鈴木康友) それでは、第32番改革はままつ代表氏原章博議員の御質問にお答えいたします。 御質問の1番目、100万都市浜松の実現についての1点目、政令指定都市に移行した後の収入・支出と成果についてお答えいたします。本市は平成19年4月に政令指定都市へ移行し、多くの権限と財源が与えられました。平成19年度の政令指定都市移行に伴う収入は、市債を除き176億円、支出は175億円となり、収支はほぼ均衡したものとなりました。収入の主なものは、地方譲与税11億円、軽油引取税交付金など交付金が70億円、国・県の支出金69億円、宝くじ収入21億円などでございます。一方、支出の主なものは、国・県道の新設改良や維持補修経費108億円、児童保護費などの扶助費18億円などでございます。政令指定都市になったことによる具体的な成果といたしましては、市民要望を取り入れ、市の判断による市道とあわせた国・県道の維持補修など計画的な道路整備を進めることが可能となり、また児童の保護などにおいても、市の関係機関との連携により、これまで以上に迅速にきめ細かな対応が可能になったことなどでございます。 次に、2点目の政令指定都市になってからの市役所に対する市民の評価とその評価に対する考えについてお答えいたします。本市は、昨年4月、全国で17の政令指定都市の一つとなり、都市としての注目度が増すとともに、大きな発展・飛躍の可能性を持つ都市となりました。また、さまざまな課題に対応できる行財政基盤づくりに努めるとともに、新たに設置した区役所を中心に市民サービスの向上に努めてまいりました。さらに、私は、市内に住むすべての人がひとつの浜松として一体感を持つよう、元気で活力あるまちづくりを進めています。私の政策の大きな柱の一つであるこども第一主義は、次代を担う子供の教育や福祉の充実を目指し、中学生までの医療費助成の拡充、30人学級モデル事業の推進など、着実に事業を進めており、これらは市民のよい評価を得ていると考えております。今後も、これらを初めとする政策目標を実現するべく施策の着実な実施に努めるとともに、その進捗状況を市民の皆様にわかりやすくお伝えする中で、政令指定都市としての浜松市のまちづくりが実感でき、住んでよかったと思っていただけるように市政運営に取り組んでまいります。 次に、3点目の磐田市、森町、袋井市との合併についてお答えいたします。現下の厳しい経済状況のもと、各自治体はこれまで以上に効率的な行政経営が求められています。また、都市間競争が激化する地方分権の時代にあって、各自治体が効率的な行財政運営や、規模・能力の拡大に努め、将来に向けた希望の持てる魅力あるまちづくりを行うことが求められており、市町村合併は、こうした対応策として最も有効な手段であることは言うまでもありません。これまで本市は12市町村合併及び政令指定都市への移行を行い、行財政改革と都市の魅力向上を実現してまいりましたが、今後とも不断の変革が必要であると認識しております。氏原議員御指摘のとおり、3市町とは地域の結びつきは大変強いものがあり、本市と合わせると人口は100万人を超え、製造品出荷額等は約6兆円で全国2位、農業産出額は約830億円で全国1位の規模となり、全国でも有数の都市となります。しかしながら、合併は当事者である地元住民の理解のもと、自治体経営の効率性や住民サービスの実効性などを考慮し、地域の将来像を検討した上で、互いの合意により初めて実現可能となるものであります。もとより、3市町とは静岡県西部拠点都市地域として、また三遠南信地域として、まちづくりや産業施策などの面で協力して地域の発展を進めることは必要であり、まずはさらなる連携・協力に努めてまいりたいと考えております。 次に、御質問の2番目、市役所庁舎の将来構想についての1点目、本庁組織の民間ビル借用と今後の方針についてお答えいたします。市庁舎につきましては、合併協議の中で新たな財政負担を招く新市庁舎を10年間建設しないことが確認されています。このため、市役所の本館、北館及び市が所有するイーステージの一部のほかに、民間施設の住友生命ビル、大同生命ビルを賃借し、各組織を配置しています。このような状況の中、本年度旧西税務署の建物が国から移管されることに伴い、行財政改革を推進する観点から、市有施設を有効活用することにより、民間ビル賃借料の軽減を図ります。このため、平成21年度から旧西税務署の建物を元目分庁舎として活用し、民間ビルから土木部を移転するなど、組織の再配置を計画しております。御指摘のとおり、市民サービスの観点からは、本庁組織ができるだけ集約されることが理想であると認識しておりますが、本庁舎周辺の公共施設の有効活用を図ることが必要であると考えております。 次に、2点目の浜松城公園の将来計画と庁舎の将来構想についてお答えいたします。浜松城公園は中心部に位置し、大変多くの市民に親しまれ、市外からの集客効果もある本市のセントラルパークでございます。現在、公園機能の充実に向けて着実に事業を進めておりますが、まずは体育館の解体作業を進め、跡地については、当面、暫定的な駐車場やエントランスとして活用する予定でございます。また、天守閣周辺の歴史ゾーンにつきましては、天守門や富士見やぐらなどの再建を検討し、歴史的にも価値の高い公園整備を進める方針でございます。こうした公園整備に当たりましては、多くの市民の皆さんからも期待が寄せられ、大変大きな夢のある事業であり、本市の顔として風格のある整備を手がけてまいりたいと考えております。また、浜松城公園は広域避難地としての機能を持ちます。地震により大規模な火災が併発した場合には、多くの市民が避難する場所として指定しており、園内には災害時に重要な役割を果たす耐震性貯水槽などの防災設備を整備してまいりました。隣接する本庁舎は耐震性能を有し、災害対策本部を設置する重要な建物であり、広域避難地と隣り合うことで、その相乗効果も高まる一面もあると考えております。こうしたことから、市役所庁舎につきましては、当面、現状のまま活用し、将来構想につきましても、社会情勢を踏まえながら長期的視野に立って検討してまいります。 御質問の3番目の静岡県西部地域地場産業振興センターの活用についての1点目、地場産業振興センターの市への譲渡の見通しについてお答えいたします。地場産業振興センターは、昭和57年に地場産業の育成・発展を目的に県及び西部地域の市町、地場産業関連団体等の出捐により設立された財団であり、地場産品展示施設並びに貸しホール、貸し会議室等の施設を整備し、多くの中小企業の皆様に御利用いただいてまいりました。しかしながら、近年、財団に対する国・県の補助事業の廃止及び自主事業の財源不足、施設の老朽化に伴う修繕費の増加が大きな課題となっており、行政経営計画に基づき、類似の産業支援団体との整理・統合に向けた取り組みを進めているところでございます。こうしたことから、当財団は事業をほかの団体に引き継ぎ、建物は市が寄附を受け、公共的な施設として活用していくことで、国・県並びに出捐団体等と調整を進めてまいりました。施設譲渡については、今後、理事会の決議を経て国の承認を得る必要があるため、関係団体との事前協議を進めているところでございます。現状におきましては、当初の方針に沿った形で御理解いただけるものと認識しており、協議の早期取りまとめに向け鋭意努力してまいりたいと考えております。 次に、2点目の東区東部地域への図書館設置の必要性についてお答えいたします。平成13年度に策定いたしました図書館整備計画や先日御報告いたしました浜松市立図書館のあり方に記載しましたとおり、東区東部地域は人口も約4万人と多い中、積志図書館や東図書館からの距離があるなど、他地域と比べて図書館サービスが手薄な地域として認識しております。このため、生涯学習拠点としての図書館を整備して、この地域の図書館サービスの充実を図っていく必要があると考えております。 次に、3点目の地場産業振興センターを図書館として再活用する際の障害と図書館へのリニューアルについてお答えいたします。最初に、地場産業振興センターを図書館に再活用という御提案は、既存施設を有効に活用していきたいという方針と合致するものでございます。図書館として整備していく上での障害としまして、ハード面では、産業展示館でのイベント実施時における駐車場の混雑や現在の床積載荷重に見合った蔵書数の制限、また交通量の多い浜松環状線に接していることによる利用者の安全確保がございます。一方、ソフト面では、図書館がふえることによる既存の図書管理システムの改修等が挙げられます。このような状況を踏まえ、既存施設の有効活用を図り、かつ図書館サービスの手薄な地域を解消するため、地場産業振興センターの1階部分を改修して、蔵書数2万冊程度の主に児童書や雑誌を主体とした図書館を整備していきたいと考えております。 次に、御質問の4番目の市有林等の現状と今後の課題・展望についての1点目、所有形態や利用など区分を含めた現況についてお答えいたします。現在、本市が所有する市有林等は82カ所、約1000ヘクタールとなっております。まず、所有形態でございますが、所有者や管理者の違いにより市有林、市営林、その他の三つに区分しております。市有林は市が土地所有者である森林で、市みずからが管理している森林が66カ所、約530ヘクタール、県などと分収林契約を結び管理を委託している森林が5カ所、約230ヘクタールあります。一方、市営林は、市が土地所有者ではないが、分収林契約により市で管理している森林で、国有林内に3カ所、約60ヘクタール、民有林内に5カ所、約100ヘクタールあります。その他は、自然休養林として市が借り受けているものなど、3カ所、約80ヘクタールあります。 次に、これら市有林等の利用状況でございますが、もともと多くの市有林等は財産形成を目的に取得されております。そのため、一部公園的に活用しているものなどを除き、木材生産としての利用を基本としております。しかし、このところの材価低迷により、収益を上げるという意味での林業経営は難しい状況にございます。このため、財産形成のための伐採はほとんど行っておりませんが、現在、水源涵養などの公益的機能の低下を防ぐという側面から森林整備を優先し、管理を行っております。 次に、御質問の4番目の市有林等の現状と今後の課題・展望についての2点目、今後の管理運営についてお答えいたします。まず、一つ目の管理運営の課題についてでございますが、御指摘のとおり、市有林等の管理を難しくしている根本的な原因は、材価低迷による金銭的な価値の低下によるものだと考えております。しかし、一方で、水源涵養や土砂災害の防止など、いわゆる森林の公益的機能は市民共有の財産であります。市としましては、この機能を維持していく責務もあることから、四つの方針で今後管理に努めていきたいと考えております。一つには、立地条件などに合わせたゾーニングを設定し、その目的・用途に合った管理を進めてまいります。二つには、収益が見込める市有林等は材価向上のための森林整備を継続して実施いたします。三つには、収益が見込めない市有林等は、立木の売買など、収益事業を目的とした財産形成から、水源涵養や土砂災害の防止などを目的とした環境への寄与へとシフトし、公益的機能を維持するための管理を実施いたします。四つには、管理コスト軽減のため、森林の公益的機能が維持されることが担保できる場合は、売却などの処分を視野に入れてまいります。 次に、二つ目の管理運営の現状と今後の方策についてでございますが、現在、本庁、区役所、地域自治センター間で、市有林等の管理運営の方針や所管が整理・統一されているとは必ずしも言えないのが現状でございます。したがいまして、現在、旧市町村ごとに違う考え方で管理していた市有林等を、浜松市として統一的な考えのもとで管理していくため、先ほど申し上げました四つの方針に沿って、市有林等管理計画を策定中であります。今後、この市有林等管理計画をもとに、市有林等を財産形成と環境への寄与の二つの側面に明確に区分し、維持管理を進めてまいります。 次に、御質問の4番目、市有林等の現状と今後の課題・展望についての3点目、森林を管理運営する部門においての人材や人事についてお答えいたします。本市は平成17年7月に12の市町村が合併して新浜松市になり、市の面積の68%に当たる約10万ヘクタールという広大な森林を持つことになったため、森林課を新設し、合併後の重要課題として森林・林業行政に取り組んでまいりました。平成19年3月には、本市の森林・林業政策の基本となる浜松市森林・林業ビジョンを策定し、現在、この基本計画に沿って、中山間地を抱えた新しいタイプの政令指定都市としての具体的な施策の充実に努めているところでございます。このように具体的な施策の確立、事業展開を行う組織体制の整備を図るためには、専門知識を持った人材の確保・育成が必要であると考えております。このため、現在指導的な立場でお願いしている県からの職員派遣を引き続き要請し、職員の育成を行うとともに、職員の中で森林・林業の専門知識を持った人材のより一層の活用を図ってまいります。     〔福田幹男生活文化部長登壇〕 ◎生活文化部長(福田幹男) 次に、御質問の5番目、明善記念館とその生家についてお答えします。 1点目の金原明善翁の偉業や遺徳についての市の考え方でございますが、金原明善翁は明治前期に天竜川の治水、植林事業に尽力した郷土の偉人として知られ、学校教育の場でも大きく取り上げられております。小学校では4年生の社会科で地域の発展に尽くした先人の働きが学習され、明善翁もその一人として取り上げられています。小・中学校の副読本であります「のびゆく浜松」では、天竜川の治水や上流部の植林事業などに尽くした浜松の発展に欠かせない人物の一人として、その業績が紹介されております。また、東区では本年3月に明善翁の事績を紹介する絵本「郷土の偉人・金原明善」をつくって皆様に配布しております。明善翁が治水事業に尽力するとともに、水源を維持して治水の根幹を固めるために植林事業を独力で行った実行力と先見性について、市としても大いに評価するものでございます。 次に、2点目の資料の整理や史的価値の評価及び調査研究についてお答えします。記念館には、明善翁の事績である天竜川治水、天竜川上流を初め各地の造林植林事業、各種社会事業に関する貴重な史料が保管・展示されております。また、山岡鉄舟など明治時代の著名人の書画や膨大な書簡類もあります。昭和43年には、これらを集成した金原明善資料上下2巻や金原明善の伝記が金原治山治水財団によってまとめられ、大変高い評価を得ています。ところが、こうした貴重な史料の展示・保管状況は必ずしも万全とは言えません。今後の史料の調査・保管方法につきましては、管理者であります金原治山治水財団から申し出があれば、市としても協議に応じてまいりたいと考えております。 次に、3点目の金原明善生家の史的・文化的価値についての考え方についてお答えします。旧東海道に面して江戸時代後期に建てられた生家は指定文化財ではございませんが、当時の豪農の様子がうかがわれる建物でございます。塀で囲まれた敷地内には母屋のほか、石蔵や土蔵が残っており、旧東海道を散策するグループや総合学習の一環で訪れる市内及び近隣の小・中学校生徒など、多くの見学者が訪れています。そこで、東区では、がんばる地域応援事業の一環として、東区街道案内看板整備事業を策定し、明善生家を拠点施設とする旧東海道の活用方策を検討しております。こうしたことから、生家は明善翁の事績を今日に伝える施設として、記念館とともに貴重であると考えております。 次に、4点目の生家の修復・耐震・整備等における金原治山治水財団への協力についてですが、母屋は一応の補強はされておりますが、耐震上の課題もあると聞いております。生家の保存や記念館の再整備については、今まで協議は行われてきませんでしたが、管理者であります財団から具体的な申し出があれば、市としても対応について検討したいと考えております。 ◆32番(氏原章博) 議長、32番。 ○副議長(長山芳正) 32番氏原章博議員。     〔氏原章博議員登壇〕 ◆32番(氏原章博) 御答弁、丁寧にありがとうございました。 市長の1番目の金額の項目はこっちに来てすぐで、ちょっと忘れてしまったので、また改めて確認させていただきます。 政令指定都市の市民の評価をどのようにとらえているかということについて、ひとつの浜松、それから、こども第一主義、これは本当に市長、もうブランドぐらいによく通りまして、よく浸透しております。あといろいろ要望はございますが、それは改めて多くございますので、これでやめておきます。 3番目の100万都市の合併ですが、47都道府県が将来、道州制により10前後になると、それから、市町村も1000ぐらいにするということになりますと、浜松も今よりまた大きくなるのか、どこと合併するか知りませんけれども、その勉強を今から、爆弾を私が投げたことがこれから将来につながるのではないかとうぬぼれております。どちらにしても、合併問題はそれぞれの地域の気持ちが一体にならなければできるものではございませんので、ひとつ市長の政治力に期待したいと思います。 市役所の将来構想につきまして、合併協議では10年間市役所をつくってはいかんということになっておりますが、私もこのごろ、つくらないなら、県庁舎や土木事務所へちょこちょこお邪魔しまして、非常に空き部屋が多いというか、非常にゆったりしておりますので、市役所で向こうのあいた部屋を一つ一つ攻めていければ、いつかは浜松のものになるのではないかということをひとつ提言しておきます。西税務署ですか、それを国から移管されて土木部が向こうへ行くということは、これももらうものはどんどんもらって、ひとつ浜松を活性化していけばいいと思います。 それから、浜松城公園がとりもなおさず、これが県庁舎に皆入ってしまえば、ここがそっくりあくわけでありますので、また公園にしようが何にしようが、これは市の皆さんの力をかりてですね、いい方向に向けていけたらと思っております。 3番目の静岡県西部地域地場産業振興センター、私、昔、織屋をやっておりましたので、地場産業としてあそこを随分活用させていただきましたけれども、今は1階のレストランがあいていますし、あれを活用する方法は、私だけでなく皆さん、いろいろな方が特に東区の市議会議員の皆さんは考えているだろうと思います。私ども毎月、月に1回、区長、区役所と市議会議員で懇談会をしておりまして、そのときにもだんだん手狭になってきたと、ここを図書館だけでなくて、いろいろな意味であそこをちょうだいできれば、大変浜松市のためにも区のためにもなりますので、ひとつ市長、努力してもらいたいと思います。 市有林につきまして、私も自分の会派で勉強会をやりまして、大変さわやかな課長、担当者でして、1時間大変楽しく勉強しました。まさか浜松に森林課というものができるとは夢にも思いませんでしたけれども、現実にあるわけでありますので、先ほどの森町も森林が非常に強いところでございますので、合併すればまた一つのこれも市有林のあれがふえるのではないかと期待するところであります。 森林はいろいろな意味において、最後の金原明善翁の暴れ天竜にも続くものでございまして、植林があって初めて天竜川が昔、江戸時代には随分--(「明善とあばれ天竜」の絵本を掲げる)「明善とあばれ天竜」でございますね、これは東区役所で出しております。東区を宣伝するわけではありませんが、明善翁が自分の私財をなげうって、今日の暴れ天竜をおさめておると。私が生まれたときから天竜川が暴れたということは聞いたことはありませんが、どうか金原明善翁を--私も二、三回、そこへ行っているわけでありますが、非常に荒れ果てておりまして、この前、ボランティアの方が一生懸命水道の何か配慮しまして、早く家が直ると、こういうわけで、生家を見ると立派な屋敷でありましてね。これだけのことをやった人物の屋敷を、教育のためにも金原明善翁というものを浜松市はおろか日本に宣伝しながら、あんな荒れ放題にしておいていいのかと。これはある意味においては、市長の怠慢になるのではないかと心配するわけでありますが、東区にはこれといったあれはございませんので、先ほど申し上げた振興センターの図書館と金原明善翁のこの遺徳をしのぶために、これが治山治水になり、最後は合併に広がるということでございますので、私の代表質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(長山芳正) 次に、市民クラブ代表15番田口章議員。(拍手)     〔田口 章議員登壇〕 ◆15番(田口章) 皆さん、こんにちは。 本日の質問のラストバッターを務めます市民クラブの田口でございます。きょうは、傍聴者はいかほどかと思いますけれども、インターネット中継が始まったということでありますので、全世界で活躍している浜松市民の皆さんにごらんいただけるということを励みに、初の代表質問をさせていただきたいと思います。 私の質問の視点は、日本一のまちづくりとさせていただきました。日本一というのは、市民のモチベーションアップにつながりますし、職員の皆さんのやる気にもつながる、こんなふうに思っております。浜松を日本一のまちにしたい、そういう思いを持って、通告に従いまして五つの点について質問させていただきます。 まず、質問の1点目は行政経営日本一に向けてについてであります。市長は就任以来、非常にスピード感のある行財政改革に取り組んでおられます。しかし、反面、まだ組織がついてきていない、そう感じるところがございます。以下、私が感じる諸点についてお伺いしたいと思います。 項目の1点目は、市長のリーダーシップとさせていただきましたが、民間企業におけるマネジメントシステムはトップの計画が事業部門に反映され、部門の計画が課の計画、そして課の計画が個人の計画にブレークダウンされて初めて機能してまいります。さきに戦略計画2009の基本方針が示されましたが、今後、全体像が示され、さらに部局や区の戦略計画が公表されると思いますが、まずはこの策定に当たって、市長の考え方がしっかりと組織全体に伝わっているかどうかを点検していただきたいと思います。残念ながら、戦略計画2008を拝見しましたところが、市のリーディングプロジェクトであっても、部局の戦略計画で触れられていなかったり、また計画には入っていても予算措置が十分でなかったり、また部局の重点事業が従来からのルーチン業務の積み上げだったり、まだまだ従来どおりの考え方で計画立案されているところもあったと思います。基本的なマネジメントサイクルの改善につきましては、これまで以上に市長が強いリーダーシップを発揮して進めてはどうかと思いますが、市長の3年目に向けての意気込みを伺っておきたいと思います。 二つ目の質問は、市長の考え方を組織全体に浸透させる手法に関してであります。市政経営の中でも、PDCAという言葉が随分よく聞かれるようになったわけでありますが、私には、まだPDまででとまっているというように感じるところが多々ございます。PDCAまでのサイクルをきちんと回すためには、やはり私たち議会のチェックももちろん必要ではありますが、部局や区の戦略計画をしっかりと個々人の業務に結びつけていただく必要があると思います。現在、課単位までの計画はあるというふうに伺いましたけれども、ぜひ個々人の年度目標や計画にまで落とし込んでいただき、民間企業ではもう当たり前になっております目標管理制度を導入し、職責や能力、成果を処遇に反映させるべきだと思いますが、いかがでございましょうか。 3点目は、内部統制の仕組みづくりについてであります。俗に言います日本版SOX法という法律が施行されまして、平成20年4月以降の会計年度から、上場企業では内部統制報告というものが義務づけられております。これによりまして財務会計の公正さの確保ですとか、あるいは効率的な業務の仕組み、コンプライアンスの向上と、こういったものが今まで以上に厳しく求められるようになっております。自治体の内部統制については、現在、総務省でも検討を進めているようでありますが、行革先進都市として、この内部統制の手法を応用して、ぜひ他市に先駆けて業務や組織の点検をしていただきたいと思います。具体的な手法を簡単に言えば、フローチャートなどを用いて、業務のプロセスをだれが見てもわかりやすいように明確にすると、そして同時に、ミスや不正が起こり得る過程を洗い出す、そして、その防止策をわかりやすくまとめておくと、こういったものでございます。このような手法により、業務の有効性・効率性を高め、リスクを把握するための仕組みづくりに取り組んではどうでしょうか。 また、内部統制には、コンプライアンスの確保も重要な側面でございます。自治体のコンプライアンスに、私は二つの面があると思っております。一つは内部の問題で、職員の倫理の確立であります。浜松市でも公益通報制度に基づく内部制度をお持ちのようですけれども、実際には通報がないということも聞いております。もちろん問題がなければ、これはいいわけでありますけれども、機能していないのではないかと、こういう見方もできますので、ぜひ実効性のある仕組みにする必要があるのではないかなと、こんなふうに考えております。また、もう一面は、外部からの不当な圧力から組織を守るということも必要だと思います。こうした内部、外部のリスクに備えるための仕組みを、この際、徹底的に整備する必要があると考えます。こうしたことを踏まえ、包括的に組織のコンプライアンスを高めるための条例を制定してはどうかと考えますが、市長の考えを伺いたいと思います。 4点目は、公会計制度の活用についてです。浜松市は他市に先駆けて企業会計の仕組みを導入したこと、あるいは情報公開を進めている点など、この先進性は高く評価をしたいと思っています。しかし、今後、全国的に公会計改革は進んでまいります。そのときに、先行している浜松市は他市のベンチマークになる、いわゆる目標になるというふうにも思います。そうしたときに、実は浜松は全くの高コスト体質だったと、そうしたことのないように、ぜひ財政改革もフロントランナーとして取り組みを進めてほしいと思っています。 そこで、まず早急に取り組むこととして、公会計制度研究会報告で示されております下記の2点について、今後の進め方を伺いたいと思います。来年度から行政経営基幹システムが導入されて、財務システムも大きく変化すると伺っております。そこで、施設や事業ごとのバランスシート、あるいは行政コスト計算書をしっかりと分析し、サービスの向上やコスト意識の醸成を図ってはどうでしょうか。また、こうした取り組みで、施設の統廃合も含め、資産経営面での有効活用に結びつけられると思いますけれども、この点について伺いたいと思います。また、研究会報告では意識改革への活用というものも説かれておりますが、これについてはどのように取り組んでいくか、山崎副市長にお伺いしたいと思います。 五つ目は、来年度の予算編成に向けてであります。午前中の質問とも重なりますので多くを語りませんが、来年度予算では大幅な税収の落ち込みが懸念されているということで、これは一層の行財政改革が必要になると思っています。これまでに触れたようなマネジメント手法をぜひ使っていただきまして、実施事業をきちんと評価し、重点事業への選択と集中で浜松らしい予算編成をすべきと考えますが、市長のお考えを伺いたいと思います。 大きな2点目は、ユニバーサルデザイン日本一に向けてとさせていただきました。この後の質問で取り上げますいじめや不登校、あるいは外国人との共生とも関係すると思いますが、私はすべてユニバーサルデザインの思想が基本ではないかと、このように思っております。すなわち思いやり社会、これをつくっていきたいということです。今、日本一の魅力づくりということを行う都市は日本じゅうにたくさんあるわけですけれども、ユニバーサルデザインは浜松市が他市に先駆けて取り組んだ、これは魅力のある施策の一つであると思っております。ほめて伸ばすという考え方があるわけですけれども、例えば目指せUD日本一などをスローガンに掲げて、これまで以上に市民への認知度アップを図り、とりわけ心のUD化を強化すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。現在、既に公共建築物のUD指針がありますが、これに加えて、現在、道路施設のUD指針もパブリックコメントを募集するなど、今後策定に向けて今検討を進めております。現に、中心市街地の地下道の見直しや、あるいは段差を解消するためのUDブロックを設置したり、中心市街地では歩きやすいまちづくりも進んでおります。こうしたハード面のUDの見える化、これが進んでいるときに、日本じゅうにUDを広める、それぐらいのつもりで、シティプロモーションにも使えるくらいにしてほしいと思っておりますが、これは希望や期待も込めて、企画部長に質問させていただきたいと思います。 質問の3点目は子育て支援日本一に向けてについてです。子育て日本一をスローガンに掲げる自治体はかなりたくさんございます。浜松はそこまで申しておりませんけれども、市長の医療費助成制度の拡充や学校耐震化の推進など、市長のこども第一主義は日本一に通じるものと思っています。昨年の浜松市の合計特殊出生率は1.50ということで、おととしよりも上昇したと伺いました。人口維持の目安と言われる2.07を目指して、ぜひ子育て支援の充実に取り組んでいただきたいと、このように思っております。 そこで、まず質問の1点目ですが、不妊治療と妊婦健診への助成について伺います。不妊治療の助成は、国の制度で今1回10万円、1年度に2回、5年間ということで聞いておりますが、実際の治療には平均で30万円ほど、また多い人では五、六十万円もかかるとも聞いておりまして、若い世代には非常に大きな負担だと思います。浜松でもこの助成回数や金額、所得制限の見直しなど上乗せを検討してはどうかと思いますが、いかがでしょうか。 また、妊婦健診の助成回数についてですが、今年度、マニフェストに基づき、これは5回に引き上げたわけでありますけれども、一般的に健診は14回程度ということでございます。子育て支援の充実を図っている自治体では14回すべて助成しているというところもありますので、浜松においてもさらなる拡充を図ってはどうかと思います。 2点目は、バースセンターの開設準備状況であります。全国的に産科医療体制の課題が指摘されております。こうした中で、安心して赤ちゃんを産める自治体づくりは、これは大きな課題であり、また同時に使命の一つであると思っております。きょうの新聞によりますと、市長、昨日、ちょうど訪問されたようでありますけれども、いよいよ来年4月に開設を迎えるわけであります。市民にとっての期待も大変大きいわけですけれども、助産師さんの確保のほか、相談体制の充実など、こうした安心できる体制づくりができているかどうか、ぜひ昨日の感想なども含めて、現在の準備状況などを伺いたいと思っております。 3点目は、放課後子供対策でございます。赤ちゃんから急に成長してしまったわけでありますが、質問時間の関係もありまして、保育所はまたの機会にしたいと思っております。放課後児童会については、実は昨年の一般質問でも取り上げさせていただきまして、再質問をして、保育所待機児童ゼロと同様に、放課後児童会の待機児童ゼロにも取り組んでほしいと、またお客様第一主義でやってほしいと、こういうお願いをさせていただいたところでございます。あれから1年が経過いたしまして、先日公表された戦略計画2009の基本方針では、放課後児童会待機児童の解消という文字が記載されておりました。大変うれしく思っております。浜松市は市民にとって最大のサービス産業であり、市長はそのトップでありますので、この放課後児童会の大きなニーズにどうこたえていくか、市長の姿勢をお聞かせいただきたいと思います。 次に、現状を踏まえるということで、具体的にそのお客様がどのくらいいるのかをこども家庭部長に伺いたいと思います。5月時点では、放課後児童会の定員が3495人、在籍は3638人ということで聞きましたが、私は昨年も申しましたが、大事なのは実際の応募者、すなわちこれが私、市民ニーズだと思うんですけれども、ここだと思っております。まず応募者と入会できなかった人、そして現在の待機児童の数を伺いたいと思います。また、入会できなかった人と待機児童には差がありますけれども、この中には、私は仕事をやめざるを得なかった保護者がいるというふうに思っておりますが、こういう差について、市の考え方を伺っておきたいと思います。 次に、昨年の質問に対する答弁で、当時のこども家庭部長が、教育委員会と連携をとって進めていくと答えてくださいました。ことしは部長が学校教育部から来ておりますので、さぞかし連携が進んだというふうに思っておりますが、待機児童解消のアイデアの一つとして、余裕教室開放事業、これは学校でやっているほうですけれども、この見直しについて伺いたいと思います。19年度の決算資料で拝見した中には17校対象校がありましたが、この中には待機児童がいる学校が幾つか見受けられました。開放事業の利用頻度やニーズを考えたときに、私は放課後児童会の拡充に使ってはどうかと思いますが、どうでしょうか。これは事業の所管であります学校教育部長に伺いたいと思います。また、同様の考え方で、場合によってはなかよし館の見直しを考えてはどうかと思いますけれども、これはこども家庭部長ということですので、お願いします。 最後に、放課後子ども教室ですが、従来、厚労省が進めてきた放課後児童会の取り組みに加え、昨年度から文科省が放課後子ども教室の導入を進めております。このように、国のほうでも、子育てと教育の連携が進んでいるのかなと思うわけでありますけれども、ことし4月時点の文科省のホームページを見たんですけれども、調査によりますと、この事業を導入していない政令市は実質的には浜松市だけだということでございました。どうもそこら辺を見ますと、浜松のやらまいか精神と違っているなという気がするわけですけれども、放課後の子供対策の一つとして、やはりこうした手法も考えるべきではないかと思いますけれども、これは文科省の事業なんですが、所管はこども家庭部ということですので、こども家庭部長に伺いたいと思います。 4点目は、教育環境日本一に向けてについてでございます。教育長は子供たち一人一人に目が行き届く教育環境づくりということで、非常に積極的に取り組んでいらっしゃいますが、以下3点についてお伺いしたいと思います。 一つ目は、30人程度学級についてであります。市長マニフェストに基づくこの事業ですが、試行モデル導入をして半年が経過いたしました。一人一人に目が行き届く環境づくりという点では、私はこれは評価できるのではないかなと思っておりますけれども、ここまで半年間の事業の評価を聞かせていただきたいと思います。また、これまでの計画では、モデル試行対象校であっても、来年度の新1年生については30人編制はしないということで伺いました。現在の1年生、すなわち来年の新2年生だけ引き続き30人編制ということで伺いましたけれども、私はデータの検証や、さらなる施策の向上を目指すためにはやはり1学年だけの試行ではなく、来年も試行を継続すべきではないかと思います。ここらあたりの考え方を伺っておきたいと思います。 二つ目は発達支援教育の充実についてです。教育長は「はままつの教育」の中でも発達支援教育はすべての基本とおっしゃられており、その点は私も強く共感しているところであります。一方、このニーズに対するサポートはまだまだ不十分ではないかと思いますが、いかがでしょうか。浜松の支援制度は充実しているというふうに聞くこともあるのですけれども、教育長のおっしゃるきめ細かな指導のためには、専門知識を有する支援員の配置はまだまだ必要だと思いますし、LD等通級指導教室もまだまだ少ないのではないかと、こんなふうに思っております。さらなる充実を図るべきではないでしょうか。 三つ目は、いじめ・不登校の問題です。先週もちょうどマスコミでいじめの全国調査の報道があったわけでありますけれども、この浜松市では19年度いじめの認知数は408件、そして不登校児童・生徒は900人ということで、年々増加している状況であります。ユニバーサルデザインのところで触れた、その思いやりの心、これがもう少し育ってくれば、こうした件数も減ってくるのかなという気がいたします。本質的には家庭教育の強化とか、さまざまな施策が必要だとは思いますけれども、きょうは現在のこの環境を少しでもよくするという視点で質問したいと思います。 まず、いじめの問題ですが、これはその場の対応にとどまらず、やはりいじめる側に対するアプローチが重要ではないかと考えます。子供へのカウンセリングなども必要ではないかと考えますが、どのように市として考えているか伺っておきたいと思います。また、不登校になっていく前の対策として、保健室登校がふえていると伺っております。養護教諭の増員や、あるいはスクールカウンセラーをさらにふやす考えはないか伺っておきたいと思います。また、新たにスクールソーシャルワーカーの導入など、家庭と連携を重視した取り組みがスタートしましたけれども、今後これをどういうふうに進めていくのかお伺いしたいと思います。 次に、話は少し飛躍をするわけですが、昨年、いじめ防止条例というのを制定した自治体があると伺っております。いじめは、これは度を越せば犯罪でありまして、やはり強い意思を持って根絶を目指すべきではないかと考えております。そこで、市として条例を制定する考えはないか、また、制定をしないまでも、今後策定を予定されておりますこども第一主義条例の中に、その趣旨を盛り込む考えはないか、市長にお伺いしたいと思います。 最後に、外国人との共生日本一に向けてについて市長に伺いたいと思います。言うまでもなく、浜松はいわゆるニューカマーが最も集住している都市であります。今後、ブラジル領事館も設置されるということですので、これはもう日本一を目指すというよりも、むしろ日本一の取り組みが求められていると言うべきだと思っています。昨今、急激な経済環境が悪化する中で、この雇用問題を初め、さまざまな新たな課題がまた出てきておりますが、きょうはそうしたホットな話題ではなくて、従来からある本質的な課題について質問させていただきたいと思います。 まず1点目は、日本の諸制度を外国人の皆さんにしっかりと知ってもらうということについてです。現在、税金の滞納など、こうした問題もあるわけでありますけれども、これは外国人の皆さんが悪いというわけではなくて、私はやはり日本の制度を知らないのだというふうに思っています。税制を初め、学校教育の制度や社会保険制度など、母国と違う制度について、まず日本に来たときに仕組みを理解してもらう必要があるのではないかと思います。今、外国人登録時にウエルカムパックを配布して、これが好評だというふうにも聞いておりますけれども、少なくとも知っておいてほしいことは、最初のところでしっかり理解していただくような仕組みを市としてつくるべきではないでしょうか。 次に、言葉の問題です。きょうは時間もありませんので、母国語には触れずに日本語についてのみ伺いたいと思います。静岡文化芸術大学の池上教授の調査によりますと、これは南米系日系人のほぼ8割の皆さんが日本語学習の希望を持っているということでございました。しかしながら、仕事の関係ですとか、あるいはそうした機会が少ないということで、なかなか日本語の習得が進んでいないというのが実情のようでございます。日本語の能力は就労能力にもつながりますので、これが現在の雇用問題にもつながっていると思います。そうした声にこたえて、日本語習得の機会拡大に努めてはいかがでしょうか。まず、大人に対してですけれども、集住地域での日本語教室の拡充ができないか伺いたいと思います。次に、子供たちについてですが、転入後いきなり小学校に編入するということではなくて、やはり日本語や日本の習慣になれるまでの間、取り出し指導を行う、いわばプレスクール的なものを開設してはどうかと思いますけれども、いかがでございましょうか。 三つ目は、中学卒業後のキャリアについてでございます。外国人の子供のキャリアをどう支援していくかというのは、定住化が進む中、非常に重要な課題ではないかと思っています。言葉に苦労する子供がいる中で、もう既にしっかりと学力を身につけて大学に進学する子供も出てきております。現在、高校進学率は7割強ということで伺っておりますけれども、進学については子供と親の意見が違っていて、進路の選択に悩む子供も多いというふうに聞いております。こうした生徒や家庭に対しての相談体制の確立が急務だと思いますけれども、いかがでございましょうか。またその一方、就職する子供たちもいるということでありますので、さまざまな職業能力をつけてもらうことも必要だと思います。そうした意味で、就労支援の取り組みも必要だと思いますが、今後どう進めていくかお伺いしたいと思います。景気の先行きが不透明な中、外国人市民との共生というのは、今、かじ取りをしっかりしておかないと、今後、浜松の強みにも弱みにもなり得る課題だと思っています。市長の強いメッセージを期待して、質問させていただきます。 以上、日本一を目指すというテーマで質問させてもらいましたが、当局の皆さんの力強い答弁に期待して、質問とさせていただきます。     〔鈴木康友市長登壇〕 ◎市長(鈴木康友) それでは、第15番市民クラブ代表田口章議員の御質問にお答えいたします。 御質問の1番目の行政経営日本一に向けての1点目、市長のリーダーシップの発揮についてお答えいたします。本市の総合計画の実施計画となる戦略計画では、マニフェストにおいて強く訴え続けてきました共生共助でつくる豊かな地域社会の形成と、ひとつの浜松による一体感のあるまちづくりの二つを市政運営の基本方針と位置づけてまいりました。この基本方針を基軸に六つの重点戦略を掲げ、私自身の市政に対する思いを強く映し出しております。また、21年度に向けても戦略計画2009の基本方針を策定する中で、政策の方向性を示し、予算の重点配分に反映させるよう進めております。このほか、今年度の新たな取り組みとして、部長宣言2008を市民の皆さんに公表してまいりました。これは、私の考え方に基づいて部長・区長が20年度中に取り組む方針を明らかにしたもので、責任を持って実行することを宣言しております。今後も市戦略計画に基づいて基本方針を部局や課の戦略計画に反映させるなど、市長としての意思を組織の細部にしっかりと浸透させ、全国に誇る市政運営を進めてまいります。 次に、御質問の2点目、目標管理の導入と人事処遇制度への反映についてお答えいたします。本市では、戦略計画の着実な実行と職場運営を通じた人材育成を促進する仕組みとして、平成20年3月にチャレンジミーティングを導入しました。これはグループ単位のミーティングを中心に行う活動で、戦略計画や業務の方針を共有し、グループや個人の年間目標を設定して、主体的に達成しようとするものです。この実践を通じ、職員の力を結集して高い成果を生み出す職場づくりを進めております。また、人事考課のうち、困難業務の達成度等を評価する業績考課においては、目標管理ともいうべき戦略計画の成果を反映させた考課を行っております。さらに、考課の過程において指導を行い、部下の能力開発を促すとともに人材育成を図っております。また、処遇面での対応として、管理職について考課結果を給与に反映しており、職員の努力に報いる仕組みを導入しています。今後につきましては、一般職員の給与への反映を含め、組織の中で職員が十分に能力を発揮し、やりがいの持てる職場環境づくりの拡充に努めてまいります。 次に、3点目の内部統制の仕組みづくりについてお答えいたします。金融商品取引法により、平成20年度から大企業に義務づけられた内部統制報告制度は、業務プロセスの統一と標準化、リスクの洗い出し、監視体制や内部統制を行う環境の整備などについて評価を行うもので、企業の内部統制を強化することで投資家の保護などを図るものでございます。内部統制の徹底は、不祥事やミスの防止などによる市民に対する信頼性の確保、IR活動等の投資家への情報開示など、行政における重要性もますます高まっております。また、国においても、平成19年10月に有識者による地方公共団体における内部統制のあり方に関する研究会を立ち上げ、民間企業の内部統制の手法や運用上の課題並びに地方公共団体における内部統制のあり方について議論、検討を行っているところでございます。 まず、御質問の一つ目の業務プロセスの洗い出しと二つ目の業務プロセス上のミスや不正などの把握や予防、発見するための手続の整備については関連がございますので、一括してお答えいたします。内部統制報告制度の手法を用いた業務の再点検を行い、業務の流れやルールの文書化による業務プロセスを可視化することで業務の標準化や統一化が進み、有効性、効率性を高めることが可能となります。その上で、起こり得るミスや不適切処理などを予測し、業務の無駄や重複をなくすプロセスの改善や確認体制の整備などを検討していくことにより、市政の透明性及び信頼性の確保につながるものと考えております。これまでも本市におきましては、区役所業務マニュアルの作成や、行政経営基幹システムの構築に当たっての事務手続の概要や業務フローの作成などにより、事務の標準化や統一化を行ってまいりました。これらにより、例えば業務のIT化への対応では、費用と投資効果の比較検討による有効性の判断や、迅速な意思決定と不正防止のための権限と責任の明確化など、業務の効率化と最適化に取り組んでいるところでございます。今後におきましては、内部統制報告制度の民間での運用状況や国の研究会の成果を参考に、本市の事務手続の見直しに当たり、市民サービスや行財政運営に影響の大きい業務、窓口での定型的な業務を中心として、業務プロセスの可視化手法やリスク管理手法の導入など、目指すべき内部統制のあり方について検討してまいりたいと考えております。 次に、三つ目のコンプライアンス条例の制定についてでございますが、職員のコンプライアンスの徹底は、市民の皆様から信頼される行政運営の基本であると認識しております。このため、平成13年に職員倫理条例を定めるとともに、さまざまな研修の機会をとらえて、倫理、法令遵守の周知徹底と意識啓発に努めてきたところでございます。また、平成15年には行政対象暴力、平成17年には職員からの内部通報に対応するため、それぞれの要綱を定めて庁内の体制を順次整備してまいりました。職員のコンプライアンスの徹底は、市長のもとで内部の体制を整備し、取り組んでいくべきものと考えております。そこで、本年、条例の制定ではなく、浜松市法令遵守(コンプライアンス)の推進に関する要綱を定め、職員倫理、行政対象暴力、職員からの内部通報、その他の法令遵守について、一元的な推進体制を整えたところでございます。また、これに伴い、内部通報の窓口について、従来の人事課に加え、新たに市の外部である弁護士に委嘱することを予定しております。この要綱を着実に運用して、全庁を挙げたコンプライアンスの推進について、一層の徹底を図ってまいりたいと考えております。 次に、御質問の5点目、来年度予算編成に向けてについてお答えいたします。金融危機に端を発する世界的な株安や円高により、国内の景気低迷が続く中、本市の財政状況においても少なからず影響が出ている状況にあります。中でも、市税収入につきましては、法人市民税の大幅な減額が見込まれるなど、平成21年度予算にも大きな影響が出るものと考えております。このような状況から、市政運営におきましては、これまで以上の行財政改革による歳出削減が求められております。来年度予算編成におきましては、市政運営の基本方針である豊かな地域社会の形成と一体感のあるまちづくりの実現に向け、財政の健全化を図りながら、市民が行財政改革の効果を実感できる予算を作成してまいります。また、戦略計画を核とする仕組みの中で事業をきめ細かく見直すとともに、スプリングレビュー、サマーレビューを通じて重点政策を見きわめ、選択と集中により、限られた財源を有効に活用してまいります。 次に、御質問の3番目、子育て支援日本一に向けての1点目、不妊治療と妊婦健診への助成についてお答えいたします。不妊治療につきましては、平成16年度から治療に要する費用の一部を助成してまいりました。不妊治療は、その技術の進歩により、これまで妊娠をあきらめていた御夫婦が希望を持ち治療に臨むようになりました。しかし、治療費が高額であり、経済的負担は大変大きく、やむなく断念されるケースも見聞きしております。このため、私は、子供を産みやすい環境をつくるための支援といたしまして、助成額の上乗せ措置を行う市独自の制度について検討してまいります。また、妊婦健診の助成につきましては、現在、5回の妊婦健診の費用の一部を公費負担する受診票の交付を行っております。このたび、国は、健診に必要な回数とされる14回程度の妊婦健診を受けられるよう、公費負担を拡充する方針を示しました。ただ、現在のところ、制度の詳細な事柄や将来にわたっての財源の手当等が定まっておりませんので、今後も国の動向を把握し、関係機関との調整を図るなど、検討を進めてまいります。 次に、御質問の2点目、メディカルバースセンターの開設準備状況についてお答えいたします。バースセンターは、全国的に産科医師不足が大きな問題となっている状況の中、医療センターの産科医師の負担軽減と分娩取り扱い件数の増加を目的に整備を進めているものでございます。改修工事は順調に進捗し、当初の予定どおり12月上旬に完了いたします。昨日、現地の内覧会に行ってまいりまして、その感想をという御質問もございましたので、産科医師の皆さん、あるいは関係者の皆さんがさまざまな知恵をそこに凝縮していただきまして、大変いい施設に仕上がっているというふうに思います。新聞記者の皆さんの御質問にも答えましたけれども、非常に明るい雰囲気で、病院と思えないような施設になっておりますし、またとびら1枚を隔てまして、隣の周産期センターと連携しておりますので、安心という面でも、妊婦さんにとっては非常に安心な施設ではないかと、全国に誇り得る施設になったのではないかなというふうに思います。あとは中身の充実ということでございますけれども、このバースセンターを主務的に運営していく助産師の研修につきましても、産科や新生児科の医師の協力のもと、実地研修を行ってまいります。さらに、妊婦健診や妊娠・出産にかかわる相談業務についても、相談する女性の立場で優しく適切に行えるよう指導し、メディカルバースセンター開設に合わせて体制を整えてまいりたいと考えております。 続きまして3点目、放課後児童会の充実と放課後子ども教室についてお答えいたします。まず、一つ目の取り組み姿勢についてでございますが、少子化や核家族化の進行、家庭や地域の子育て機能や教育力の低下など、子供を取り巻く環境の変化は子供たちを健やかにはぐくんでいく上で大変重要な課題となっております。また、女性の就労が一般化し、共働き家庭が増加する中、昼間保護者が就労などで家庭にいない子供たちに、放課後の安全で健やかな生活の場を確保する放課後児童会は、仕事と家庭の両立支援という大きな役割を担っております。こうしたことから、放課後児童会の利用者である子供自身はもとより、保護者にとっても安心で使いやすい放課後児童会の充実のため、市民ニーズを把握し、サービスの質及び量の向上を目指してまいります。 次に、御質問の4番目の3点目、いじめ・不登校への対応についてのうち、二つ目のいじめ防止条例の制定等についてお答えいたします。いじめを防ぐためには、個性を尊重し、思いやりの心を育てることが重要であり、それは教育が担うことだと考えております。改正教育基本法でも、道徳教育の充実が重視されております。現に、児童会・生徒会が中心となって、いじめを絶対にしない署名運動や互いのよさを見つける活動等、いじめ根絶に向けて取り組んでいる学校が数多くあります。条例で禁止するだけでなく、子供たちの自覚に基づく主体的な取り組みが今後も展開され、定着することによって、未然予防、早期解消が促進されるよう支援していきたいと考えます。また、(仮称)こども第一主義条例は、次世代育成支援行動計画の基本理念として、未来を担う子供の健全な育成や環境づくりに社会全体で取り組んでいくことなどを定めてまいります。この中で、すべての子供がかけがえのない存在として尊重されるなど、子供の人権の理念も含め、子育てがしやすく楽しいと感じられる社会の実現を目指してまいります。 次に、御質問の5番目、外国人との共生についての1点目、新規受け入れ時の対応についてお答えいたします。現在、各区役所の外国人登録窓口において、本市内に転入する外国人市民を対象に、ごみの分別、住民税、交通安全、自治会活動等日常生活に必要な情報を一まとめにしたウエルカムパックを英語版及びポルトガル語版の2言語により配布を行っております。生活者である外国人市民に生活情報を伝達するためには、御指摘のように受け入れ時が有効と考えております。一方で、本市に設置されるブラジル総領事館との連携や、先日、本市を訪問されたブラジル国家移民審議会が計画している、就労するために日本へ渡航する方々に対し、あらかじめ日本の労働環境や法制度などの周知を図る訪日前の情報提供プロジェクトへの協力も有効な手段であると思われます。また、近隣には、納税、教育、自治会等の生活情報を直接説明することを外国人登録事務の流れの中に位置づけ、実施している自治体もあることも承知しております。こうしたことから、ウエルカムパックの配布を継続しつつ、さらに有効な手法を検討し実行してまいりたいと思います。 次に、2点目のことばの教室の充実についてお答えいたします。まず、一つ目の大人のための日本語教室についてでございますが、本市が平成18年度に行った南米系外国人の生活・就労実態調査によりますと、約70%が日本語学習ニーズを持っており、また学習する場所についても、居住地の近くの公民館や公立学校を希望する者が30%余ございました。こうしたことを踏まえ、財団法人浜松国際交流協会が文化庁の事業委嘱を受け、平成19年度から北部公民館を会場にブラジル人のための日本語教室を開催しているところでございます。今後につきましても、多文化共生の推進にとって最も重要な日本語学習の充実を図るため、受講者のニーズを把握しつつ、さらに別の集住地域の会場でも開催することを検討してまいります。 次に、二つ目のプレスクールの開設についてでございますが、外国人の子供にとって無理なく日本語を学んだり日本の学校になじんだりできるという点で、プレスクールにはメリットがあると認識しています。しかし、外国人児童・生徒が分散して居住している本市においては、通学面で本人や保護者に負担を強いることなどの課題もございます。したがいまして、本市では、まず居住している地域の学校に編入学し、日本人の児童・生徒と日常的にかかわる中で、日本語を学んだり学校になれたりしていくという方法をとっております。また、日本語教室「はまっこ」や学校の取り出し教室を実施しており、これらはプレスクール的な役割を果たしております。今後も浜松方式である日本語教室「はまっこ」や学校の取り出し指導の充実を図ってまいります。 続きまして、3点目のキャリア支援についてお答えいたします。まず、一つ目の進路相談の体制と高校の受け入れ枠拡大についてでございますが、外国人生徒が相談しやすい環境を整えることは、進路選択に重要であると認識しています。したがいまして、学校で子供や保護者に的確な進路情報を提供したり、教育相談支援センターから学校へのバイリンガル相談員の派遣をふやしたりして、外国人の親子が安心して気軽に相談できる進路相談体制の一層の充実を図ってまいります。また、高校の受け入れ枠拡大についてでございますが、現在、外国人生徒の特別選抜枠は、西部地区の県立高校では新居高校1校のみという実情であります。受け入れ枠を拡大することで高校の選択肢が拡大することは、義務教育段階の外国人の子供にも夢や希望を与えるものと考えます。したがいまして、これまでは本市教育委員会が県教育委員会に対して要望しておりましたが、今後は私からも直接県へ要望してまいります。 次に、二つ目の進学しない生徒に対する就労支援についてでございますが、各学校においては、外国人の生徒に対しても日本人の生徒と同様に就労支援を進めております。具体的には、生徒の希望する事業所への見学や体験に教員が引率するとともに、就職相談では職業適性検査を初め、具体的な求人情報の提供や適性に合った就職先の決定など、ハローワークと連携しながら、引き続ききめ細かな支援に努めてまいります。     〔山崎泰啓副市長登壇〕 ◎副市長(山崎泰啓) 次に、御質問の1番目の4点目、公会計制度の活用についてお答えいたします。 まず、一つ目の施設別、事業別のバランスシートや行政コスト計算書の活用についてお答えします。本市におきましては、中・長期的に持続可能な財政運営を行うとともに、住民への財政情報の開示を充実させ、徹底したコスト管理を進めるため、平成18年度に浜松市公会計改革アクション・プランを策定し、公会計制度改革に取り組んでおります。また、新たに国から示された基準に基づき、全国に先駆けてバランスシート、行政コスト計算書などの新財務4表を作成するとともに、マクロ的な分析を加えて公表いたしました。一方、財務諸表をコスト管理に活用するためには、施設別の行政コスト計算など、ミクロの分析が有効と認識しております。このため、文化ホール、スポーツ施設、社会教育施設などについてバランスシート、行政コスト計算書を作成したものでございます。具体的な活用例としまして、本年度供用開始をいたしました浜松市みをつくし文化センターにおいて、行政コスト計算書を利用して、使用料を設定したものでございます。今後におきましては、施設の新設に際して、行政コスト計算書により、例えば鉄骨と木材の比較や施設の規模など、トータルコストを把握し、予算編成にも活用してまいります。 二つ目の意識改革への取り組みでございますが、企業会計的な手法やシステムを導入し、実際の財政運営、コスト管理などに活用していくためには、職員の意識改革に向けての研修が必要不可欠であると考えております。このため公会計改革について、昨年度、部課長等の幹部・管理職員に対する公会計改革幹部職員研修を実施いたしました。また本年度は、中堅職員に対して簿記研修とあわせて公会計制度研修を実施するとともに、来年度稼働いたします新財務会計システム操作研修など、体系的な研修を進めてまいります。さらに、各所管課におきましても、施設別、事業別の財務諸表の作成を通じて職員意識の改革に取り組んでまいります。     〔高木伸三教育長登壇〕 ◎教育長(高木伸三) 御質問の4番目、教育環境日本一に向けての1点目、30人程度学級の事業評価と推進についてお答えいたします。 本年度より3年間の計画で30人学級導入モデル事業を実施し、対象11校の小学1、2年生の学習面、生活面での教育成果や課題の検証・評価を進めております。7月には、保護者、学校、学級担任等への調査を実施しました。30人学級導入では、肯定的な意見として、一人一人が活躍する場がふえ、学習意欲が高まった、教室環境に余裕ができ、多様な学習形態が可能になったなど、また課題として、学習内容によっては複数の指導体制がよい場合があるなどが上がっています。34人以上の学級で支援員を活用した体制では、体験・作業学習、給食・掃除の時間等で複数の目がある体制がよい、人数が多く教室が狭く感じられ、伸び伸びと活動ができないなどの意見が上がっています。こうした調査を参考に、子供、保護者、学校等多面的な視点で、今後、検証・評価を進めてまいります。なお、来年度につきましては、地域性や入学児童数等の状況を考慮した上で、新1年生を対象に30人程度の学級編制を行う5校を新たに指定し、モデル事業を進めてまいります。 続きまして、2点目の発達支援教育の充実についてお答えします。私は常々、浜松の教育は発達支援教育の考え方を根幹にしていこうと申しております。そこで、支援員の配置についてでございますが、発達支援教育の充実のため毎年増員を図り、本年度は県費負担の特別支援教育非常勤講師35人とともに、市単独事業としてスクールヘルパーを73人、発達支援教育指導員は前年度比10人増の32人を配置しており、今後も計画的に拡充を図っていきたいと考えております。 次に、発達支援学級についてですが、まだ必要とする地域もあると認識していますので、新たな設置について定数権を有する県教育委員会に強く要望してまいります。また、本市といたしましては、子供たちのニーズを分析し、通学区域や学習内容等の見直しを図ってまいります。また、通級指導教室についてですが、法改正により、新たにLDやADHD等の軽度の発達障害を持つ子供を対象とする通級指導教室が設置できることになりました。本市では、現在、小学校2校、中学校1校に設置しておりますが、小学校から中学校までの継続指導が重要であることから、今後さらなる設置について県に要望してまいります。 次に、3点目のいじめ・不登校への対応についての一つ目、いじめる側への心理カウンセリング等についてお答えいたします。いじめ・不登校ともに背景やきっかけはさまざまであり、いじめる側への心理カウンセリングを含め、個別の事情に応じて養護教諭やスクールカウンセラーと連携した指導支援が行われています。養護教諭の複数配置は大規模校の小学校9校、スクールカウンセラーは各中学校区に1人ずつ配置して全小・中学校に派遣しています。本年10月から実施しているスクールソーシャルワーカーは東区の5中学校区に配置するとともに、東区以外の1小学校4中学校にも派遣し、子供や保護者からの相談にきめ細かく応じています。     〔清田浩史企画部長登壇〕 ◎企画部長(清田浩史) 御質問の2番目、ユニバーサルデザイン日本一に向けての1点目、UD理念の市民への普及についてお答えいたします。 本市では、全国に先駆けてユニバーサルデザイン条例を制定し、条例の基本理念である「思いやりの心が結ぶ優しいまち」をスローガンとして掲げ、さまざまな施策を推進してまいりました。この実現には、施設や歩行空間がUDに配慮されるとともに、互いに人を思いやる心のユニバーサルデザインが重要となります。このため、小学校4年生と中学校1年生を対象とした学習資料の配布、市民リーダー養成講座の開催など、学校教育や社会教育にも積極的に取り組んでおります。今後は、こうした事業を着実に推進するとともに、教育委員会と連携を図り、学習資料を活用した学校単位のUD学習研究の取り組みを促進するなど、UD理念の普及を目指してまいります。 次に、2点目のUDの取り組みの情報発信についてお答えいたします。本市では、条例や計画の理念を実現するため、専門部署を設置し、全庁的にUDに取り組んでおります。こうした取り組みは、全国的にも先進的であるとの評価をいただいております。また、次年度以降に予定されている浜松モザイカルチャー世界博2009や日本選手権水泳競技大会などの大型イベントにおいても、だれもが利用しやすい施設整備や思いやりの精神を盛り込んだ企画運営など、UDに配慮したイベントとなるよう努めております。こうした取り組みを本市の持つ魅力の一つとして発信していくことは、シティプロモーションを進める上で大変効果的であると考えており、浜松のUDの取り組みを全国的に情報発信してまいります。     〔鈴木敏子こども家庭部長登壇〕 ◎こども家庭部長(鈴木敏子) 次に、御質問の3番目の子育て支援についての3点目、放課後児童会の充実と放課後子ども教室についてお答えいたします。 まず、二つ目の待機児童についてでございますが、共働き家庭の増加などにより放課後児童会への入会希望者は年々増加していることから、平成20年4月には定員を150人増員し、充実に努めているところでございます。放課後児童会への応募者数は平成20年3月時点で3863人の申し込みがあり、入会できなかった人数は192人で、このうち共働き家庭など放課後児童会の入会基準を満たす待機児童数は、5月1日現在で73人、10月1日現在で29人でございます。入会基準を満たす待機児童があることは課題と受けとめ、低学年児童の優先入会や定員の弾力的運用で対応しているところでございます。しかしながら、待機児童が多いところは児童数も多く、開設場所の確保が難しい状況にありますが、可能なところからの施設整備や出席率を考慮する中で受け入れ児童数の柔軟な対応などにより、待機児童数の減少を目指してまいりますので、御理解を賜りたいと思います。 次に、四つ目のなかよし館の見直しを含めた放課後児童会の拡充についてでございますが、なかよし館は、現在26館が開館し、平成19年度では約20万人の幼児や保護者など、多くの方々に利用されております。特に近年では、子育て中の保護者のコミュニケーションの場として、孤立する育児からの解放、育児不安や悩みを抱える母親の相談など、子育て家庭の支援策として評価をいただいているところでございます。このように、なかよし館は利用者数も多く評価も高いことから、子育て支援事業として放課後児童会と同様に重要であると認識しております。しかしながら、なかよし館を放課後児童会に見直すことにつきましては、なかよし館機能を代替する施設がほかにあり、地域の皆様の総意がお示しされれば検討してまいります。今後におきましても、児童数の推移やニーズなどを考慮しながら、放課後児童会の開設場所の確保に努めてまいります。 続きまして、五つ目の放課後子ども教室の導入についてでございますが、浜松市においても、平成19年度、学識経験者、地域代表などで組織した放課後子どもプラン推進委員会を発足させ、導入の方向性を検討してまいりました。この中で、いわゆる全児童対策としての放課後子ども教室の課題として、ボランティアや開催場所の確保などの受け入れ態勢とともに、本市の特色である部活動やスポーツ少年団などで児童の放課後が忙しいことが指摘されました。また、本市では共働き家庭の割合が多く、放課後児童会へのニーズが高いことから、留守家庭の児童の生活の場となる放課後児童会の拡充を優先して実施し、その後に放課後子ども教室の導入を図るべきとの提言をいただいたことから、放課後児童会を最優先課題として取り組んでまいります。     〔古橋利広学校教育部長登壇〕 ◎学校教育部長(古橋利広) 続きまして、御質問の3点目の三つ目、余裕教室開放事業の見直しについてでございますが、放課後児童会を校舎内や敷地内に設置している学校は58校あり、今後も増設が予定されております。また、余裕教室開放事業は小学校16校において実施していますが、ことしの4月に曳馬小学校では、利用者の理解を得て公民館に設置されていた放課後児童会と開放教室との入れかえを行った事例がございました。教育委員会では、放課後児童会の子供も同じ学校の子供であるとの認識を持っております。こうしたことから、放課後児童会を校舎あるいは敷地内へ設置することとともに、開放教室の転用につきましても関係者等との調整を図るなど、こども家庭部と連携し、放課後児童会の設置について積極的に協力してまいります。 ◆15番(田口章) 議長、15番。 ○副議長(長山芳正) 15番田口章議員。     〔田口 章議員登壇〕 ◆15番(田口章) 3点再質問をさせていただきたいと思います。 まず、1点目ですけれども、待機児童のところなんですけれども、ぜひ市長にお願いをしたいなと思うのですが、戦略計画基本方針ですね、入った割には割とさらりとかわされたというような気がしています。実は保育所待機児童と私は比較をしておりまして、昨年も再質問で申したのですが、保育所待機児童は5カ年計画をつくって解消に努めたと。それで、最終的には解消できていないわけでありますけれども、私は目標を定めて取り組むというのが非常にいいことだと思いました。今回、基本方針に入っていたものですから、てっきりそういう放課後児童会の待機児童についても、そういう年次計画も含めてぜひやってくれるというような力強い答弁があるのかなと思っておりましたけれども、そこまでは触れていなかったと思います。ただ、これに限らず、行政施策はいつやるか、あるいはいつまでにどれだけやるかというのが少し欠けているのではないかというような気がしておるのですけれども、その点につきまして市長のお考えがあれば、ぜひ伺っておきたいと思います。 それから、二つ目ですけれども、放課後子ども教室のところなんですが、ここはこども家庭部長ということになるのでしょうか。児童会を優先してやるということで、それはそれでいいことだと思うのですけれども、現実的に放課後児童会の待機児童がいるということでありますので、やはりできる限りの手段を尽くすべきだと、このように思っておりますし、また放課後児童会が開設されていないところでニーズがあるという学校もあるのは事実であります。そうした中で、質問なんですけれども、答弁にありましたとおり、昨年ですね、平成19年に市のほうで放課後子どもプラン導入に関する報告というのを出しております。これは私もちょっと拝見をしたのですけれども、現在の進め方というのはこれがベースになっているということで伺ったのですが、これで二つお伺いしたいと思うんですね。先ほど、私はお客様第一主義でやってほしいと、これは昨年の再質問のときに言ったんですけれども、その話をしましたけれども、この報告書をつくるに当たって、そのお客様ですね、子供を持つ親の声が反映されているかどうかというのをちょっと教えてもらいたいと思うんです。 要はお客様と言っても小学生がこの委員会に入るわけはないと思っているのですけれども、小学生の子供を持つ親ですね、そういった人の声が委員として反映されていたのか、あるいは委員として入っていなくても、聞く機会があったのか、それをぜひ聞いておきたいと思います。 それから、この内容なんですけれども、報告書ですから、もちろんいろいろなステップがあって、結論を導く前段に本市としての放課後対策基本理念というのが書かれていたのですね。これは市の理念ということですので、市長も承知をしているのかなということで、これがオーソライズされているのかどうかということを伺っておきたいと思います。 それから、3点目ですけれども、これは30人学級についてちょっと伺いたいのですが、来年度は試行継続については、これは新たに指定するということで考えてくれるということですので、それはお願いをしたいと思うのですけれども、評価についてですね、どうも教育長の話ですと、いい面もあるし、ちょっと課題と言いますか、悪いところとは言いませんけれども、支援員のほうがいいところもあるのではないかと、こういうようなことで、あと引き続き2年かけて検証していくと、こういう答弁だったというふうに受けとめました。その部分なんですけれども、今の計画ですと、平成22年度は試行の計画がないというふうに私は認識をしているのですけれども、もしそうだとすれば、もっと論点を絞ってスピーディーに議論が進められないものかなと、こんなふうに考えています。例えばなんですけれども、教育長が私たちはこういう子供を育てたいんだ、こういう大人に育成をしたいんだと、そういう例えばあるべき姿を示すことによって、それに対して30人学級がどういう効果があるのかというような、そういう視点での評価というのが私は最も大事ではないかなというふうに思っているのですけれども、そこら辺のところ、ぜひ一人一人に目が行き届く教育を進めたいという熱い思いを語られる教育長だからこそ、ぜひ再質問でお考えを伺っておきたいと思います。 以上、よろしくお願いしたいと思います。     〔鈴木康友市長登壇〕 ◎市長(鈴木康友) それでは、田口議員の再質問にお答えいたします。 待機児童解消につきまして、取り組みはどうかということの御質問だと思います。これは保育の待機の解消とは少し質が異なっているのはよくわかると思うのですけれども、既に御存じだと思いますけれども、今の市の方針としては、まず空き教室の確保というのが1番目、空き教室がない場合に、学校の施設内に施設を建てる、そして3番目には、そういう物理的な余裕がない場合には近隣の公共施設を利用するということで対応しているわけであります。逆に言うと、空き教室がある、あるいは敷地内に余裕があるというところだけではなくて、むしろ逆に定員が非常に多くなっている学校などにニーズがふえているものですから、そういうところに逆に空き教室がなかったり、敷地が狭かったり、非常に物理的な問題等がございます。一つ一つこういった問題に対してきちっと対応しながら、今やっているところでございまして、全体として、もちろん例えば新しく施設をつくるとなれば予算的な措置も必要でございますので、そういうことも含めて検討していかなければいけませんので、全体として、今後、地域的な偏在も含めてどうしていくかということを、しっかりと今、市のほうでもやっておりますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。 以上です。     〔高木伸三教育長登壇〕 ◎教育長(高木伸三) 30人学級の評価のスピーディー性はどうかということでございますけれども、実はきょうも委員の皆さんはその30人学級の現地に赴いて視察をしていただいています。精力的にそういう調査とか視察等をやっていく中で、私も早くこの部分についてはいい結果を出していかなくてはいけないなというふうに思っています。先ほど答弁でも申し上げましたけれども、この30人学級をモデルとして進めていく上で、いいところもあるし、また課題もあるんだなという感じがします。ただ、いろいろな課題をどうクリアしていくかというのはいろいろなところの調整も必要になってくるわけですので、そこの部分についてはうまく連携をとりながらやっていきたいなというふうに思っています。 最後に、私の子供たちについての思いというようなことも議員のほうからお話があったわけですけれども、浜松の総合教育計画の人づくり浜松宣言というタイトルで教育計画がつくられているという、この人づくりという部分を私は今非常に大事にしています。人づくりはやはり小さいうちから一つ一つ積み上げて、子供たち一人一人に身につけさせるべきものは身につけさせるのだという意識を、学校ですので、教員が全員共通理解を持ってやっていく、それをやることによって保護者や地域の皆さんに信頼をしていただく、そういう学校づくりということが一番今求められていることであるし、やっていかなくてはいけないことなんだろうなということで、私は教職員の研修を充実させることを今一生懸命やっているところでございますので、もうちょっと時間をいただく中で、その部分についてはお願いしたいなと思いますけれども。30人学級については、田口議員おっしゃるとおり、スピーディーにこの部分は進めていきたいなというふうに思っております。来年度についてもやってまいりますけれども、その成果についてはまた報告できるのかなというふうに思っております。 以上です。     〔鈴木敏子こども家庭部長登壇〕 ◎こども家庭部長(鈴木敏子) 先ほどの放課後子ども教室についてでございますが、お客様のニーズ、保護者に対してお客様のニーズを把握されているかということで、親の声ということでございました。これにつきましては、昨年度の放課後子どもプラン推進委員の中にPTAの連絡協議会の代表の方が入っていらっしゃいます。それから、地域の児童会の育成会の方とか、あと学校の校長先生、そういった皆さんに子供に関係してお入りいただいているというふうに認識しております。 それから、基本理念がオーソライズされているかについてでございます。これにつきましては、こういった報告書をまとめて報告しておりますので、基本理念はオーソライズされているものと認識しております。 それから、放課後児童会と子ども教室の違いなんですけれども、これについては、質問にはなかったんですけれども、子ども教室のほうは地域のボランティアの参加で成り立つ社会教育活動ということで、放課後児童会というのは児童福祉法に基づいて対象児童の内容が決められている社会福祉事業というような位置づけでございます。ですから、放課後子ども教室のほうは、今こちらのほうで目指しております仕事と家庭の両立、そういったものになかなか対応し切れないという課題もございます。 以上でございます。 ◆15番(田口章) 議長、15番。 ○副議長(長山芳正) 15番田口章議員。     〔田口 章議員登壇〕 ◆15番(田口章) 再々質問しろという話もありますけれども、少しこれから時間をかけて、お互いに意思疎通を深める中でまた検討していければなというふうに私は思っております。 ちょっとコメントを今の部分でしたいのですけれども、まず最初に、市長にお願いした待機児童の年次計画ですけれども、これについては、ちょっと触れられておられなかったのですけれども、ぜひスピード感を持って市長のスピード感でぜひやってほしいと思いますし、やはり目標年次なり、その個別の事情というのは大分わかっていると思いますので、そこらを踏まえた中で計画を立ててもらいたいなと、こんなふうに思っています。また、保育所待機児童については、これはなかなか新たにニーズが出てくるというようなことで、ゼロになっていないということなんですけれども、私、先ほどから申しておりますとおり、待機児童というよりも、応募者のニーズを踏まえた検討をぜひ進めるべきではないかと思っておりますので、その辺も踏まえてお願いしたいなと考えます。 それから、2点目の放課後子ども教室のところですけれども、PTAの関係者がいらっしゃったということですけれども、私もPTA関係ですけれども、小学生の子供はいないのですが、いずれにしてもお客様の声を聞いて計画がつくられているのかどうかということは、ぜひ市の皆さんに踏まえて考えてもらいたいなと思っています。 それから、基本理念はオーソライズされたものだという話があったのですけれども、議会にもどうも出ていないみたいなんですけれども、皆さんにもごらんをいただきたいんです。一部だけ取り上げて話をすると、また誤解を招いてはいかんものですから話をしませんけれども、ぜひ皆さんにも見てもらって、前提となる理念が仮に変われば結論が変わるということもあると思っておりますので、ここはぜひこども第一主義に深くかかわるところだと思っていますので、市としてどう考えるか、ぜひまた皆さんに見てもらいたいなというふうに思います。 それから、30人学級については、これは教育長からぜひ前向きに--ちょっと余計な質問もしてしまいましたけれども、前向きに進んでもらいたいなというふうに思っています。私たちが子供のころというのは、どちらかと言うと、大人数の学級でやってきたわけなんですけれども、私の個人的な解釈でいきますと、当時は高度成長期で決められたものをやる、与えられたことをやるという人材育成でよかったような気がするのですね。今は時代が変わっておりまして、自分で物事を考えて判断し、行動する人間をつくっていかなければいけないと、私はそんなふうに思っているのですけれども、そういうのに対して30人学級がどうかというような、そういった視点で考えていただければどうかなというふうに思ったものですから、ちょっと聞かせていただきました。いずれにしても、教育というのは私は将来に向けて最大の投資だと思っておりますので、ぜひ子供たちにとってどうあるべきかを考えてもらって、前向きに進めていただきたいなと思っています。 残った時間で、少し意見・要望を全体的に触れたいのですけれども、時間が余りないようなので、全部できるかどうかわかりませんが。全般を通しまして、市長初め執行部の皆さんの、浜松をよくしたいという気持ちは随分伝わってきたわけでありますけれども、先ほどもありましたが、市長はマニフェスト大賞も受賞されております。ぜひそれも私は日本一だと思っておりますので、そういう勢いで頑張っていただければなと思っています。 中でも、ユニバーサルデザインですけれども、これは絶対水準というのはともかくとしまして、総体的には、私はこれは誇れる内容だというふうに思っておりますし、またまだまだ誇れる内容ではないよというふうに認識をしているようでありましたら、ぜひそうなるように仕向けていっていただきたいなと、こんなふうに思っております。また、UDはユニバーサルデザイン課だけでできるわけでもないものですから、全庁一丸となって、ぜひみんなに優しい浜松市を進めていっていただきたいなと、こんなふうに思っています。 最初の項目の市の計画と目標管理のところで再質問をしようかなと思って、ちょっとやめたのですけれども、チャレンジミーティングなんですが、これは非常にいい取り組みを始められたなというふうには感じました。ぜひ全庁的に取り組んでもらいたいなと思うんですけれども、結果的に処遇に反映をしていないということなんですけれども、結果的に目標を達成してもしなくても処遇が変わらないということだと、それは本当に職員さんのモチベーションにつながるのかなという気もします。むしろ目標を設定するのがやらされ感につながってしまうと、逆効果になりますので、そこらあたりはぜひミーティングをこれからどんどんやっていく中で、職員の皆さんに頑張ったら処遇に反映するというほうがいいとすれば、しっかりやってもらいたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。行政経営の根幹は、私はやはり人だと思っておりますので、この人事制度の問題というのはぜひ前向きに市長、考えてもらいたいなと思っています。 それから、戦略計画や行政経営計画、さまざまな数値目標が市にはあります。これは午前中の市長の答弁にもあったと思うのですけれども、まだまだ数値の根拠が明確でないものとか、あるいは今の浜松が置かれているポジションが十分認識されていないのかなというようなことを感じる部分もありますので、そこら辺は今後の計画を策定するに当たっては、ぜひしっかりと心がけてもらいたい、こんなふうに思っています。 時間がもう余りないので、あれなんですが、パネルを一つ持ってまいりました。(パネルを掲げる)意識改革という点について、一つお話をさせてもらいたいと思うのですが、これは先ほど山崎副市長から答弁をいただいたものですから、ぜひ頑張ってもらいたいと思うんですが、財政のすがたという資料の62ページにあったものなんですけれども、ここには普通会計の歳入歳出、これが記載をしてありました。これですね。実は歳入が普通会計2717億円、歳出が2620億円というのを家計に置き直したものだということで記載があったのですね。これは家計に置き直した数字なんですけれども、置き直すと収入が月間50万円、支出が48万2000円ということで、一見家計は黒字のように見受けられるわけですね。私、実はこの表を市民の皆さんに何人か見てもらったわけなんですけれども、田口さん、これ赤字じゃないの、こういうふうに言う人が結構いたのですよ。どういうことかと申しますと、ここの収入の中にローンで賄っている額3万9000円というのが入っているんですね。普通の家庭ではローンで借りたものを収入ということは言いませんものですから、だから、これを差し引いて収入は46万1000円じゃないのと、こういうお話をされていたわけであります。ところが、公会計制度ではこれが正しい会計処理だということで伺いました。それはそれでその是非を今この場でああだとこうだ言うことはないのですけれども、結局こういうものが積もり積もって、今の国や地方の借金になったのかな、そんなふうな気がしております。企業会計だけでなくて、やはり庶民感覚で見れば、私は意識改革というのは十分できるのかな、こんなふうに思っておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 最後になりますけれども、先ほど市長から来年度の予算方針のお話も伺ったわけでありますけれども、仮に先ほど来年度は法人税の大幅な減額が見込まれるというお話もありました。さきの市長の記者レクのときの話でしょうか、20%以上というようなお話もあったものですから、仮に40億円というふうに考えますと、実はこれを家計に置き直しますと、ここの数字が7500円減るというふうに計算ができるのですね。3%収入が減ると、基本給が減るということになるものですから、こうなりますと、やはり家計は相当大変なことだなというふうに思っています。そうなりますと、簡単に借金をするというわけでもないものですから、食費や光熱水費の、こちらの支出のほうの節約はもちろんしなければいけませんし、家電製品の買いかえも見直す必要があるということであります。また、子供への仕送りも、ちょっと削らなければいけないのかなと、これは非常に厳しいわけでありますけれども、やはり自立心を少しでも持ってもらうということも必要なのかなと、それが市民感覚だと思っています。余計なことを言ってしまいましたが、ぜひめり張りのきいた予算をつくっていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 以上、いろいろと申しましたけれども、私も言いっ放しではなくて、やはり市民クラブの一員として、しっかりと民間の視点で市長の行財政改革の推進を支援していきたいと思っております。浜松が日本一のまちになるように、私も一層努力していきたいと思いますけれども、よろしくお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手) ○副議長(長山芳正) 以上で、本日の代表質問を終わります。    -------------------------------- ○副議長(長山芳正) 次に、日程第4第204号議案鴨江山公園根上がりマツ倒木事故に関する和解及び損害賠償額についてを議題といたします。 市長の説明を求めます。     〔鈴木康友市長登壇〕 ◎市長(鈴木康友) ただいま御上程いただきました議案につきまして、御説明申し上げます。 今回の議案は平成19年4月14日、鴨江山公園で発生した根上がり松の倒木事故に関して、相手方との和解交渉により合意に至りましたので、地方自治法の規定に基づき、和解及び損害賠償額について提案するものでございます。 以上、議案のあらましを御説明申し上げました。よろしく御審議の上、議決を賜りますようお願い申し上げまして、説明を終わります。 ○副議長(長山芳正) 以上で市長の説明は終わりました。 ただいまから、議題に対する質疑を許します。 質疑はありませんか。--発言がないようですので、質疑を打ち切ります。 ただいま議題となっております第204号議案は、会議規則第35条第1項の規定により、お手元の議案付託件目表のとおり、建設委員会に付託いたします。    -------------------------------- ○副議長(長山芳正) 明日の本会議は午前10時から開きます。 以上で、本日の日程は終了いたしました。 本日は、これをもちまして散会いたします。          午後3時18分散会    --------------------------------       会議録署名議員        浜松市議会議長        浜松市議会副議長        浜松市議会議員        同        同    --------------------------------...