岩国市議会 > 2018-09-05 >
09月05日-02号

  • 雨水貯留管(/)
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  1. 岩国市議会 2018-09-05
    09月05日-02号


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    平成 30年 第3回定例会(9月)平成30年第3回岩国市議会定例会会議録(第2号)平成30年9月5日(水曜日)――――――――――――――――――――――――――――――議事日程(第2号)平成30年9月5日(水曜日)午前10時開議┌───┬───────────────────────────────────┬───┐│日 程│   件                           名   │備 考│├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 1│会議録署名議員の指名                         │   │├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 2│一般質問                               │   │└───┴───────────────────────────────────┴───┘――――――――――――――――――――――――――――――本日の会議に付した事件 目次に記載のとおり――――――――――――――――――――――――――――――出席議員(32人) 1番 前 野 弘 明 君 12番 藤 本 泰 也 君 23番 桑 原 敏 幸 君 2番 渡 辺 和 彦 君 13番 中 村   豊 君 24番 石 本   崇 君 3番 細 見 正 行 君 14番 桑 田 勝 弘 君 25番 石 原   真 君 4番 阿 部 秀 樹 君 15番 河 合 伸 治 君 26番 山 本 辰 哉 君 5番 田 村 順 玄 君 16番 越 澤 二 代 君 27番 丸 茂 郁 生 君 6番 重 岡 邦 昭 君 17番 片 岡 勝 則 君 28番 長   俊 明 君 7番 広 中 英 明 君 18番 片 山 原 司 君 29番 坪 田 恵 子 君 8番 三 原 善 伸 君 19番 貴 船   斉 君 30番 大 西 明 子 君 9番 松 川 卓 司 君 20番 植 野 正 則 君 31番 山 田 泰 之 君10番 広 中 信 夫 君 21番 松 本 久 次 君 32番 小 川 安 士 君11番 武 田 伊佐雄 君 22番 藤 重 建 治 君 ――――――――――――――――――――――――――――――説明のため出席した者       市長             福 田 良 彦 君       副市長            杉 岡 匡 君       教育長            守 山 敏 晴 君       水道事業管理者        辻 孝 弘 君       審議監            村 田 光 洋 君       総務部長           高 田 昭 彦 君       危機管理監          廣 田 秀 明 君       総合政策部長         村 上 昇 君       行政経営改革担当部長     樋 谷 正 俊 君       基地政策担当部長       山 中 法 光 君       市民生活部長         加 納 健 治 君       文化スポーツ担当部長     井 上 昭 文 君       環境部長           藤 村 篤 士 君       健康福祉部長         森 川 義 雄 君       保健担当部長         森 本 聡 子 君       地域医療担当部長       山 田 真 也 君       産業振興部長         白 尾 和 久 君       農林水産担当部長       村 田 武 彦 君       都市建設部長         木 邉 光 志 君       都市拠点担当部長       山 中 文 寿 君       由宇総合支所長        松 原 幸 彦 君       玖珂総合支所長        室 茂 康 夫 君       周東総合支所長        森 本 貴 恵 子 君       錦総合支所長         沖 晋 也 君       美和総合支所長        上 尾 浩 睦 君       会計管理者          藤 本 玲 子 君       教育次長           山 口 妙 子 君       監査委員事務局長       山 下 則 美 君       農業委員会事務局長      中 西 亮 二 君       選挙管理委員会事務局長    米 田 勝 明 君       水道局次長          佐 藤 明 男 君       消防担当部長         村 中 和 博 君――――――――――――――――――――――――――――――会議の事務に従事した職員       議会事務局長         村上篤史       庶務課長           後詳子       議事課長           桝原裕司       議事課主査          桂健治       書記             福本和史       書記             木下勝貴       書記             福永啓太郎――――――――――――――――――――――――――――――午前10時 開議 ○議長(桑原敏幸君)  所定の出席議員がありますので、会議は成立いたしました。 これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付しておるとおりであります。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第1会議録署名議員の指名 ○議長(桑原敏幸君)  日程第1 会議録署名議員の指名をいたします。 本日の会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、13番 中村 豊君、14番 桑田勝弘君、15番 河合伸治君を指名いたします。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第2一般質問 ○議長(桑原敏幸君)  日程第2 これより一般質問を行います。 21番 松本久次君。 ◆21番(松本久次君)  おはようございます。憲政会の松本でございます。会派を代表いたしまして、一般質問をさせていただきます。 まず、質問に入る前に、非常に強い大型台風21号は、徳島県に上陸しまして日本海へ抜けていきましたけれども、近畿地方を中心に大きな被害が出ております。7人の方が死亡され、また、強風により多くの被害をもたらしました。また、7月に発生した西日本豪雨は、広島県や岡山県を中心に死者220人を超える大災害となりました。この豪雨は、岩国市内各地で家屋への浸水、土砂の流出等々の被害があり、2人の方のとうとい生命が失われるなど、甚大な被害をもたらしたところでございます。お亡くなりになった方々に、謹んで心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様方の一日も早い復旧復興をお祈りいたします。 それでは、一般質問に入りたいと思います。 任期中、最後の議会で、またトップでの一般質問となりました。少し緊張しておりますけれども、頑張って質問をしたいと思います。 まず、1点目でございますが、このたび報告のあった、中山間地域の振興に関する施策の実施状況等について質問いたします。平成26年12月に岩国市中山間地域振興基本計画が策定され、本市の中山間地域の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進することとなっており、この報告書の提出につきましては、岩国市中山間地域振興施策基本条例に基づきまして、毎年、議会に実施状況を報告するとともに、公表することとなっているところでございます。(1)でございますが、平成29年度の評価についてお伺いいたします。 2点目、錦川総合開発(平瀬ダム建設)についてお伺いをいたします。 平瀬ダム建設の目的については、昭和26年のルース台風を初め、近年では、平成17年には台風14号により記録的な洪水に見舞われ、半壊戸数312戸、浸水被害戸数714戸など、甚大な被害が出たことや、平成6年に厳しい取水制限が実施されるなど、渇水被害も発生したことから、治水と利水の両面を担うもので、洪水調節、既得用水の安定化及び河川環境の保全等であります。現在山口県が2級河川錦川水系錦川の錦町広瀬地内に建設中で、ダム本体のコンクリート打設がおおむね年度内に完成する予定と聞いております。本体そのものは今年度に完成する予定ということでありますけれども、地すべり対策等の工事の追加があるということであり、あと2年余り延伸になるということも聞いているところでございます。 (1)工事の進捗状況についてお伺いをいたします。完成後のダム周辺の整備計画が実現されていない中で、完成後の周辺整備についてお伺いをいたします。 以上、壇上での質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  皆さん、おはようございます。それでは、松本議員御質問の第1点目の中山間地域の振興に関する施策の実施状況等についてのうち、(1)の平成29年度の評価についてお答えいたします。 先月27日の本議会におきまして、平成29年度中山間地域の振興に関する施策の実施状況等について報告を行いましたが、その内容について、岩国市中山間地域振興基本計画に掲げる3つの施策の柱に沿って、平成28年度との比較を交えて御説明をいたします。 まず、施策の柱1「安心・安全で暮らしやすい生活環境の整備」の事業につきましては、平成29年度が82事業、約30億5,000万円で、平成28年度と比べ5事業ふえたものの、事業額は約9億3,600万円の減額となっております。その要因としては、旧広瀬簡易水道の拡張工事や防災行政無線整備事業が完了したこと、また、玖珂小学校校舎建設事業小学校施設耐震化推進事業の進捗に伴う事業費の減額によるものであります。 平成29年度の主な事業は、下水道事業計画に基づく、下水道未普及地域の解消及び施設の長寿命化のための下水道施設の新設・更新事業や、災害時に的確かつ迅速に防災情報等を伝達するための防災行政無線の屋内受信機の整備となっております。 次に、施策の柱2「持続可能な地域社会の形成」の事業につきましては、平成29年度が15事業、約5,300万円で、平成28年度と事業数は同じでありますが、事業額は約2,700万円の減額となっております。その要因としては、市営住宅排水設備整備事業の完了によるものであります。 平成29年度の主な事業は、市内8地域で設立されている、地域ささえ愛協議会への交付金の交付や、民有林の造林・間伐に対する補助金の交付となっております。 次に、施策の柱3「地域資源を活かした多様な産業の振興」の事業につきましては、平成29年度が36事業、約4億8,800万円で、平成28年度と比べ3事業ふえ、事業費も約8,100万円の増額となっております。 平成29年度の主な事業は、傾斜地や不整形な農地など、条件が不利な中山間地域の農業生産活動への交付金の交付や、農山漁村体験交流事業への取り組みとなっております。 地域別の成果につきまして、主なものを説明いたしますと、まず、由宇地域におきましては防災行政無線屋内受信機等整備事業、玖珂地域におきましては玖珂小学校校舎建設事業、周東地域におきましては西部学校給食センター建設事業によって、減災、教育環境の整備、学校給食の安心・安全の確保に取り組んでおります。 また、玖北地域におきましては、錦地域の錦ふるさとセンター空調設備改修事業、美川地域の消防車の更新事業、美和地域の小規模林道整備事業紙屋ヶ迫線開設事業、本郷地域の本郷野外活動交流センターの浄化槽更新事業によって、公共施設の衛生機能や利用環境の改善、また、地域住民の安心・安全の確保、そして林業の振興に取り組んでおります。 このように、各地域の実情に合わせた事業を実施をすることで、中山間地域の振興を図ってまいりました。 市としましては、今後も安心・安全に暮らし続けることができる中山間地域の実現に向けて、総合的かつ計画的に取り組みを推進してまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎都市建設部長(木邉光志君)  第2点目の錦川総合開発(平瀬ダム建設)についてお答えします。 まず、(1)工事の進捗状況についてですが、山口県において建設されています平瀬ダムは、治水・利水の両面を担う多目的ダムとして、平成26年3月から本体工事に着手され、平成30年度末には、ダム本体のコンクリート打設が完了する予定と伺っております。 当該ダムは、梅雨や台風による大雨で、上流から流れ込む洪水の一部を貯留し、下流地域の洪水被害を軽減させることを主な目的としており、平瀬ダムの完成により、調節容量が現在の菅野ダム、生見川ダムを合わせた2,960万立方メートルから、約2倍の5,390万立方メートルに向上します。 また、錦町での上水道の水道用水や、ダム直下に建設する発電所で、放流水を利用した発電等の利水にも活用する予定とされています。 こうした多目的なダムとして建設が進められておりますが、国の地すべり対策の技術指針の改定に伴いまして、山口県により再調査が行われました結果、ダム貯水池周辺の地すべり対策が必要となり、事業期間が2年延伸され、平成35年度に事業が完了することとなりました。 現在、ダム湖の半島部分を一部掘削しておりますが、これは、地すべり対策工事の施工ヤード造成に必要となる盛り土材を採取するためと伺っております。 今後、管理事務所や管理用設備を整備し、試験湛水を行い、ダムの安全性を確認してから供用開始に至るとのことです。 次に、(2)完成後の周辺整備についてでございますが、ダム本体の左岸側にダム管理事務所を建設予定で、山口県により管理されます。また、ダム湖周辺のダムサイト右岸側に整備した約3,050メートル、左岸側に整備した約1,250メートルの道路を、つけかえ市道として岩国市が管理する予定としております。 なお、現在のところ、ダム周辺において、その他の施設の具体的な整備計画はないように聞いております。 市におきましても、今後、ダム周辺が訪れる人のくつろぎの場所となるよう、休憩スペース等の整備を要望していきたいと考えております。 あわせて、現在掘削を行っております、ダム湖の半島部分についても、その利活用の方法など協議をしてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆21番(松本久次君)  それでは、再質問をさせていただきます。通告順に質問をさせていただきますが、1点目でございます。 施策の柱2「持続可能な地域社会の形成」の平成29年度の主な事業のうち、御答弁で地域ささえ愛協議会への交付金の交付とありましたけれども、この交付金の主な使途についてお伺いします。 ◎市民生活部長(加納健治君)  地域ささえ愛交付金は、地域のさまざまな問題や課題を見出し、住民がみずから考えて解決することで地域づくりを行う多様な担い手の育成、地域活動の活性化を図ることを目的としまして、平成24年度に創設した制度でございます。 この交付金は、合併前の旧市町村ごとに設置された、自治会連合会や地域の各種団体の代表者で構成されている地域ささえ愛協議会に対して、対象経費の9割を上限として交付するものでございます。交付対象事業は地域振興、環境づくり等、6項目の分野の事業といたしております。 平成29年度の主な使途につきましては、花壇づくりや地域清掃などによる環境づくり事業や、防災冊子作成を初めとする安心・安全対策事業、交通弱者支援のためのタクシー運行を初めとする地域振興事業など、地域課題の解決に資するさまざまな事業に広く活用していただいておるところでございます。 ◆21番(松本久次君)  多種多様に活用されているということでございますけれども、お話によると、毎年同じ組織といいましょうか、そういう協会といいましょうか、そういったところがほとんど押さえていて、新規の参入が非常に難しく、申請してもなかなか取り上げてもらえないというようなお話がありますけれども、そのあたりは御承知でしょうか。 ◎市民生活部長(加納健治君)  先ほど御答弁いたしましたように、交付金のほうは地域ささえ愛協議会に対して交付しておるところでございまして、地域ささえ愛協議会においては、地域ささえ愛計画というものを策定されており、その計画に沿って必要となる事業を毎年度実施していただいていると考えております。地域ささえ愛協議会の事業を決定するに当たりましては、総合支所の職員等もオブザーバーとして参加し、アドバイスといいますか、そういったことができればということで――毎年同じというわけではないとは思いますけれども、いろいろな地域の課題を地域で見出していただいて、それをどう解決していくかという事業に活用していただきたいというふうには考えております。 ◆21番(松本久次君)  そういった声がありましたので、一応報告をしておきます。 それでは、2点目の質問でございますが、施策の柱の3であります「地域資源を活かした多様な産業の振興」について、平成29年度が36事業、約4億8,800万円で、平成28年度より3事業ふえ、事業費も約8,100万円の増額となったとの御答弁がありました。この3事業についてはどのような事業があるのかお伺いいたします。 ◎市民生活部長(加納健治君)  施策の柱「地域資源を活かした多様な産業の振興」の平成29年度と平成28年度の事業数並びに事業費の増減についてですけれども、これは、それぞれの年度の全体事業について比較したものでございまして、その結果が3事業増加、約8,100万円の増額となったものでございます。同一の施設でも、事業内容が異なっておれば別事業ということで計上いたしておりますことから、増加しました3事業について、ちょっとなかなか明確にお答えできない面もございますけれども、生活環境の向上と生活基盤の整備に関する事業がふえまして、昨年度に比べて増額となっているということが要因の一つというふうには考えております。 ◆21番(松本久次君)  捉え方としては、金額的には4年間の総合的なものと捉えていいんですか。平成29年度だけの事業費ということでいいんですか。 ◎市民生活部長(加納健治君)  報告では、平成29年度の中山間地域の振興に関する施策の実施状況ということでございますので、平成29年度単年度の事業ということでございます。 ◆21番(松本久次君)  承知しました。 では、3点目の質問でございますけれども、報告書にあります農林水産業の振興についてお伺いいたします。 昨年の9月定例会で岩国市農林業振興基本計画について一般質問をさせていただいておりますが、その中で、今年度中に事業を見直すということで、新たな計画を作成するというような御答弁がございました。この進捗状況というのは――期間としてはまだ非常に短いですが、今回の報告の岩国市中山間地域振興基本計画との整合性についてお伺いします。 ◎農林水産担当部長(村田武彦君)  まず、次期岩国市農林業振興基本計画の進捗状況についてでございますけれども、現在、計画の最終年度でございまして、取り組み中の施策もございますことから、本格的な検証・見直し作業はこれからという状況でございます。 一方で、数値目標の達成がちょっと難しいと思われております担い手の確保につきましては、次期計画においても特に重点的に取り組む必要があると考えておりますことから、今年度、農林業への就業促進の取り組みとして、山口県が県外在住者等を対象に岩国市で実施した農業体験ツアーや林業体験ツアーの参加者に就農・就業に当たっての意見を直接お聞きするなど、今後の対策の参考とする取り組みも進めておるところでございます。また、来年度から新たに始まる森林管理制度について研修会に参加するなど、新たな国の制度等の情報収集についても努めておるところでございます。 いずれにしましても、こうした作業を進めるとともに、次期岩国市農林業振興基本計画につきましては、今、山口県が主体となって農業団体等と策定をしております岩国地域農林水産業農山漁村振興計画が10月末に策定される予定となっておりますので、当該計画との整合性を図り、策定作業を本格化させていきたいと考えておるところでございます。 次に、岩国市中山間地域振興基本計画との整合性についてでございますが、農林業振興基本計画につきましては、中山間地域振興基本計画に掲げられた農林業の振興に関する施策目標をより明確化するために策定するものでございますので、特に今回報告した施策の柱の3番の「地域資源を活かした多様な産業の振興」のうちの農林業の振興に対する取り組みの評価等を踏まえて、必要な対策等を次期計画に反映してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆21番(松本久次君)  今、御答弁にありましたさまざまな取り組みがあるわけですけれども、前回も申しましたけれども、なかなか数値的に目標に届かないものがあるわけですけれども、担い手の確保ということで、これは非常に厳しい環境にあろうかと思います。やはり、具体的にどういうふうな形で担い手を確保していくかということが非常に大切だというふうにつくづく感じておりますけれども、ぜひとも、この計画については、さまざまな分野での具体的なものも含めて、しっかりと取り組んでいただいて、立派なものに仕上げていただきたいというふうに思っております。 それでは、4点目、報告書の「いきいきと暮らせる環境づくり」についてお伺いいたします。 玖北地域に、小さな集落の人たちが集う連絡協議会というものがありまして、会長は舞田敏和さんで、目的は、会員が意見交換を行いながら行政との協働により、みずからの意思に基づいて地域が抱える諸問題の解決に努めるということとなっておりますけれども、本協議会から中山間地域振興課に依頼をしておりました集落の実態把握について、集落点検という形で聞き取りによる実態調査が行われました。先日この協議会の総会で報告がありましたけれども、長時間をかけて集落点検に取り組んでいただきまして、これは高く評価できるものでございます。取り組んだだけでは――今後の将来について、いろいろと地域や組織との意見交換等も要るかと思いますけれども、そういった点検後の取り組みについてお考えがあるのか、お伺いします。
    ◎市民生活部長(加納健治君)  今、御紹介いただきましたように、小さな集落の人たちが集う連絡協議会から依頼を受けまして、玖北地域の小規模・高齢化集落を対象とした実態調査を行っております。調査内容は、自治会活動、生活環境、鳥獣被害等対策、買い物、病院への移動手段などとしておりまして、平成29年7月から本年6月末まで実施したところでございます。 点検の対象集落・世帯は117集落、811世帯で、うち、点検が完了しましたものが117集落、701世帯となっており、点検実施率は86%となっておるところでございます。 点検後の取り組みについてでございますけれども、集落点検の結果を活用して住民同士や住民と市の間で話し合い、集落の現状、今後の課題、将来的にあるべき姿などについて共通認識を図り、相互の理解を深めていきたいというふうに考えております。 そうした面から、点検時に留守などで点検ができなかった世帯につきましても、現在、改めて点検を進めており、加えて、集落支援員や職員を対象に、点検の成果を生かすための話し合い活動が有意義に進むことを目的とした研修を実施しておるところでございます。 今後につきましては、集落からの要望や集落の実情に合わせまして、地域での話し合い活動の準備を進め、あわせまして、各総合支所、支所、関係部署等と課題別に情報交換、協議・検討を行いまして、今後の施策の推進に生かすよう努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆21番(松本久次君)  現実問題として、玖北地域がこうした集落の最も多い地域でございますけれども、集落が消滅していくというような状況にございます。そういったことで、この点検の結果を何としてもいい方向に活用していただきたいということでございますので、今後の取り組みに期待しております。 それでは、5点目でございます。 「持続可能で活力ある地域づくりの推進」ということで、地域づくり人材確保の中で、今回も「地域おこし協力隊導入促進」とあります。現在の協力隊の状況についてお伺いをいたします。 ◎市民生活部長(加納健治君)  現在の地域おこし協力隊の状況についてでございますけれども、平成28年10月から山代地区に派遣しておりました隊員について、市内での就職が決まりまして、6月末日をもって退任をいたしましたけれども、引き続き地域に居住し定住につながったというふうには考えておるところでございます。 現在、市内には5人の地域おこし協力隊員が活動いたしております。 まず、玖西地域に1人、今年度で3年目となる隊員が活動いたしております。配属は川越公民館で、川越地区を中心に地域とのかかわり合いを深めながら環境整備活動等を行っております。この隊員は今年度末をもって任期満了となりますけれども、任期満了後は、現在の活動場所に定住したいという意向を持たれていることは確認をいたしておるところでございます。 残る4人につきましては、今年度採用をいたしました。 まず、7月1日付で、美和町に1人の隊員を派遣をいたしました。配属は美和総合支所で、地域の農業関係団体等の活動支援を行っておるところでございます。 また、8月1日付で3人の隊員を採用いたしておりまして、それぞれ活動を始めておるところでございます。うち1人は柱島群島派遣の隊員でございまして、地域訪問や調査、地域イベントの支援、参加等を行っております。9月中に、地域団体と今後どのようなかかわりを持っていくかというような協議も行うというふうになっております。 それから、由宇総合支所には、主に神東及び由西地区を担当する隊員を1人派遣をいたしております。現在、耕作放棄地の活用による地域の人口増加に向けて、地域の皆さんと既に検討を始めておるところでございます。 あと1人、これは事業に特化した隊員でございますけれども、地域ブランドに対応する隊員を商工振興課へ派遣しております。業務の内容としましては、地域の生産者、商業者、関係団体等と連携しながら、若い世代や外国人にも受け入れられる新商品の開発などの取り組み支援を行うことといたしておるところでございます。 ◆21番(松本久次君)  また新たに柱島に地域おこし協力隊員を採用したということでありますけれども、前回柱島に派遣されて、まあ、これは失敗と言っては語弊があるかもしれませんけれども、途中放棄というような形になりました。そういったことが一番心配されるわけで、やはり、採用された皆さんがその地域にいかになじんでいくか、そして、どういうふうな目的を持つのか。農業の関係もありますし、新たに地域ブランドの開発等々もしていただくというような採用の仕方もしておられます。これは提言なんですけれども、市役所の仕事の手伝いをするようではいけませんよ。この柱島の分はちょっと心配なところがありますけれど……。市役所の手伝いなら臨時職員がいるわけですから。希望を持ってその地域に入ってきたと思うんですけれども、せっかく岩国市に来ていただいたわけですから、将来的には移住していただける方向にしっかりと持っていっていただきたいというふうに思います。 長々と質問してまいりましたけれども、この基本計画は4年を過ぎ、残り4年になるわけでございます。この4年間を充実していくためにも、そして、地域の振興につなげるためにも、いろんな取り組みも考えられますけれども、もし、そういう将来的なお考えがあれば、お伺いします。 ◎市民生活部長(加納健治君)  中山間地域振興基本計画の計画期間は、平成27年度から平成34年度までの8年間となっておりまして、施策は前期と後期に分けて策定するということにいたしております。平成31年度以降の後期計画を策定する必要がございますけれども、その上では、岩国市総合計画と岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略、山口県中山間地域づくりビジョン等との整合性を図りながら、市民の皆様の御意見や、これまでの取り組み実績等を踏まえまして、基本計画に掲げました安心・安全に暮らし続けられる中山間地域の実現に向けまして、施策の推進を目指す計画づくりを関係部署と連携して進めてまいりたいというふうには考えております。 ◆21番(松本久次君)  しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。 次に、平瀬ダムの建設について再質問をさせていただきます。 先ほどの御答弁によりまして、平瀬ダムの有効性についてはある程度理解ができたところでございますけれども、完成後の対応ということで質問させていただきます。 大雨あるいは洪水の発生時のダムの放流判断は県が決定するというふうには聞いておりますが、このたびの西日本豪雨によりまして他県で発生した河川の氾濫では、水位が上がったことによるダムの放流判断について、問題視されていたところもあります。これはダムの容量が満杯になったから放流したということでありましたけれども、この放流判断について、放流前に県と市の協議があるのかについてお伺いします。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  ダムの放流判断につきましては、山口県の場合、ダムの操作規則に基づいて、県が行っておられるというふうに思っております。通常の放流時には、電話などで毎回、市に報告が入るようになっております。しかしながら、今言われましたように、今回の西日本豪雨時の四国の肱川の洪水などを見まして、やはり、岩国市においても、下流域に洪水等の影響が考えられるような大雨時などの、いわゆるダムの緊急放流といいましょうか、そういったことがある場合に備えて、ダム管理者としっかり協議をしていく必要があると考えております。7月には、国土交通省中国地方整備局弥栄ダム管理所とも既にこの話をしておりまして、今後、洪水が発生することを想定した連絡訓練を行ってまいりたいという申し入れをしております。また、先月8月20日に山口県に対しても、同様の申し入れをしているところでございます。 ◆21番(松本久次君)  県と岩国市との連絡体制ということでありますけれども、先ほど答弁がありました岩国市との連絡体制のほかに、地元――住民への周知はどのような方法で行っているのかお答えください。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  放流の基準と連絡体制については先ほど申し上げたとおりでございますが、地元への周知ということでございますが、御存じのように、ダム放流時に下流域において県側のサイレン通報あるいは広報車での周知というのを行っておられます。ただ、洪水の危険があるような放流のときには、同時に市の避難指示のサイレンや市民メールなどを流していくわけですが、実際の浸水範囲の想定であるとか、避難の想定というところをしっかり行っていかなければならないと思いますし、現在の避難指示のやり方で実際の避難行動につながるかというところは、再度しっかり検証してまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。 ◆21番(松本久次君)  この平瀬ダムについては、これまでに発生したような災害を軽減するといいましょうか、少しでも被害が少なくなるためにといったダムでございます。私は錦町に住んでいますが、錦川と宇佐川のちょうど合流点がありまして、豪雨のときはそこの水位を時々見に行くことがあるんですけれども、宇佐川の水位のほうが勝っていて、錦川の水位のほうが負けているというようなときもあるわけです。平成17年の災害のときにはダムの放流云々がありましたけれども、そのときも合流地点で宇佐川の水位が少し高くて、それがまともに流れていったということで、南桑地域あるいは市内に大変な災害が発生したというような状況でございますので、サイレン等の周知ということもあるでしょうけれども、そのあたりは県とのしっかりとした連携によって、市民の皆さんに周知をしていただきたいというふうに思います。 それでは、完成後の周辺整備ということで、ダムサイト周辺の公園等の整備でございますけれども、周辺の施設整備については、先般、県の錦川総合開発事務所にお伺いしましていろいろお話を聞く中で、施設整備については現在考えていないということでありました。ダムサイトに事務所あるいはトイレ等はつくるけれども、周辺整備まではまだ考えていないというようなお話を聞いたところでございます。先ほどの答弁にありましたが、休憩スペース等の整備を要望することになっておりますけれども、現在掘削中の半島のお話も答弁にございました。この活用という中で、この半島部分の掘削後の面積というのはどれぐらいあるのか、御承知でしょうか。 ◎都市建設部長(木邉光志君)  地すべり工事の作業ヤードに必要な土の採取ということで、今、半島を掘削しておりますが、これにつきましては、土質状況等によりまして、やはり、仕上がり形状とかも変わってくるというところでございまして、現在においては有効利用できる土地の面積等については確定しないというふうには伺っております。しかしながら、先ほど壇上でも述べさせていただきましたが、やはり、皆様から憩いの空間を、というところは、周辺に住まれる方にとってもやはり大変大切なことと思っておりますので、ある程度の方向性が出たところで協議していければというふうには考えております。 ◆21番(松本久次君)  地元の住民の方からはサイクリングロード等の意見もございますし、何とか、地域の方だけではなく、岩国市民の方が地域に来て、自然に触れ合いながら、ダムの美しさといったことも楽しんでいただけるような形にしていただきたいというふうに思うわけですけれども、そういった意見が出ているということで、地元の皆さん――いろいろ団体がございますけれども、今後そうした方たちと協議をされるお考えはありますか。 ◎錦総合支所長(沖晋也君)  ダム周辺整備についての地元との協議ということでございますが、平成26年度に平瀬ダムの本体工事に着手したことから、地元住民と工事関係者との密接な連絡調整を目的として、平瀬ダム建設地元連絡協議会が設立されております。この協議会では地元の皆様からも活発な意見が出されており、今後もこの協議会を通じて、地元の意見を反映させていただけるよう要望してまいりたいというふうに考えております。 ◆21番(松本久次君)  今、答弁をされた協議会というのは、どういった方がメンバーですか。 ◎錦総合支所長(沖晋也君)  地元連絡協議会でございますが、メンバーにつきましては、錦川総合開発事務所、ダムの建設業者、広瀬地区自治会連合会、そして各種団体というふうになっております。 ◆21番(松本久次君)  錦川総合開発事務所も組織の中にいるということでありますので、話としては進めやすいのかなというふうには思いますし、確かにそういった団体も協議をするということでは大切だと思いますけれども、やはりNPO法人ほっとにしきとか、そうしたいわゆる地元のボランティアの組織には、地元のいろんな業種の人もかかわっておるわけですから、そういった方たちにも相談をしていただきたいというふうに思いますけれど、いかがでしょうか。 ◎錦総合支所長(沖晋也君)  この地元連絡協議会につきましては、観光協会や商工会も入っておりますので、しっかり意見は反映されているというふうに考えております。 ◆21番(松本久次君)  今の組織で十分に声が反映されるというふうな認識ですか。 ◎錦総合支所長(沖晋也君)  そのように考えております。 ◆21番(松本久次君)  これまでに何回ぐらい協議がされましたか。最近はありますか。 ◎錦総合支所長(沖晋也君)  この地元連絡協議会につきましては、年に2回ほど開催されておりまして、直近はちょっと記憶にないんですが、たしか、夏前ぐらいにあったように覚えております。 ◆21番(松本久次君)  その協議会の場では、どういった整備をしてほしいというような意見がありましたか。 ◎錦総合支所長(沖晋也君)  地元連絡協議会の中では、ダムの右岸側に管理事務所等がつくられるというふうに聞いておりますが、その周辺に公園を整備していただけないかといった意見が出たのは覚えております。 ◆21番(松本久次君)  公園というのは、将来的には非常に管理に費用がかかるというようなことも聞いてはおります。この周辺整備は非常に難しいものになるとは思うんですが、例えば、今お話のあるような公園をつくるとか、半島に展望台といったものをつくったら、施設の管理はどこがやるようになっていますか。 ◎都市建設部長(木邉光志君)  一般的にですが、用地を含めまして、仮に市が施設全体の帰属を受けるのであれば、市の管理となると思います。それから、施設のみの場合でございますが、一般的に維持管理を伴う公園施設等であれば、山口県と岩国市において、管理協定を締結いたしまして、それに基づいて管理していくようになるかと思います。 ◆21番(松本久次君)  なぜ、この質問をしたかというと、膨大な施設をつくったり、公園をつくったりすると、後の維持管理費が岩国市の負担になるというようなこともあって――公園、それから箱物などをつくるのもいいとは思いますけれども、市の負担にならないような公園等を、ぜひとも県のほうと協議をしていただきたいなというふうに思います。 もう一点でございますけれども、広瀬地区に市が所有している中の谷残土処理場がございますけれども、完成後の活用について――当時、錦町時代に総合スポーツ公園や福祉の里等の構想がありました。しかし、この話をしてからもう30年ぐらい経過しておるわけでございまして、余りにも長期の事業となっておりまして、このダム建設に伴いまして、ダム周辺と一緒に、この残土処理場の整備ということがあろうかと思います。地元の意向等、今後、協議をするお考えはありますか。 ◎錦総合支所長(沖晋也君)  中の谷残土処理場の整備と地元の意向等、今後の整備についてお答えします。 当該残土処理場は、平成8年度に当時の錦町が買収し、山口県に現在貸与しておるということでございます。ダム工事完了時に側溝整備等を行い、用地の返還となる見込みでございます。議員御案内のとおり、当時の錦町では、跡地利用として、錦町総合運動公園建設事業計画といったものを作成しまして、総合運動公園として整備する構想としておりましたが、地域の状況変化等もございますことから、今後は岩国市総合計画、岩国市中山間地域振興基本計画等の振興計画との整合を図りながら、地域の皆様方の御意見も参考にした上で、活用策を検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆21番(松本久次君)  確かに随分昔から、この埋め立てが始まっているわけですけれども、私も時々この残土処理場に行ってみます。膨大な土がその谷に埋められております。この膨大な土が、いわゆる残土処理場の盛り土という状況でありますけれども、この盛り土を見られた地元の方々は、災害の危険がある――流出ですね、豪雨があったときには土砂が一気に流れ出るんじゃないかというような心配をしておられます。下流域の住民の皆さんが安全に安心して住み続けていくためには、安全確保が第一であります。この安全確保について全力で取り組んでいただきたいんです。総合支所長も見られたからおわかりだろうとは思いますけれども、やはり、相当な残土なんです。これが一気に流出してくると、本当にひとたまりもない、そういうような状況になると思います。安全確保についてはいかがでしょうか。 ◎都市建設部長(木邉光志君)  中の谷残土処理場でございますが、山口県に伺いましたところ、こちらの盛り土勾配は盛り土材の土質に見合ったのり面勾配で施工されておりまして、盛り土の厚さは最大で約40メートルあると伺っております。また、残土処理場には防災対策といたしまして、土砂流出防止用の堰堤や雨水対策用の調整池等を整備しておりまして、現行の土木基準にのっとり盛り土造成が行われており、排水溝や暗渠を設置していると伺っております。それによりまして、崩壊等の危険性は極めて少ないというふうには思っておりますが、状況を注視しながら、変化があれば、何らかの対応をお願いしていくとともに、最終的には返還という形になると思いますけれど、返還前には現地の確認を実施いたしまして、改善の必要があれば、適切な対応をしていただきまして、引き受けていきたいというふうに考えております。 ◆21番(松本久次君)  予想できない雨が地域に集中して豪雨になるわけですよね。もともとあそこは谷ですから、今、堰堤とか、何とかというお話がありましたけれども、土で盛ってある部分の最後のところがどうなのかなということを考えて、錦川総合開発事務所のほうにもそういう話をさせていただきましたが、そのときには、「うんうん、そうですね」という返事でございましたので、しっかりと協議をしていただいて、大ごとになったぞということのないように取り組んでいただきたいというふうに思います。 以上で、質問を終わります。 ○議長(桑原敏幸君)  以上で、21番 松本久次君の一般質問を終了いたします。 30番 大西明子さん。 ◆30番(大西明子君)  おはようございます。日本共産党市議団の大西明子です。 非常に強い台風21号は各地に大きな被害をもたらしました。亡くなられた方の御冥福と被災された皆さんにお見舞いを申し上げます。 それでは、通告に基づいて一般質問を行います。 最初に、基地問題についての(1)日米地位協定の見直しについて質問します。 沖縄県は、米軍基地を置くドイツ・イタリアについて、協定文などを調査し、ことし2月には現地でも調査し、日本と比較しています。地位協定の比較を地方自治体が正面から取り組んだのは初めてだそうです。地位協定とは、外国軍――日本でいえば米軍の法的立場をどうするかを取り決めたものです。米軍基地が置かれた世界の国々は、自国民が米軍の活動で被害を受けないよう、可能な限り米国と交渉し、協定改定などを実現しています。ところが、日本政府は1960年の締結以来、一度も日米地位協定を改定せず、改定交渉を求めたことさえありません。しかし、協定の運用を決める日米合同委員会で多くの秘密の取り決めを行い、米軍優先の実態をつくってきました。その結果、日本では、国内法は原則として米軍に適用されず、米軍基地には立ち入れず、訓練や演習も規制できない、警察権なども行使できないという状態が続いてきました。米軍基地に起因する事件・事故が発生するたびに、日米地位協定のさまざまな問題点が指摘されています。ドイツやイタリアにおける米国との協定と日米地位協定の一番の違いは、米軍に対する国内法の適用です。日本では原則として米軍に国内法が適用されず、訓練や演習などに対する規制権限も有していません。一方、ドイツやイタリアでは、自国の法律や規制を米軍にも適用させることで自国の主権を確立させ、米軍の活動をコントロールしています。基地の管理権に関しても日本では米軍の許可なしには基地内に立ち入ることができないのに、ドイツやイタリアでは受け入れ国側の基地内への立入権が明記されています。航空機事故への対応についても、日本では主体的な現場統制や調査ができないのに、ドイツやイタリアでは受け入れ国側が主体的に調査などに関与できる仕組みです。私は、日本でも地位協定を改定し、米軍にも国内法を適用させ、自国の主権を確立し、米軍をコントロールしていく必要があると強く感じますが、市長はどのように思っておられますか。 沖縄県の調査報告書を受けて、全国知事会は7月27日、日米地位協定の抜本的な見直しを全会一致で決議し、航空法や環境法令などの国内法を原則として米軍にも適用させることなどを盛り込んだ提言を政府に提出しました。全国知事会の日米地位協定の見直し決議をどのように受けとめているのか、市長に見解を求めます。 航空機移駐にかかわる安心・安全対策の43項目の要求の中に日米地位協定見直しがありますが、何ら進展していません。市長は具体的にどのような対応をとるのか、お尋ねいたします。 次に、岩国日米協議会での確認事項について質問します。 確認事項には、「飛行について」「着艦訓練について」「エンジンテストについて」「その他」に区分された16の項目があります。この中に、「⑤ 盆の13日から16日は飛ばないようにする」とあります。しかし、ことしの8月16日は市民から苦情があったほど訓練が行われています。担当課の米軍への申し入れ方は、1機も飛ぶなとは言わないが自粛をしてほしいという内容であったように思います。確認事項の文章は、「⑤ 盆の13日から16日は飛ばないようにする」、「⑦ 正月3が日は訓練を行わない」となっています。「盆の13日から16日は飛ばないようにする」という表現は努力目標に過ぎないと思います。⑦の「正月3が日は訓練を行わない」と同じ表現にすべきです。なぜ、違いがあるのか、お尋ねをいたします。 瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワークという市民団体が確認事項の充実を求め、基地騒音被害軽減の緊急提言を岩国市に提出したことを新聞報道で知りました。その提言は、1 米軍の岩国基地航空運用マニュアルに記載された訓練飛行の時間帯を岩国基地との確認事項にすること、2 市街地上空の飛行高度4,000フィートを広島や松山などと同じ6,500フィートに変更すること、3 連続して離陸する戦闘攻撃機の機数を3機までとし、飛行の間隔をあけること、4 岩国基地周辺上空での旋回訓練は行わないこと、5 市独自の監視体制を強化すること、6 岩国基地からの情報を市民へ速やかに周知することとなっています。 これらの提言を今回行われている協議会に反映させ、確認事項の充実を図るよう求めます。確認事項は文書にし、それぞれの責任者の署名を必ず行い、法的根拠のあるものにすべきと考えます。市長の答弁を求めます。 2番目の災害対策についての(1)川西・横山地区の地下に調整池を設置することについて質問します。 7月6日から続いた活発な梅雨前線による記録的な大雨は、西日本各地に土砂崩れや河川の氾濫など、平成に入って最大級の水害をもたらしました。集中豪雨は市内各地に浸水被害をもたらし、岩国徴古館や吉川史料館など数多くの文化財が点在する住宅地の横山地区は、ピーク時に1メートル近くまでつかり、川西地区は川西交差点を中心に一帯が冠水、地区にあるスーパーも床上浸水しました。川西地区のポンプ場のポンプ増設工事は完成が2年後であり、今回の流入量に対応できませんでした。川西・横山地区は同じ場所が何度も浸水しており、住民は、集中豪雨はいつ来るかわからない、市は対策を早くとってほしい。今回の豪雨でも麻里布地区で効果のあった、地下調整池の設置を求める強い要望があります。市としての取り組みについてお尋ねをいたします。 次に、災害対策についての(2)避難所にエアコンと洋式トイレを設置することについて質問します。 異常な猛暑の中で、エアコンのない避難所は暑くて最悪の状態で、また、避難された方の多くは高齢者であったことから、和式トイレの使用が困難なので避難所に洋式トイレを設置してほしいといった要望が出されています。避難所にエアコンと洋式トイレを早急に設置するよう求めます。 最後に、小・中学校の環境整備についての(1)特別教室にエアコンを設置することについて質問します。 記録的な猛暑が続く中、学校で熱中症になる子どもも多く、愛知県豊田市では、校外学習から戻った小学1年生の男児が熱中症で死亡するという、痛ましい事故も起きています。公立小・中学校の普通教室のエアコン設置率は全国平均49.6%です。幸い岩国市は普通教室のエアコン設置率は100%と聞いています。特別教室のエアコン設置率は34.4%と低く、夏休み中はエアコンのない特別教室でクラブ活動が行われており、子どもたちが熱中症の初期症状を訴えていることから、日本共産党市議団は7月27日、早くエアコンを設置してほしいという声を教育委員会に届けました。 文部科学省も、今般の厳しい気象状況を踏まえた安全対策としてエアコン導入の必要性を強調しています。来年夏までの設置を強く求めます。 (2)トイレの洋式化について質問します。 山口県は小・中学校のトイレ洋式化率は26.7%と全国最下位です。その中で岩国市の洋式化率は17.5%です。これは平成28年4月1日現在ですから、少しは改善しているかとは思います。しかし、県下2番目に低い状況です。これからの設置計画はどのようになっているのか、お尋ねいたします。 (3)ブロック塀の安全確認の状況についてお尋ねします。 6月18日、大阪府北部の地震により学校施設のブロックが倒壊し、子どものとうとい命が失われた事故を受けて、市内の学校施設のブロック塀の緊急点検を実施されていますが、その状況についてお尋ねします。 以上、市長の答弁を求めて、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  大西議員御質問の第1点目の基地問題についてお答えいたします。 まず、日米地位協定の見直しについてでございますが、本市におきましては、米軍岩国基地に係る安心・安全対策、いわゆる43項目の要望の中におきまして、日米地位協定に関する要望事項を明記しており、具体的には、事件・事故の被害者への適切な対応として、公務外の事件・事故により被害を受けた場合においても、日米両国政府の責任において補償が受けられるよう措置を講ずることや、被疑者の起訴前の拘禁移転に係る日米地位協定の見直しを求めております。 また、日米地位協定の見直しについては、本市だけの課題ではなく、米軍基地が所在する全ての自治体が抱えている課題でもあることから、これまで、渉外知事会を通じて要望するとともに、私も、機会あるごとに米軍や防衛省・外務省の関係者に直接要望を行っております。 こうした中、本年7月に、全国知事会が、基地の所在しない自治体も含め、全会一致で、日米地位協定の抜本的な見直しを提言されたことは、地方の総意として、非常に重いものがあり、国はしっかりと受けとめるべきだというふうに考えております。 市としましても、全国知事会の決議を踏まえ、渉外知事会を初め、あらゆる機会を通じて、外務省や防衛省に対し、日米地位協定の抜本的な見直しを行うよう、より一層求めてまいります。 次に、(2)岩国日米協議会での確認事項についてでございますが、御承知のように、岩国日米協議会の確認事項は、岩国基地周辺における航空機の飛行等に関する規制等を確認をしたもので、その中には、「盆の13日から16日は飛ばないようにする」との項目もあり、今回、事前に飛行の自粛要請をしたにもかかわらず、飛行が行われたことは、遺憾であります。 これまで、確認事項に違反するような飛行が認められた場合や住民生活に影響を与えるような運用が行われた場合には、その都度、市から米軍に対して必要な要請を行っており、このたびの飛行後に改めて米軍側に、お盆が、多くの日本人にとって、先祖を供養する大切な行事であり、お盆期間の飛行については配慮していただくよう要請をしたところであります。 市としましては、今回、お盆期間中の運用があったものの、市に対し事前に連絡をし、騒音軽減措置をとるなど、米軍側も、確認事項の趣旨を尊重されているものと認識をしております。 来年以降のお盆期間における飛行につきましては、飛行運用や苦情の状況を踏まえ、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。 次に、岩国日米協議会の確認事項の充実についてでございますが、空母艦載機の移駐が完了し、米軍の新たな運用が始まる中、市民の安心・安全と基地の安定運用の両立を図る観点から、米軍と地元自治体相互間の問題解決の場である岩国日米協議会についての関心が高まっていることは承知しております。 岩国日米協議会につきましては、本年5月初旬から、そのあり方や方向性について、国や米軍などと、協議会の開催や確認事項の文言修正なども含め、事務レベルでの協議を行っております。この具体的な内容につきましては、現時点では控えさせていただきますが、議員御提案の御意見も参考にしながら、協議に臨んでまいりたいと考えております。 市としましては、岩国日米協議会の確認事項については、今後のあり方も含め、市と米軍双方が納得のいく形にまとめることができるよう努力をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎都市建設部長(木邉光志君)  第2点目の災害対策についての(1)川西・横山地区の地下に調整池を設置することについてお答えします。 川西・横山地区におきましては、このたびの豪雨では、7月5日から7月7日までの48時間雨量が426.5ミリメートルという、長時間にわたり多量の降雨となったため、錦川の水位が上昇したことで、自然流下による排水ができなくなり、ポンプによる排水処理では対応が追いつかず浸水被害が発生しました。 議員御質問の地下に調整池を設置することについてですが、地区内に一時的に雨水貯留する洪水調整池の設置は、下流側の排水施設への負担を軽減する意味でも、浸水対策のために大変有効な対策の一つでもあります。しかしながら、その整備には、従前の水路や排水施設の経路を精査し、有効な場所に設置する必要があるとともに、広い敷地空間の確保が不可欠となります。その点で、新たな開発行為などにおいては事前の用地確保も可能であり、排水処理計画に採用することも多く見受けられますが、川西地区・横山地区においては、城山の山麓付近まで市街化が進んでおり、広い公有地も存在しない状況にあり、調整池の設置には多くの課題の解決が必要となります。 こうしたことから、現在、川西地区につきましては、平成26年度より調査・検討業務を開始し、ポンプ場の整備による浸水対策を図ることで、平成29年度から平成32年度の4カ年計画で整備工事を進めております。 完成後におきましては、ポンプの排水能力が、毎秒3.28立方メートルから、毎秒12.13立方メートルに向上し、現施設の約4倍の能力を有することになり、浸水被害の軽減が図れるものと考えております。 また、横山地区につきましても、来年度に地区全体の調査を行い、同地区において、地形的、構造的かつ周辺環境的にいかなる内水処理が適しているかを検証いたしまして、ポンプ場の整備も含め、雨水排水計画の検討を行っていきたいと考えております。 いずれにいたしましても、川西・横山地区の浸水対策につきましては、計画的に進めていく所存ですので、よろしくお願いいたします。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  第2点目の災害対策についての(2)避難所にエアコンと洋式トイレを設置することについてお答えします。 現在、岩国市は災害時の緊急避難場所として、市の施設108カ所、山口県の施設5カ所、民間の施設22カ所と供用会館や学校などの既存の公共施設を中心に、計135カ所の施設を指定しています。これらの施設を災害発生時に避難所として使用するに当たって、最近の猛暑なども考慮いたしますと、エアコンなど温度調節の機能は必須であると言わざるを得ません。また近年の各家庭のトイレの洋式化や避難者の多くが高齢者であることを考えますと、避難所のトイレの洋式化も必要であるというふうに考えます。 したがいまして、少なくとも緊急避難場所の市の施設108カ所について、エアコンと洋式トイレの設置に関する調査を実施し、整備されていない場合には、施設管理者と協議し対応を検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。 ◎教育長(守山敏晴君)  第3点目の小・中学校の環境整備についてお答えいたします。 まず、(1)特別教室にエアコンを設置することについてですが、岩国市の小・中学校におきましては、防衛省の交付金を活用して、平成24年度から平成29年度まで普通教室等の空調設備の設置を行い、設置率は小・中学校とも100%となりました。しかしながら、特別教室への整備につきましては、十分に行えておらず、検討課題となっておりましたが、文部科学省から空調設備の設置状況調査が行われるなど、国の空調整備の考え方が示され、岩国市においても整備計画を整えて設置の検討を行ってまいります。 次に、(2)トイレの洋式化についてですが、平成28年11月に文部科学省が発表した公立小中学校施設のトイレの状況調査において、岩国市の小・中学校の洋便器率は17.5%と低い整備率となっておりましたが、その後の玖珂小学校建設事業や平成29年度から行っております小学校低学年トイレセミリフォーム事業などにより、平成30年4月現在では、約24%の洋便器率となっております。 今後の整備につきましても、東小・中学校建設事業やトイレセミリフォーム事業の継続などをもとに、整備を計画的に進めてまいりたいと考えております。 最後に、(3)ブロック塀の安全確認の状況についてでありますけれども、平成30年6月18日に大阪府北部で発生した地震により、学校施設のブロック塀が倒壊した事故を受け、翌19日から岩国市の学校施設等のブロック塀の緊急点検を行った結果、6校の学校施設に早急な対策が必要であると判明いたしました。 状況につきましては、高さが1.2メートルを超えて控え壁のないもの、老朽化が進行しているものなどを確認しております。点検後の措置としましては、注意喚起及び安全対策を行い、6校のうち、2校につきましては、高さが1.2メートルを超えないブロック塀に改善しております。また、残りの4校につきましては、プール附属のシャワー室のブロック壁が該当し、シャワー配管の固定を兼ねて設置しておりますが、高さが高いため、今年度中に対策を講じる予定としております。 教育委員会といたしましては、岩国市の小・中学校の環境整備におきましても、特別教室の空調設備の整備、トイレの洋式化、ブロック塀などの改善を進めていくことを重点課題と捉え、学校施設の長寿命化とも並行しながら取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆30番(大西明子君)  それでは、通告の順序の逆に再質問をさせていただきます。 小・中学校の環境整備について、特別教室にエアコンを設置することについて質問いたします。 整備計画を整えて設置の検討を行うとしていますけれども、平成29年度岩国市教育委員会点検・評価報告書では、現状で「特別教室への空調設備の整備を進めることを検討し、調査及び調整を行っている」というふうに書いてあります。調査内容、調整について、どのような内容なのかお尋ねいたします。 ◎教育次長(山口妙子君)  先ほども教育長が答弁いたしましたように、国からの調査もありましたが、それ以前にも、特別教室のエアコンの設置状況については、どのぐらい特別教室があり、どのぐらい設置されていないかということは調査して、把握しております。 ◆30番(大西明子君)  この猛暑の中で、私のところに、90歳のおばあちゃんが、孫が特別教室でクラブ活動をして、暑くて暑くて大変だと言ってきたと。本当にかわいそうだから、自分の部屋についているクーラーを持っていって、これをつけてくれと言われました。自分は扇風機でいいから、このクーラーを持っていってつけてくれと、こういうふうに言われました。市議団で早速話し合いをし、特別教室にクーラーをつけてほしいという申し入れを教育委員会にいたしました。 今も言われたように、教室のエアコン導入に国も力を入れるということで、これまでは建物の耐震化などに重点を置かれてきたが、猛暑対策は急務であるとして、エアコン導入の必要性を強調している文部科学省は2019年度の概算要求で、2018年度当初予算の3.5倍に当たる約2,400億円を盛り込む方針を22日に決めたというふうに報道されております。教室へのエアコン導入や危険なブロック塀の撤去などを進めるというふうにしております。その中で特に文部科学省が強調しているのは、公立学校が施設の安全対策や環境改善をする場合、自治体に対して費用の3分の1を補助していると。塀の改修、エアコンの導入を希望する全ての学校が施設整備を実現できるよう十分な総額を確保する考えだと。私立学校の施設整備についても拡充する方針だというふうに文部科学省の通達が来ているというふうに思います。そのために検討するということなんですけれども、ぜひ、来年の夏には特別教室にエアコンがつくように努力していただきたいと思いますが、その決意のほどを示していただきたいと思います。 ◎教育次長(山口妙子君)  文部科学省からの学校施設環境改善交付金を活用してという通知を受けまして、教育委員会といたしましても、特別教室への設置を検討しております。今、対象校は38校と試算いたしまして、全体の事業費等の検討をしておりまして、具体的な年次計画までには至っておりませんが、早急に進めていきたいと考えております。 ◆30番(大西明子君)  早急に進めたいということで、ぜひ、努力していただきたいというふうに思います。 次に、トイレの整備計画についてお尋ねします。 答弁でも、小学校低学年トイレセミリフォーム事業によって1校ずつやってこられたというふうに記憶をしていますけれども、この計画について、これから年間何校ぐらい設置できるような状況になるのかお尋ねいたします。 ◎教育次長(山口妙子君)  このトイレセミリフォーム事業は、小学校の低学年が使用するトイレの改修事業になりますが、対象校を16校といたしておりまして、老朽の状況、児童数等を勘案した上で、年に1校から3校進める予定にしております。全体の計画といたしましては、平成39年度までに終了する予定ですが、緊急的にトイレの改修が必要になった場合は、個別にも対応していきたいと考えております。 ◆30番(大西明子君)  年に1校から3校ということで、終わるのが平成39年度――今が平成30年度ですよね。あと9年もかかるということなんですが、文部科学省も全国の洋式化率は43.3%で、これをやっぱり解消していくために、学校施設環境改善交付金を活用して進めていただきたいというのがあるんですけれども、担当課にお聞きしましたら、新しい校舎を建てるとか、そういう大規模なものには使えるけれども、さっき言ったような、古いところを少しずつ直していく場合には使いにくいという話がありました。こういった問題についても、国がトイレの整備をしなさいと言っているんですから、使いにくいなら使いにくいという意見を出して、それにかわる使いやすいものを提起してもらうというのも大事だと思うんです。年に1校から3校進めるということで、平成39年度まで待てというのはなかなか大変なことだと思います。今の小学校1年生が、卒業してもまだできないということです。努力をしていらっしゃると思いますが、この予算確保にも市当局に対しては強く訴えかけて、早急につくっていただきたいと……。答弁では、つくらないとは言われておりませんので、ぜひ、早くつくっていただきたいというふうに、強く求めておきます。 次に、災害対策について質問いたします。 川西地区のポンプの排水能力が約4倍になるというふうに答弁されておりますが、それでどのぐらいの降雨量に対応できるのか……。台風21号では、地域によっては時間雨量80ミリメートルの降雨量があったという報道を目にしました。どのぐらいの降雨量にたえられるのか、お尋ねをいたします。 ◎都市建設部長(木邉光志君)  川西ポンプ場は、現在の既存のポンプに加えまして、新たなポンプを増設する整備工事を進めているところでございます。先ほども御答弁させていただきましたが、整備完了後は、既存のポンプと新たに整備したポンプとを合わせて約4倍の能力となりまして、計画しております10年確率の53ミリメートルに対して、おおむね9割の排水能力を有することとなります。今後におきましては、既存のポンプの更新時に逐次能力向上を図っていき、計画した10年確率をクリアしていきたいと考えております。 ◆30番(大西明子君)  先ほどもありましたが、集中豪雨はいつ来るかわからないという状況ですから、既存のポンプの更新時には能力を上げていくので、もっと能力が上がるということですが、この既存のポンプというのは、あとどのぐらい使えるんでしょうか。 ◎都市建設部長(木邉光志君)  いろいろな耐用年数とか、ポンプの数が随分ございますので、現状においてあと何年というのは、ちょっと申し上げられないところですが、詳細設計をしました結果、川西ポンプ場につきましては、整備用地の広さの関係からもポンプの配置台数に制約があるという状況でございます。また、既存のポンプは今も健全な状態にありますことから、排水能力を9割にする整備をしました後で状況を見まして、今後につきましては更新時にと思っております。しかしながら、このたびもありましたが、今年度については、今あるポンプにプラスして仮設のポンプを設けるような対応をしたということもございます。昨今の異常気象の状況を鑑みますと、今後におきましても、極力その辺も含めて対応していき、地域の方々には安心・安全にという形で対応していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆30番(大西明子君)  今回も仮設のポンプを使って対応したということですが、この仮設のポンプを使って水が一旦引いたから、今度は別の場所にこのポンプが移って、その後に増水して浸水したということで、地元住民の間で、川西は見捨てられたという感情が起きているというのを耳にしています。いろんな状況があるだろうと思うんですけれども、この点についてもしっかり研究をされて、仮設のポンプをどこに移すかということも丁寧にやられたほうが――一生懸命やっているのに、逆に恨まれるということがあってはなりませんので、その辺についても、住民に聞かれてもきちんと説明がつくようにしていただきたいというふうに思います。 横山ポンプ場の整備に向けて、来年度より調査をされるということなんですが、そのスケジュールについては、どのようになっておりますでしょうか。 ◎都市建設部長(木邉光志君)  横山ポンプ場の整備のスケジュールということでございますが、壇上でも御答弁させていただいたように、来年度に調査を実施したいと考えております。この調査を踏まえまして、ポンプ場のみではなく総合的に、横山地区における内水処理をどのようにしていくべきかということを考えていきたいと思います。その整備計画を検討してから、具体的にどういう手順で、どこに、何をというふうなことが決まってまいりますので、現在において詳細なスケジュールというのは、ちょっとお示しできないという状況でございます。 ◆30番(大西明子君)  整備計画の検討のスケジュールはまだ示せないということですが、確認しておきたいと思いますが、横山ポンプ場は整備をする――新しくするという方向でよろしいでしょうか。 ◎都市建設部長(木邉光志君)  大きくは、横山ポンプ場の能力の向上というのは不可欠になってくると考えております。先ほどから御答弁させていただいているように、その規模等々については総合的に判断することになりますが、大きな意味で内水処理の最終施設となりますポンプ場については、もちろん改善は必要になってくるというふうに考えております。 ◆30番(大西明子君)  次に、避難所にエアコンと洋式トイレを設置することについて再質問させていただきます。 市の施設108カ所について調査を実施したいということですが、この調査はいつごろまでに終わるのでしょうか。お尋ねいたします。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  具体的な時期はまだ決めておりませんが、できれば早いうち――年内を目安にやっていきたいと思っております。 ◆30番(大西明子君)  ぜひ年内にはやっていただいて――来年災害が起きるかどうかはわかりませんけれども、それに備えるためにやっていただきたいんですが、なぜ、そう早くと言うかといいますと、文部科学省は、災害時には学校は避難所として使われる。高齢者も使いやすいようにトイレも洋式化する、空調も整備すると……。トイレを洋式化することや災害時の利用も想定した対策を、文部科学省も通達を出していますよね、考え方として。学校が避難所にされているから、その場合には早急に調査して対応してくださいというふうに通達を出していますので、早く調べていただいて、整備できていない学校については早くやっていただくということが大切だというふうに思いますが、ことし中に、暮れまでに、ぜひ、やっていただくように求めます。 それでは、日米地位協定の見直しについて再質問させていただきます。 最初に、岩国日米協議会の確認事項についてですが、お盆についてと正月三が日についての文章の表現が違うということを指摘しました。表現が違うから担当課としても飛ぶなと言えないんじゃないかと思うんです。1機も飛ぶなとは言わないけれども自粛してほしいという内容で報道されておりますので、じゃあ、何機だったらいいのかということになるんですよ。したがって、盆と正月は日本にとって大事な行事であるということを市長も認めておられるんですから、この文章を、きちんと改訂して統一すべきだというふうに思いますが、いかがですか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  今、岩国日米協議会の確認事項の文言としては、お盆については飛ばないようにするというような表現でございます。これは、確かに私は説明としては1機も飛ばないようにするという言い方で申し上げたことはございます。一応、お盆について、今の市の認識ですけれども、市として、お盆の飛行を、任務遂行上で必要不可欠な飛行まで飛ぶなと考えているというわけではございません。そういうことを、1回でも飛ぶことを否定しているものではないというような言葉で申し上げた次第でございます。お盆については、そういう……(「答弁漏れ」と呼ぶ者あり) ○議長(桑原敏幸君)  正月……。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  この確認事項の見直しにつきましては、この間から申し上げているとおり、現在、米軍また国と事務的な協議を行っているところでございます。内容につきましては、市長も先ほど答弁いたしましたとおり、ここでは差し控えたいというふうに思います。 ◆30番(大西明子君)  聞いたことにちゃんと答えていただきたいと思います。確認したことを言ってくれとは言っておりません。確認事項の表現の中にこういう違いがあるから、きちんと精査をして確認事項にしたらどうかと言っているわけです。 それではお聞きしますが、この岩国日米協議会の確認事項、これは確認事項ということですから、岩国市と米軍がそれぞれ署名された同じ文書を持っているんですか。お尋ねいたします。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  この確認事項につきましては、岩国日米協議会の協議会の中での議事録を市が要点整理してまとめたものでございます。したがいまして、覚書とか協定といった形で、双方がサインしたような文書は残ってございません。 ◆30番(大西明子君)  ですから、報道にあるように、法的根拠が曖昧と……。いろんなことを話し合っても――5月5日のフレンドシップデーのときの対応はどうするのかとか、そういったことは話し合っていくけれども、こういったことについて、きちんと双方が認識をしてやっている状況でないから、いろんなことを言っても守られていないとか、市民が不信感を持つんだと思うんですが、これには米軍の市街地上空の飛行高度が4,000フィートとされていることについても、当時のオペレーション部長が、市街地上空の飛行高度は、今までは2,000フィートだったが、4,000フィートに変えるよう措置をとったと。現在この命令書が各部隊に回っているので、回覧が済んだら効力を発揮すると、こういう内容なんですよね、報道は。これが事実かどうか、4,000フィートにするということが確認されて、双方がそういうふうに文書にしていないと、やっぱり守っているとか、守っていないとかということになるわけですよ。したがって、こういう文書があるのかどうかということを聞きたいわけです。現在交渉しているわけですから、こういった問題については具体的に、この確認書は、そういう意味では本当に力になるように――せっかく話し合いをして、お互いがこういうふうにしましょうよと……。市長の答弁も、米軍とお互いが話し合って、よい方向で合意したいと言っているんですよ。よい方向で合意したら、それをきちんとまとめて、文書にして、お互いが――まあ、それは条例とかじゃなくても、こういうことでやりますよということを確認し合うということは大事なことだと思うんですが、そういう作業をぜひこの機会にやるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  議員の今の御指摘につきましては、我々も十分承知してございます。お盆の飛行も含めて市の認識と米軍の認識が必ずしも同じじゃない部分もあったこと、これは私どもとしても認めざるを得ない部分がございます。そういったことからも、現在見直しの協議を行っておるところでございまして、双方が納得いく形で協議をまとめ――今の時点では内容につきましては詳細を申し上げることはできませんけれども、そういった御指摘を踏まえながら、今、私どもとしては協議を行っているところでございます。 ◆30番(大西明子君)  協議の中身については申し上げることができないということですけれども、先ほど壇上からも言いましたけれども、確認事項の充実をしてほしいという要望が出ているわけですから、今、協議を再開しているときに、何らか、双方が納得いくような形で取り入れられるものは取り入れてほしいというふうに思うんです。 実は、平成15年5月21日に基地滑走路北側で、海上自衛隊のU-36Aが離着陸訓練をやっておったときに、横転して炎上し、乗員4名が死亡した事故がありましたね。そのとき、後の協議の中で、米軍機との離陸の間隔が短かったために、この間隔をあけようということが話されたというのが記憶に――担当部長はその当時はいらっしゃいませんでしたので、基地と岩国をめくってみて、私も記者の方たちとかと、そういうことがあったということを確認したんです。こういう状況もあるわけですから、連続して離陸する航空機を3機までに控えてほしいとか、その間隔をあけてほしいとかというのは、やはり、騒音も軽減するし、事故も防げるということで、私は、米軍と話し合いはできる内容だというふうに思うんですが、当局としてはどのように思われますか。 ◎審議監(村田光洋君)  今、U-36Aの事故のことを言われましたけれど、私の記憶では、米軍機ではなくて、US-1か何かの後にU-36Aが離陸して、後方乱気流に巻き込まれて墜落したというふうに承知しております。 それから、小型機と大型機のそういった間隔につきましては、当時のその事故を踏まえまして、国土交通省でマニュアルをつくって、それを適用しているというふうに承知をしております。 それから、岩国日米協議会の確認事項について、先ほど部長も答弁しましたが、いろんなことがあり、いろんな御意見も伺っておりますので、包括的に双方が納得のいく形、また、市民の理解が少しでも得られるように努力してまいりたいというふうに考えております。 ◆30番(大西明子君)  この提言の中に基地の監視員についても要望が出ております。何か、当初予算で1人増員する計画があるというふうに述べておりますけれども、今あるような監視員の状況では――私もうるさいときに電話しますが、どういう状況なのかと聞いてもわかりませんと言われます。やはり、昼間であれば、聞かれたらちゃんと答えられる部署が必要だというふうに思うんです。ですから、市がきちんと常駐する人を確保して、そして、空母艦載機が移駐したんですから、やはりそれに合わせてそういう体制も強めるべきだということを、私は強く求めておきます。 私は、6月定例会で苦情電話のフリーダイヤル化について質問しました。答弁では、検討したいということでしたが、検討の結果をお尋ねいたします。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  この苦情電話のフリーダイヤル化につきましては、6月定例会でも御質問いただきまして、そのときに前向きに検討したいということを申し上げた次第でございます。定例会後から庁内の関係部署とも調整してまいりまして、現在、基地政策課で受け付けております苦情電話につきましては、今、フリーダイヤル化を実施する方向で準備を進めている状況でございます。この実施の時期につきましては、年内を目標にしているところで、今、電話番号とか、回線等につきましても何回線にするかといったことも調整中でございます。具体的な時期につきましては、詳細が決まりましたら、適切に広報してまいりたいというふうに考えてございますが、年内をめどに、今準備を進めているというふうに御理解いただければと思います。 ◆30番(大西明子君)  年内には対応したいということですので、早くしてほしいという気はありますが、ぜひ、よろしくお願いいたします。 それでは、日米地位協定の見直しについて再質問させていただきます。 こういう報告書があります。ドイツのラムシュタイン空軍基地では、ここはドイツなので、米軍訓練はドイツのルールに従った訓練であることが条件だと。米軍機事故の際もドイツが調査の権限を持つと。それから騒音に関してもドイツの法律が適用されると。そして、ラムシュタイン基地にはドイツの警察官が2名常駐していると。それから、イタリアのアヴィアーノ空軍基地について、ランベルト・ディーニ元首相が、米軍は全ての活動について、米軍基地にいるイタリア軍司令官の許可が必要だと。米軍の言うことを聞いているお友達は日本だけだと、こういうふうに話したということです。また、レオナルド・トリカリコ元NATO第5戦術空軍司令官は、米軍の活動にはイタリア国会でつくった法律を全て適用させる。イタリアの米軍基地には必ずイタリア軍の司令官がいる、こういう調査内容が発表されました。7月27日の故翁長沖縄県知事の最後の記者会見になりますが、日本国憲法の上に日米地位協定がある。日本はアメリカに何も言えないと、最後になったこの記者会見で声を振り絞って訴えたというふうに新聞報道されております。市長は全国知事会の決議を踏まえ、渉外知事会を初め、あらゆる機会を通じて外務省・防衛省に対し日米地位協定の抜本的な見直しを行うよう、より一層求めてまいりたいと答弁されております。しかし、市長は、こんな不平等な協定を押しつける米軍基地との共存を施政方針に掲げています。基地との共存は米軍の言いなりで基地に依存し、見返りを求める姿勢ではないでしょうか。その見返りの一方で市民の負担は大きくなる。これは騒音や危険の負担が大きくなるということです。暮らしにくい状況になっているのが現実ではないでしょうか。基地との共存ではなく、安心・安全のまちづくりのために、本気で日米地位協定の見直しのために全力を尽くしてもらいたいと、強く市長に求めますが、市長の日米地位協定の見直しに対する決意をお聞かせください。 ◎市長(福田良彦君)  渉外知事会とは、今、米軍施設の所在している都道府県が日本には15ございますが、この都道府県が今、そのような協議会をつくっています。これがいわゆる渉外知事会でありますが、先ほど大西議員が言われたように、今回、全国知事会のほうが基地の所在しない知事も含めて日米地位協定の抜本的な見直しを提言されたと。これは非常に重いものだというふうに私も思っておりますし、ぜひ、国はこれをしっかりと受けとめるべきだというふうに考えております。あわせて、私も市長として、これまでもあらゆる機会を通じて防衛省なり外務省、また、米軍のほうに同じ趣旨で要望活動等もしてきております。そういったこともしっかりやりながら、片や、実際、この岩国には海上自衛隊と米軍が所在しております。この中で、さまざまな分野において、これをまちづくりに生かすべき分野もあるのではなかろうかと。例えば、英語教育の推進とか、防災や国際交流といった面については、しっかりとしたいろんな施策を提言しながら、まちづくりの面で基地との共存ということを掲げておりますので、何といいますか、全ての面で基地を受け入れるのではなくて、いいところはしっかりとまちづくりに生かす。片や、安心・安全対策については、言うべきことはしっかりと言うことによって、市民の平穏な生活も守っていく。そういったことに取り組んでいく中で市民の理解を得ながら、まちづくりを進めていきたいといった趣旨で基地との共存を掲げておりますので、決して、安心・安全対策のほうをないがしろにするという意味ではありませんので、その辺だけは御理解いただきたいというふうに思っております。 ◆30番(大西明子君)  私も、米国を初め諸外国と本当に平和的に友好条約を結んで交流を深めるということは大賛成です。その点は市長とも同じだというふうに思いますが、問題は今、最後に言われた安心・安全を守るために、岩国市民の生命・財産を守るために、福田市長がどういう対応をするのかということを、今、空母艦載機が移駐して、市民はすごく注目しています。ですから、今回、日米地位協定の見直しが全国知事会で全会一致で決議されたことを受けて、基地のある町の市長として、しっかりとそういう力を発揮していただきたいというのが質問の趣旨です。 以上で終わります。 ○議長(桑原敏幸君)  以上で、30番 大西明子さんの一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午前11時53分 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後 1時    再開 ○副議長(藤本泰也君)  休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 26番 山本辰哉君。 ◆26番(山本辰哉君)  皆さん、こんにちは。清風クラブの山本辰哉でございます。 まずは、さきの西日本豪雨において、とうとい命を亡くされた方々に対し、謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。 今回の豪雨は50年に一度と言われているようですが、確かにこのたびの被害は、私自身も初めて目にするようなすさまじいものでした。近年耳にする数十年に一度といった現象は、今や日本中で頻発しております。 そこで、今回は、いま一度、防災の原点に立ち返り、現在の地球環境に見合った生命を守るための考え方と、もう一点は、地域医療体制についてお伺いしたいと思います。 それでは、通告に従い質問いたします。 1、これからの防災に対する考え方と警戒避難体制の充実について、(1)災害を想定した事前整備に充てる予算枠についてお伺いします。 冒頭に申し上げました、このたびの西日本を中心に甚大な被害をもたらした記録的な豪雨は、各地に大きな爪跡を残し、約2カ月が経過した現在も急ピッチで復旧工事が行われているところでございます。 私が住んでおります南河内地区においても、53歳の私ですが、初めて目にするような光景でした。被災現場の確認のため、南河内出張所の藤本所長に同行させていただきましたが、少なくとも50カ所を超える被災箇所が確認され、改めて本災害のすさまじさを目の当たりにいたしました。その中には、事前に整備していればここまでの被害は出なかったのではないかと思える箇所も多く、大変もどかしく、歯がゆい思いをいたしました。 そこでお伺いいたします。こういった災害を食いとめるための事前事業、いわゆる災害を想定した投資というものがどれぐらいの規模で可能なのか、言いかえれば、事前整備に費やす予算がどの程度計上できるものなのか、あるいは、想定での予算取りは考えていないのかなど、現状をお答えください。 続きまして、(2)災害時の情報伝達と警戒避難体制の整備について、ア、西日本豪雨で発信された防災ラジオ情報の改善すべき点についてお伺いいたします。 今回の豪雨を受け、皆様から、防災ラジオの情報が大変役に立った、つけてもらって本当によかったという声をたくさんいただきました。今回の豪雨で、私自身もこの防災ラジオは市民への情報伝達に欠かせないツールだと確信したところでございます。 ただ、一方で、「ありゃあ、ちょっといけんど」といった、少々お叱りの言葉も頂戴いたしました。例えば、意味がわからないままスピーカーから鳴り続けるサイレンや、話し方による聞きづらさ、さらには、「アイ・キャンチャンネルをごらんください」と放送されたまま何も表示されないなど、早急に改善しなければならない脆弱な部分も見えてまいりました。 これらを含め、皆様からいただいた声や、現在市として考えている改善点等をお示しください。 続きまして、イ、生命を守る避難所のあるべき姿についてお伺いいたします。 このたびの豪雨災害から、生命を守るためには一体何が重要なのか。私はこの解を求め、現在、環境安全に従事されている皆さんと、生命を守る行動についてディスカッションをいたしました。その中で、設備の日常点検や危険箇所の抽出、いわゆるリスクアセスメントの重要性を含め、災害から命を守るための大変貴重な御意見をいただいたところでございます。そして、それらを総合的に踏まえ、たどり着いた答えとは、何をおいても早目に安全な場所に逃げること、現状、これにまさるものはないという結論に至りました。もちろん設備の日常点検等の管理は必要不可欠でございます。しかしながら、まずは安全な場所に整備された頑丈で管理の行き届いた避難所が必要ではないでしょうか。 そこでお伺いいたします。現在の避難所を全体的に見て、場所・強度・管理の面で、その水準を満たしていると判断される避難所はどれだけ存在するのかお答えください。 次に、地域医療体制について、(1)今後のへき地医療体制についてお伺いします。 本市に限らず多くの自治体においても、おおむね人口の集中する地域に医療機関は立地しており、医療サービスの地域偏在性が非常に高くなっております。地域によっては、特に高齢者の方から、医療施設までの距離が遠く交通の便も悪いため、十分な医療を受けられないといったお話を多くいただきます。 これらを考えると、今後重要なのがへき地医療体制ではないでしょうか。医療分野におけるへき地とは、「交通条件及び自然的、経済的、社会的条件に恵まれない山間地、離島その他の地域のうち、医療の確保が困難である地域をいう」と定義されております。そのうち医師のいない無医地区とは、医療機関のない地域で、おおむね半径4キロメートルの区域内に、人口50人以上が居住している地域で、かつ、容易に医療機関を利用できない地区と定義されております。 そこで、本市において、へき地及び医師のいない無医地区の定義に該当し、かつ、へき地医療体制が整備されていない地域が現在どれだけ存在するのか、今後の見通しも含めてお答えください。 以上で、壇上からの質問といたします。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、山本議員御質問の第1点目のこれからの防災に対する考え方と警戒避難体制の充実についてお答えをいたします。 まず、災害を想定した事前整備に充てる予算枠についてでございますが、近年は、都市部において土地の利用形態の変化による保水能力の低下に加え、地球温暖化による異常気象に伴い、いわゆるゲリラ豪雨が多発しており、このたびの平成30年7月豪雨においても市内各所で土砂崩れや浸水被害等が発生いたしました。 議員御指摘の災害を食いとめるための主な事前事業といたしましては、土砂災害対策では山口県が実施している、急傾斜地崩壊対策事業があり、本市が実施している浸水対策事業としては、川西ポンプ場整備事業や室の木地区浸水対策事業などがあります。 まず、川西ポンプ場整備事業の実施期間でありますが、平成26年度から平成32年度までの7カ年で総事業費は約16億円を、また、室の木地区浸水対策事業の実施期間は平成26年度から平成30年度までの5カ年で総事業費は約11億円を見込んでおります。 いずれの事業についても、市民の皆様が安心・安全に暮らすことができるまちづくりを目指し、事業の完了に向けて努力をしているところであります。 今後においても、近年の異常気象を踏まえ、防災対策の重要性が高まっていることを十分に認識しつつ、ソフトとハードの両面から、必要な対策や事業について積極的に取り組んでまいります。 次に、災害時の情報伝達と警戒避難体制の整備についてのうち、西日本豪雨で発信された防災ラジオ情報の改善すべき点についてでございますが、このたびの豪雨におきましては、7月6日から7日の朝方までにかけまして、土砂災害や河川氾濫などに対する避難指示等の避難情報を合計9回発令するとともに、その都度、防災行政無線の屋外スピーカーや屋内受信機を使用して、地域防災計画で定められた避難勧告や避難指示のサイレン音を放送したところであります。 今回のサイレンパターンは、防災行政無線屋外スピーカーを市内全域に整備し、ケーブルラジオの設置申請を岩国及び由宇地域で募集してから、初めての放送であったため、本年7月1日に各自治会において、回覧でお知らせをしていたものの、サイレンの意味がよくわからなかった方が多くおられたものというふうに考えております。 今後においては、避難情報が端的に伝達できるよう改良を行い、周知を図っていきたいと考えております。その具体的な取り組みとしては、今月から第2、第4木曜日の午後2時に防災行政無線の試験放送を定期的に行うとともに、サイレンでの放送のより詳細な内容を屋内のケーブルラジオでお伝えをするほか、市民メール、市民ニュースアプリ、テレビのテロップを活用するなど、文字情報でもお知らせをしてまいります。 また、コンピューター音声につきましては、放送する人の違いによる聞き取りづらさを解消するため、平成29年度に音声合成のシステムを導入し、今回初めて使用したところであります。 しかしながら、地名のアクセントなどが正確ではなく、聞き取りにくい放送もありましたので、今後においては、アクセントを修正し、テストを繰り返すなど、改良を重ねるとともに、今後の災害に備え、あらかじめ録音できる放送内容につきましては人の声で作成するなどして、課題の解消に努めてまいります。 そのほか、ケーブルラジオの課題としては、一度聞き逃してしまうと放送されたことがわからない、ケーブルがあるため、持ち運びができない、音声が発生するため、深夜帯に注意情報や解除情報が放送しづらい、ケーブルテレビ網が全て有線のため、災害時に断線する可能性があり、無線と比較すると脆弱な部分がある、合併前の旧市町村単位でしか放送することができないなどがあります。 今後においては、ケーブルラジオを継続して活用しながら、これらの課題を解消できるよう各種情報端末機器の導入も検討し、防災情報の伝達率の向上に努めてまいります。 なお、ケーブルラジオから「アイ・キャンチャンネルをごらんください」と放送されたにもかかわらず、アイ・キャンのチャンネル画面に何も表示がされなかったことにつきましては、この情報提供サービスが株式会社アイ・キャンが独自に実施しているサービスであることから、このたびの状況について株式会社アイ・キャンに申し伝え、再発防止を要請したところであります。 最後に、生命を守る避難所のあるべき姿についてでございますが、現在、本市では、災害時の緊急避難場所として、市の施設108カ所、山口県の施設5カ所、民間施設22カ所、合わせて135カ所の施設を指定しております。 これらの避難所は、既存の公共施設や民間施設を利用したものであり、場所や構造、建設の年数が異なることから、洪水、土砂崩れ、地震、津波、高潮といった災害の種類のほか、地域の地形、地質、気象条件等を考慮した場合には、全ての避難所が、さまざまな災害に対応することは困難な状況にあります。 避難所を開設する際には、避難情報を発令した対象地域の周辺で、その発生する災害に適した避難所を開設することになりますが、135カ所の避難所のうち、全ての災害に適した施設は34カ所のみとなっております。 市としましては、発生する災害に応じて適切な避難所を開設するとともに、今後も災害から身を守っていただけるよう適切な避難情報を発令し、しっかり伝えていけるよう努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎地域医療担当部長(山田真也君)  第2点目の地域医療体制についての(1)今後のへき地医療体制についてお答えいたします。 全国的な地域偏在、診療科偏在に伴う地方の医師不足につきましては、本市におきましても例外ではなく、特に、へき地においては深刻な状況となっており、医師の確保が喫緊の課題となっております。 山口県におきましては、平成30年3月に策定した第7次山口県保健医療計画の中で、過疎地域自立促進特別措置法、離島振興法及び山村振興法に基づく各指定地域をへき地医療対策の対象地域としており、本市におきましては、北河内地区、南河内地区、師木野地区、柱島地区、周東町川越地区、本郷町、錦町、美川町、美和町がその対象となっております。 そのうち、厚生労働省が規定した、へき地保健医療対策等実施要綱による無医地区につきましては、現在のところ、錦町府谷地区の1カ所となっており、無医地区に準じた医療の確保が必要な地区とされる準無医地区につきましては、柱島地区と錦町野谷地区の2カ所となっております。 議員御案内のとおり、本市のへき地におきましても、医療機関が少ないなど医療の確保が困難な状況となっておりますが、市内の医師の高齢化や医師数が減少していることから、全市域を対象とした医師の確保対策が必要であると認識いたしております。 市といたしましては、へき地に設置しております錦中央病院、美和病院の両市立病院や市立診療所の体制を堅持していくとともに、今後も山口県や医師会、へき地医療拠点病院であります独立行政法人国立病院機構岩国医療センター等の関係機関と緊密に連携を図り、医師確保につながる新たな施策などを検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆26番(山本辰哉君)  それでは、通告した順に再質問させていただきたいと思います。 まずは、災害を想定した事前整備の許容額ということですが、先ほどの御答弁で、本市が実施している浸水対策事業に、これは先ほど大西議員も言われていました川西ポンプ場整備事業や、室の木地区の浸水対策事業等があり、そのうち、川西ポンプ場の整備は7年間で総事業費約16億円、また、室の木地区浸水対策事業は5年間で総事業費約11億円を見込んでいるという内容でございました。 これが予定どおり完了した際には、例えばですが、他の防災事業に同様の予算が充てられるのかということですが、これは予算のことになるので総合政策部長ですか、お伺いします。 ◎総合政策部長(村上昇君)  予算編成の手法という観点からお答えしたいと思います。 現在実施しております浸水対策事業が完了した場合におきまして、その予算が枠として充当できるかどうかという御質問かと思いますが、予算編成に当たりましては、投資政策的事業につきましては、予算枠全体というところの財フレという中で予算組みをしております。財フレですので、一定の制約というのが当然発生してくるわけでございますが、議員御質問の浸水対策分野といった予算枠という考え方というものはございません。ただし、事業によっては、一定の年数はかかるかとは思いますけれど、必要になる場合というのがあろうかと思いますが、これまでまちづくり実施計画等で採択しておりますように、重要度や緊急度等を十分に精査した上で、市として必要な事業については取り組んでまいりたいというところでございます。 ◆26番(山本辰哉君)  そうですよね。その枠がないのは私もわかります。やっぱり、近年発生するような甚大な自然災害を事前に想定して整備していくことがどれだけ大変であるかはよくわかっております。ただ、改めて自然という時空間スケールの大きさに脅威を感じるとともに、一人一人が命を守る行動を考えていく。これが非常に重要になってくると思うんですが、そのために災害が起こったときの情報伝達と警戒避難体制の整備が占めるウエートというのは、かなり高いものではないかと私は思っております。これらを踏まえ、情報伝達や避難といった観点から、もう一度再質問させていただきたいと思います。 まずは、ケーブルラジオについてですが、私が申し上げているサイレンというのは、屋外スピーカーではなくて、今回はあくまでもケーブルラジオから流れてくるサイレンのことを申し上げているところでございます。 先ほどサイレンについて、事前にその意味を回覧でお知らせしたということでございますが、緊急時にそれがどういったことなのか、なかなか思い出せるものではございません。御答弁にありましたように、今後は避難情報を端的に伝達できるように改良に努めるということでしたが、例えば、サイレンの切れ目に、「これは避難勧告発令です」という語句を入れていくとか、そうやって、明確に情報を伝えていくことというのがそんなに難しいものなんでしょうか、その辺をお伺いいたします。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  まず、屋外スピーカーで流しておりますサイレンと屋内のケーブルラジオで流しておりますサイレンは、防災行政無線の放送卓から一つの音源として屋外のスピーカーとケーブルラジオに同時に流しておりますので、一つの話となるんですが、申しわけございませんけれど、今の防災行政無線の装置は、サイレン音の音源と人間がしゃべる音声の音源との扱いが、全く異なる別の仕様で扱われておりますので、サイレン放送と音声放送を織り込んで流すということができない仕様になっております。また、あわせて申し上げますと、サイレン放送が終了した後、何本かの屋外スピーカーに、正しく動作したかどうかをチェックするためのプログラムが流れまして、その本数にもよるんですけれど、それに数分程度要し、それが終了して初めて、人間が生でしゃべったり、あらかじめ録音した音声放送を流すという仕組みになっておりますので、これらを織りまぜてスムーズに放送するということが、今の仕様ではできないということになっておりますので、御理解をお願いいたします。 ◆26番(山本辰哉君)  そうですか。お値段も結構高い物だったような気がするんですけれどね。今の時代に、2つのファイルを複合して流すこととかは、簡単にできると私は思っていたんですが……。これ、もう一度お聞きしますが、本当にできないんですか。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  はい、済みません。山本議員と同じように、私も思っておった側の人間なんですけれど、いろいろ調べるうちに、そういった仕様であるということがわかってまいりました。ちなみに、そういう機能が改善されるかどうかは別として、防災行政無線の放送卓を新しく買いかえれば、5,000万円以上はかかるものというふうに思っております。ただ、できない、できないだけではだめなので、ちょっと具体的な方法は今申し上げる段階ではないんですが、私も何とかならないものかというふうに考えていまして、壇上でも市長が申し上げましたように、9月の第2、第4木曜日の午後2時に、何とかいろいろ考えた方法で試験放送を行ってみようと思っており、改善に取り組んでいきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆26番(山本辰哉君)  ぜひともお願いします。恐らく、考えてみればうまくいく方法が何かあるんじゃないかと思うんです。そんなに安い物ではないので――ちょっと、いろいろ考えていただきたいと思います。 先ほど壇上から、ケーブルラジオから流れる音声がコンピューター音声だからなのか、非常に聞きづらいといった質問をいたしましたが、あの音声は、全てがコンピューター音声だったということではないですよね。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  最初、7月6日より前には、合成音声――コンピューターでつくった音声も流したことはあるんですが、地名のアクセント等が非常に不評でしたので、7月6日から7日の豪雨時は全て人間の音声で流しております。 ◆26番(山本辰哉君)  不評であったということなんですが、もしかしたら、先日あった熊出没の放送分ですか。これ、ゆっくり過ぎて聞き取れないといった問い合わせがありました。私も聞いていたんですけれど、くー、まー、のー、というぐらいだったんですよ。何を言っているのかなと思ったら、熊出没のことだったんですよね。やっぱりそういった点は、早急な改善が必要だと思うんですが、それは可能でしょうか。 ◎農林水産担当部長(村田武彦君)  熊の出没のお知らせについてでございます。現在、熊の出没に関する注意喚起につきましては、その都度必要な情報を職員の声で録音し、屋外スピーカー及びケーブルラジオに放送しております。その録音に当たっては、今は屋外スピーカーで聞き取りやすいようにということで、かなりゆっくりとした口調で行っておるという状況でございます。ただ、このたび、議員の御指摘もございましたが、現在の録音では、ケーブルラジオではかえって聞き取りにくいという御指摘をいただきましたので、今後は屋外スピーカー、ケーブルラジオ用と、それぞれに録音して放送することといたしまして、必要な情報が市民の皆様に明確に伝わるように努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ◆26番(山本辰哉君)  確かに部長が言われるように、屋外スピーカーとケーブルラジオの両方を満たすような放送というのは、なかなか難しいのかなと思います。外では、いろいろとこだましたりしますから、その辺を考慮されているのだろうと思うんですが、ただ、今回の災害を受けて、皆さんが一番聞きやすかったのは、聞こうと思って一生懸命待っていたというのは、やっぱりケーブルラジオなんですよね。雨が降ると外で何を言っているのか聞こえないというのは間違いないようです。皆さん、ラジオの近くへ行って、耳を澄まして聞いていたという方がたくさんいらっしゃいました。そして、今後のケーブルラジオの課題なんですが、いろいろとお示しいただきましたが、その中で、音声放送のみのため、一度聞き逃してしまうと履歴が残っていないため放送されたことがわからないといった御意見をいただいたようでございます。確かにこの件については、私も何とか改善できないものかなと考えておりました。そこで、市民メールやアイ・キャン放送のテロップというのは非常に有効だと思うんですが、何とか、放送の履歴が確認できるようなシステムにはならないものでしょうか。お伺いいたします。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  確かにケーブルラジオは音声のみのため、一度放送を聞き逃してしまうと、何が放送されたかというのはなかなか確認できないということもありますので、29-1111に電話をかけていただくと、24時間以内の放送は地域ごとに確認ができます。ほかにも、避難指示とかの大事な情報については、当然、市民メールや市民ニュースアプリ、あるいは、同時にアイ・キャンのテロップ等にも流してまいりますので、その確認という意味では、文字情報が残る媒体での確認ができます。いずれにしても、大事な情報については多重化をして、しっかり知らせていきたいと思いますので、よろしくお願いします。 ◆26番(山本辰哉君)  危機管理監が言われました、アイ・キャンのテロップに残るということなんですが、私が知る限りでは、たしか時間制限で3分ぐらいたつと消える分のことですか。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  アイ・キャンのテロップへの表示というのは、市が市民メールで流した情報の文字部分を切り取りまして、アイ・キャンのテロップに自動的に表示するようになっておりますので、このあたりの時間の関係で不都合があれば、アイ・キャンに伝えてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。 ◆26番(山本辰哉君)  私が知っている限りでは、多分、二、三分で切れてしまうんですよ。それを、そのチャンネルを見れば、履歴としてずっと残っているというシステムになれば――これは非常にお金がかかるんでしょうね。でも、やっぱりそういうところは考えていかなければいけないんじゃないかなと思っているところなんですよ。いずれにしても、何らかの方法で改善――現状が把握できるシステムの構築というのは、やっぱり不可欠だと思います。今はネット社会ですので、全てネット上で動いているものも多いですが、可能であれば、ネットに全く依存しない方法も考えていただきたいと思います。まあ、アイ・キャン放送のテロップも含め、そういったことなんでしょうけれど……。他の媒体というのは何かお考えですか。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  特に目新しい媒体というのはないんですけれど、先ほどから情報伝達多重化というふうに申し上げておりますように、インターネット回線以外では、市民メールや市民ニュースアプリというのは主に携帯電話網ということになると思います。アイ・キャンのテロップ放送については、株式会社アイ・キャンのケーブルテレビ網を使用しているということになると思いますので、いろんな意味で、これからも多重化を考えて、情報伝達の漏れがないように努めてまいりたいと思います。よろしくお願いします。 ◆26番(山本辰哉君)  要望ばかりで大変恐縮なんですけれど、これは、必要なことと思います。自分の安全を自分で守るための最低限のインフラだと私は思います。しっかり整備していただきたいと思っているところです。 それと、「アイ・キャンチャンネルをごらんください」という放送についてなんですが、この放送については、アイ・キャンの加入者のみに有効な手段であると思うんです。加入されてない人には全く要らないものです。これが鳴るというのは――皆さん同じように鳴るのかもしれませんが、先日、私が担当課でお伺いしましたら、ケーブルラジオの背面のスイッチでオン・オフが可能であるということでした。このあたりをもう少しわかりやすく教えていただけますか。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  「アイ・キャンチャンネルをごらんください」という情報提供サービスは、市長も壇上から申し上げておりますように、株式会社アイ・キャンが独自に提供されておるものの一つでございます。いろんな交通情報とか、停電情報、防災情報等を流していらっしゃるということなんですけれど、ケーブルラジオの背面に、「アイ・キャンチャンネルをごらんください」という音声を流すか流さないかを切りかえるためのスイッチがありまして、それをオンにしておくと流れる、オフにしておくと流れないということになっておりますので、市としても、当然、アイ・キャンのケーブルテレビに加入されていない世帯にケーブルラジオを設置するときは最初からオフにして設置してくださいと、また加入されている方については、オンにしますか、オフにしますかという説明をちゃんとした上で御了解をいただいてから、スイッチの設定をしてくださいというふうに、アイ・キャンにお願いをしておるところでございます。 ◆26番(山本辰哉君)  そういうことであれば、私も、今度問い合わせがあったら、それをしっかり伝えてまいりたいと思います。 次に、生命を守る避難所のあるべき姿について再質問させていただきます。 災害種別に適した避難所を開設することとなるとの答弁がございましたが、そういった中で、現在の気象条件であれば、洪水や土砂災害に関しては、これは結構ピンポイントで予測が可能であると思っております。 そこで、先ほど言われました135カ所の避難所のうち、洪水と土砂災害に適応した避難所がどれだけあって、どれだけ収容できるのか教えてください。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  135カ所の避難所のうち、洪水と土砂災害の両方に適応した避難所は49カ所でございまして、収容できる人数といたしましては、2万1,990人となっております。 ◆26番(山本辰哉君)  2万人強というところですね。災害から生命を守るために最も重要なことは、安全な場所に整備され、頑丈で管理の行き届いた避難所に、早目に逃げること、これにまさるものはございませんということを先ほど壇上からも申し上げました。既存の施設が災害時に避難所となるというのが今のスタイルだと思うんですが、これは今までのスタイルで、今からの気象条件に対応しようと思えば、単位地区ごとに頑丈な避難所を、あくまでも最初から避難所目的で整備する――ほかの施設を避難所にするのではなく、最初から避難所としてつくること、これが大切だろうと思います。そして、あくまでも避難所目的で建設して、通常時は多目的な用途に利用する。こういった発想がこれからの災害に対しては必要なんではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  おっしゃいますように、確かにあらゆる災害に対して、安全な避難所が十分にあるのが一番いいというふうに考えます。ただ、地域によっては、昨今たくさん災害が発生しておるということもございまして、避難所目的を実質的に重視するということで施設を建設する場合もあるかもしれませんが、全ての地域にそのように避難所を整備するということは、多額の予算も必要となりますので、なかなか難しいのではないかというふうに考えております。現在のところ、新しく建設したり、更新したりする公共施設の整備などにおいて、防災面の機能を充実させて避難所として機能するように整備をしていくといった考えで進めておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆26番(山本辰哉君)  今後の避難所のあるべき姿ということですが、私はやはり、まずは本当に頑丈で、多くの人が数日そこに滞在できるような避難所がどれだけ大切かということが、いろいろ皆さんとディスカッションしてわかったところですが、やはり、当然多くのお金が要ります。多くのお金は要るんですけれど、冒頭に申し上げましたように、数多くのいろんなところを整備していく。多分これは、非常にお金が要ることだろうと思います。やはり、いろんなところを整備していくのも大切ですが、まずは安全なところに逃げて、そこで多少時間が持てるような、そういったところをつくっていきましょうというのがこれからの新しい発想になると思うんですが、その辺をどうか考えておいていただきたいと思っているところでございます。 それでは、次は、地域医療について再質問させていただきます。 まずは、本市に限らず、全国的、地球規模で見ても、現在、医師不足というものは非常に問題となっております。先日、ニューヨーク大学が、医学部の学生全員を対象に、年間約600万円の学費を全額支援すると発表いたしました。同大学の関係者の皆さんは、「私たちは奨学金を道義的な義務だと考えました」と、すばらしい言葉を述べておられます。非常に高額な授業料で医師になることを断念せざるを得ない優秀な人材を救った――私立の大学、いわば、私大のなした危機管理というんでしょうか。これはすばらしいなと思いましたが、岩国市において、この医師不足というのは深刻な問題だろうと思います。そこで本市における医師数の推移と現状、そして、医師不足に対する今後の目標等をお聞かせください。 ◎地域医療担当部長(山田真也君)  議員お尋ねの医師数の推移と現状、並びに今後の目標ということでございますが、医師数の推移につきましては、山口県保健統計年報の数字で申し上げますと、これは2年ごとになりますけれども、平成24年12月末が311人、平成26年12月末が316人、それから直近の平成28年12月末が294人ということで、平成26年12月末と比較いたしますと、22人減少しておるというところでございます。 また、本市の人口10万人単位の医師数につきましては、全国平均や山口県平均と比べても低い数値となっております。参考までに申し上げますと、平成28年度の全国平均が251.7人、山口県平均が259.3人、これと比較しまして、岩国市は212.1人ということでございまして、県内においても偏在が見受けられるというふうに感じております。今後につきましては、山口県が平成31年度中を目途に医師確保計画を策定されます。この中身につきましては、2次医療圏ごとに医師数の目標値や施策といったものをうたうことになっております。市といたしましては、こうした状況を踏まえて、本市の実情に応じた目標や施策を検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆26番(山本辰哉君)  医師確保計画の策定ですか、これはすばらしいと思います。ただ、医師が減少する原因は、一言で簡単に言えるような単純なものではないと思います。本市において医師数が減少した要因について、市はどのように捉えているんですか。ここをお聞かせください。 ◎地域医療担当部長(山田真也君)  本市の医師数の減少の要因は、一言ではなかなか難しいと思っております。議員御案内のとおり、地域偏在、診療科偏在は本市だけの問題ではございません。全国的な問題でございます。山口県の高齢化率は、他県と比べまして10年先を進んでおるというふうに聞いております。また、45歳未満の医師数につきましても、平成10年と比較いたしますと約28%減少しておるということでございます。地方の人口減少が進む中で、スキルアップ――腕を磨くために、さまざまな症例が体験できる、経験できる――そういった都会志向の医師が多いのではないかというふうに考えております。 ◆26番(山本辰哉君)  よくわかりました。それでは、ここからが非常に重要になってくるわけなんですが、本来、中山間地域に限らず、本市の医療提供体制を守っていくためには医師の確保と増加が課題であり、そのことが医療サービスの向上につながると誰もが考えるわけですが、これは、市としてはどのようにお考えなのか。また、どのような対策を講じていくおつもりなのか、その点があればお示しください。 ◎地域医療担当部長(山田真也君)  御指摘のとおり、地方の人口減少といったものの歯どめをかけていく中で、市内の医師数をいかにふやしていくか、そのためにどういった対策を講じていくのか、これは重要課題であると認識いたしております。医師確保につながる対策につきましては、今年度から研修医受入支援事業を実施しております。しかしながら、この事業につきましては長期的な展望を持って効果を期待するものであって、即効性があるものではございません。市といたしましては、まだ具体的な施策を申し上げる段階にはございませんけれども、現在さまざまな観点に立って、医師確保につながる施策を検討し始めておりますので、よろしくお願いいたします。
    ◆26番(山本辰哉君)  ただいま、担当部長からさまざまな観点に立って検討を始めていると、そのような御答弁がありました。 これはあくまでも私の――提案ばかりで申しわけないんですけれど、例えば――例えばと言うのは余り好きではないんですが、北海道の稚内市で、市民の健康と福祉の増進に寄与することを目的に、診療所を開設する開業医に対し3,000万円を限度額とした費用の助成を行っていると。こういう取り組みが日本中のいろいろな自治体であるわけですけれど、全国的に他の自治体でも、こういった開業医を応援する取り組みというのがある中で、本市においても、例えば、クリニックなどの開業医をふやす取り組み――企業誘致ではないですけれど、クリニックの誘致ですよね。そういった観点で同様の事業は考えられないものかちょっとお聞きしてみたいんですが、どうでしょうか。 ◎地域医療担当部長(山田真也君)  先ほど御答弁いたしましたように、市内の医師数をいかにふやしていくか、そのために、どうした対策を講じていくか。本当に重要課題だと思っております。議員御提案のそうした支援――補助制度になろうかと思いますけれども、一案になろうかというふうに考えております。いずれにいたしましても、私どもといたしましては、さまざまな施策を積極的に検討してまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆26番(山本辰哉君)  例えば、ここから20キロメートル離れようと、30キロメートル離れようと、安い土地に広いクリニックがあれば、それだけたくさんの患者さんが来ることができます。そして、優秀なドクターには、必ず「あそこはいいよ」という口コミがあり、それが20キロメートル、30キロメートルだろうと、やっぱり、いいところには皆さんは行かれます。まあ、その反対もありますけれどもね。いいドクターというのは、患者さんのいい口コミが広がると。こういうところは、やっぱり、開業される医者の方は頭に入れておいたらいいんじゃないかなと思っております。そして、それは、市を挙げて、そういう開業医に対して支援していこうじゃないかと取り組み、しっかり応援してあげなければいけないんじゃないかと思っております。 それが最終的には、今後の充実したへき地医療体制につながるものと私は確信しております。これからの本市の開業医誘致制度に相当期待しておりますが、期待しまして、今回の質問を終わります。 ○副議長(藤本泰也君)  以上で、26番 山本辰哉君の一般質問を終了いたします。 13番 中村 豊君。 ◆13番(中村豊君)  皆さん、こんにちは。13番 公明党議員団の中村 豊です。 昨日の台風21号、7月の西日本豪雨災害によって犠牲になられた方々に衷心より哀悼の意をささげるとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。 それでは、会派を代表して、通告に従い一般質問を行います。 初めに、災害対策についての1点目、土砂災害への対応と避難情報についてお伺いいたします。 7月6日から8日にかけて続いた活発な梅雨前線による記録的な大雨は、西日本各地に土砂崩れや河川の氾濫など、平成に入って最大級の水害をもたらしました。岩国市においても、土砂災害でお二人のとうとい命が失われ、河川の氾濫で床上・床下浸水が多数発生するなど、深刻な被害をもたらしました。 近年は、日本各地で頻繁にゲリラ豪雨と言われる集中豪雨が起きております。気象庁によると時間雨量50ミリメートルの大雨の発生件数は、1976年からの10年間と2004年からの10年間を比べると、1.4倍になっているとのことです。台風や集中豪雨そのものは自然現象であり、それ自体の発生を抑制することは困難ですが、被害を少しでも小さくする対策への取り組みは一層重要となってきます。集中豪雨による山の崩壊など、土砂災害は人命に直結する最も警戒すべき災害の一つであります。 本市の土砂災害警戒区域の指定の状況と市民の方への周知はどうなっているのか。あわせて、土砂災害防止に向けた今後の取り組みについてお伺いいたします。 また、災害が起きる前の避難などの情報提供は、行政から地域住民に行き渡ってこそ生かされるものです。市民の方への危険箇所の周知や避難所の開設・確保などの早目の避難情報の提供が、具体的な避難行動につながっていきます。 今回の豪雨災害において、本市の災害情報の提供、避難勧告、避難指示のあり方は適切であったか、お伺いいたします。 2点目、災害時の要支援者の対応についてお伺いいたします。 平成25年6月の災害対策基本法の一部改正により、高齢者や障害者、乳幼児、難病の人や外国人等が避難行動要支援者に位置づけられ、災害発生時の避難などに特に支援を要する方の氏名や住所、電話番号などの情報を記載した避難行動要支援者名簿の作成が各市町村に義務づけられました。災害時にはこの情報が民生委員や自主防災組織に伝えられ、避難行動要支援者名簿を活用した実効性のある避難支援がなされるよう、これまで曖昧だった個人情報の取り扱いが明確化され、名簿の整備と情報提供が進むことになりました。しかし、個人情報保護法の壁で、本人の同意が得られなければ、行政は名簿の提供ができません。また平時から、避難のためには誰が支援に向かうかなどの個別計画を立て、共有しておくことが重要となってきます。 本市の現状と課題、そして避難行動要支援者の個別計画の作成はどのようになっているのか、お伺いいたします。 3点目、災害ごみ対策についてお伺いいたします。 西日本豪雨で発生した災害ごみの量は数十万から100万トン近くになるとの見方もあり、近年の豪雨災害では最大規模になる見通しであるとの報道がありました。岩国市においても多くの世帯が浸水被害を受け、家庭から多量の災害ごみが出されております。今回の豪雨災害により発生した災害ごみの処理はどのように行われたのでしょうか。 東日本大震災を受けて、環境省は2014年に災害廃棄物対策指針を策定し、災害ごみの種類や処理可能量の試算、ごみの収集運搬方法や仮置き場候補地などを盛り込んだ災害廃棄物処理計画を策定するよう自治体に求めております。仮置き場の確保などに手間取り、処理が滞れば、生活再建のおくれにつながります。ごみの撤去は、被災者の立ち直りの第一となります。山口県において計画を策定済みの自治体は、下松市、下関市、周防大島町の3自治体だけです。 今後、いつ、また今回のような災害が起きるかもしれません。早期の計画策定が必要と考えますが、本市の取り組み状況をお伺いいたします。 次に、高齢者の介護予防施策についてのフレイル予防の取り組みについてお伺いいたします。 年齢を重ねると徐々に心身の機能が衰えていきます。フレイルとは、要介護が必要となる状態と健康な状態の間の期間で、介護が必要とまではいかないけれど、要介護に移行するリスクが高い一方、適切なケアによって健常な状態へ戻ることが可能と言われております。 フレイルには、年齢を重ねるに従って、動作が遅くなり筋力が衰える身体的フレイル、精神や心理的な問題で鬱や認知機能が低下する心理的・認知的フレイル、独居や経済的困窮、孤食による社会的フレイルがあります。 このフレイルを予防するのに必要なこととして、運動・栄養・社会参加の3つがあります。 運動においては、筋肉は使わないとどんどん衰えていきます。筋肉が減少すれば転倒や骨折をしやすくなり、外出の頻度が下がってしまうため、認知症のリスクを高めてしまいます。毎日意識して体を動かすことが大切になってきます。 栄養では、高齢になると食欲が落ち、かむ力やのみ込む力が衰えてかめない食品がふえ、食べる食品が偏って低栄養になり、身体のほかの機能の低下にもつながっていきます。 そして社会参加では、趣味の活動などに参加することは外出の機会がふえ、体を動かすことにつながりますし、仲間と話すことで気持ちが明るくなる効果も期待できます。このように、文化活動や地域活動に取り組んでいる人はフレイルへのリスクが低いとあります。 この3つをあわせて取り込むことがフレイル予防につながってまいります。フレイル予防は、高齢者の方が元気に長生きするためにも重要ですし、医療費・介護費の抑制のためにも大変重要であると考えます。 フレイル予防の現状と取り組み、今後の方向性についてお伺いいたします。 以上で、壇上よりの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、中村議員御質問の第1点目の災害対策についてお答えいたします。 まず、土砂災害への対応と避難情報についてでございますが、本市の土砂災害警戒区域等の指定の状況と周知につきましては、平成13年4月に土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律、通称土砂災害防止法が施行され、区域の指定については、各都道府県知事が行うこととなっております。 本市では平成26年から指定が開始され、平成28年度に完了しましたが、具体的な指定の状況としましては、土砂災害警戒区域、いわゆるイエローゾーンが3,897カ所指定されております。また、住民等の生命または身体に著しい危険が生じるおそれのある区域として、土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンが3,645カ所指定されております。 このレッドゾーンの指定に先立ちましては、区域内の方々に対し広報用のパンフレットを配布するとともに、山口県の主催により住民説明会を連合自治会ごとに市内全域で実施しました。また、その後は、全戸にハザードマップを配布し、県のホームページ内の山口県土砂災害警戒区域等マップへの掲載や広報いわくになどにより、さらなる周知を図っているところであります。 今後においても、該当区域にお住まいの方には土砂災害の危険度を認識していただき、適正な避難行動につながるよう、しっかりと周知に努めてまいりたいと考えております。 議員御質問の今回の豪雨災害における本市の災害情報の提供や避難勧告・指示のあり方については、これまで本市においては、岩国市地域防災計画に避難勧告・指示等の避難情報の発令に関して具体的な基準が定められていなかったため、内閣府の避難勧告等に関するガイドラインをもとに、気象庁の情報を加味して判断する岩国市避難情報発令基準を作成し、本年5月に開催した岩国市防災会議を経て岩国市地域防災計画に反映させました。 このうち、土砂災害については、気象庁が発表する気象情報や降雨情報などの諸条件をあわせて考慮しながら、山口県土砂災害警戒情報システムの土砂災害降雨危険度のレベル――これは土壌雨量指数をもとに、5キロメートル四方ごとに、レベル1からレベル4までで危険度をあらわすものでありますが、このレベルに応じて避難勧告などの避難情報を発令することになっており、今回の豪雨災害時の避難情報は、この基準に従って発令をしたものであります。 主な発令状況につきましては、7月6日金曜日の午前10時に市内全域を対象として、避難準備・高齢者等避難開始を、また、同日の午後5時に周東町祖生平前地区の一部に避難勧告を、7日午前4時10分に市内全域に土砂災害の避難勧告を順次発令いたしました。 先ほど申し上げました土砂災害降雨危険度の雨量判定は、既存の雨量計の雨量やアメダス解析雨量等に基づき、現在と今後の降雨水準の分布を一定の条件に基づいて算出しているものであり、実際の降雨状況を正確に表現したものではございません。 また、危険度については地質や植生、風化などを考慮したものではなく、土砂災害の中でも技術的に予測困難な斜面の深層崩壊や地すべりなどの現象は対象としていません。 このように、土砂災害の発生予測では、場所や時間を正確に特定することが現在の技術では困難であり、御説明申し上げたように市において一定の基準によって避難勧告等の発令はしますが、やはり、大雨のときには個々において土砂崩れの前兆現象に細心の注意を払っていただき、自主的に早目の避難を心がけていただくことが非常に重要であると考えております。 市としましては、土砂災害に対する危険度を把握するため、今後においてもさまざまな手法を検討することで、避難情報の精度を高めていきたいと考えております。 次に、災害時要支援者の対応についてでありますが、災害時に自力で避難できない要配慮者に対する避難の支援については、災害対策基本法の改正により、平成26年4月から避難行動要支援者名簿を作成することが市町村に義務づけられました。 内閣府の取組指針では、避難行動要支援者に係る全体的な考え方を整理し、重要事項については市町村の地域防災計画に定めることとなっております。 名簿の作成に当たっては、要介護高齢者や障害者などの情報をもとに要配慮者を把握し、要介護状態の区分や、障害支援区分、そして家族の状況などを考慮した上で避難行動要支援者の要件に該当する人を名簿に登載することになっておりますが、要件から外れた場合であっても、みずから名簿への登載を求めることができるものとしております。 本市の避難行動要支援者名簿への登載につきましては、岩国市地域防災計画に身体障害者手帳1級と2級の保持者や、療育手帳Aの保持者、精神障害者保健福祉手帳1級の保持者、75歳以上の高齢者のみの世帯に属する者、要介護認定3から5までの認定を受けている者などの要件を定めており、これらの要件をもとに作成した名簿への登載者数は約1万人となっております。 避難行動要支援者名簿は災害対策基本法により、災害が発生または発生するおそれがある場合においては、避難行動要支援者の生命や身体を災害から保護するため、避難支援の実施に必要な限度で消防や警察、民生委員、自主防災組織などの避難支援等関係者に対し名簿情報を提供することになっており、この場合は、名簿に登載された本人の同意を得ることは不要であります。 一方、平常時においては、避難支援等関係者への名簿情報の提供について、要支援者である本人の同意を得ることが必要であると災害対策基本法に定められています。 現在、本市において提供に関する同意を得ている方は、災害対策基本法の改正前から作成している災害時要援護者避難支援台帳に登載している約60人の方でありますが、この台帳は在宅の寝たきり高齢者や重度の障害者の方などが対象となっております。 今後においては、避難行動要支援者が災害時に逃げおくれることがないよう、要支援者である本人に対し、郵送や戸別訪問時に直接働きかけるなど、平常時から名簿情報を避難支援等関係者に提供することに関する同意を求め、対象者の避難支援の仕組みづくりに努めてまいります。 さらに、名簿登載に関する周知については、ホームページへの掲載やリーフレットを作成するなどして、多くの場所や機会を通じて御案内をしていきたいと考えております。 また、避難行動要支援者に対する個別計画の策定についても、現在は災害時要援護者避難支援台帳に登載している方について作成しておりますが、今後においては、避難行動要支援者名簿の情報に基づき、個々の実情を考慮した上で、具体的な避難方法を把握し、災害時に避難の確認ができるように仕組みづくりを行い、要支援者の方々が逃げおくれることのないよう努めてまいります。 最後に、災害ごみ対策についてでございますが、このたびの7月豪雨では、川西・横山地区や周東町島田川沿いを初めとして、市内各所で浸水被害などがあり、これまでに約450トンの災害廃棄物が発生しております。 災害廃棄物の持ち出し場所につきましては、各自治会に御協力いただき、川西地区においては、7月8日に街区公園の3カ所に市民の方が災害廃棄物を直接持ち込むことができる暫定置き場を設け、周東町におきましては、被災した住宅の周辺に32カ所の暫定置き場を7日から設置するとともに、8日には周東用田グラウンド駐車場を、災害廃棄物を直接搬入し集積するための仮置き場として開設し、これらの暫定置き場等への災害廃棄物の持ち込みに当たっては、可能な限りの分別にも御協力をいただいたところであります。 暫定置き場に持ち込まれた災害廃棄物の処理については、市直営の収集車のほか、一般廃棄物の収集運搬委託業者や、災害廃棄物の処理等の協力に関する協定に基づき山口県産業廃棄物協会を通じて会員となっている業者に収集作業を委託いたしました。その結果、災害発生から2週間後には、大半の災害廃棄物を、住宅地から市の処理施設や仮置き場として設置した周東用田グラウンド駐車場、日の出町最終処分場、川西不燃物処理場に搬出することができました。 災害廃棄物を市などの処理施設に直接搬入される際の手数料につきましては、罹災証明書が発行されるまでの期間は、搬入時に口頭で被災されたことをお伝えいただくことで、また、罹災証明書発行後は、その提示により、全額免除する対応をしております。 最終的な災害廃棄物の処理については、分別が十分にできていた廃棄物は、速やかに処理施設に搬入し処理することができましたが、分別が不十分な廃棄物については、再度分別を行い処理する必要があるため、被災者の負担に配慮しながらも、処理期間や経費の面を考慮すると、当初からの分別や収集体制の充実の重要さを再認識しているところであります。 議員御質問の災害廃棄物処理計画については、本市において、平成17年9月の台風14号による被災等を受けて、岩国市水害等廃棄物処理計画と岩国市震災等廃棄物処理計画を平成18年3月に策定しており、今回の豪雨災害における仮置き場の設置等につきましては、本計画に基づき実施したものであります。 計画が策定されていないという御指摘につきましては、平成23年3月11日に発生した東日本大震災を契機として、平成26年3月に、国において災害廃棄物対策指針が策定されたことにより、市町村が作成する計画における必要事項に、今後発生が予想される大規模地震等を対象とした災害廃棄物等の発生量の推計・処理可能量の試算や、民間事業者等との連携などが求められたことから、現計画との整合性がとれていないことによるものであります。 平成28年3月には、山口県が災害廃棄物処理計画を策定されたことを受け、本市におきましても昨年度から新たな災害廃棄物処理計画の策定業務に着手しており、今年度中には策定することとしておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎副市長(杉岡匡君)  第2点目の高齢者の介護予防施策についてのフレイル予防の取り組みについてお答えいたします。 本市における高齢者の介護予防施策に関しましては、岩国市高齢者保健福祉計画の重点施策の一つである健康づくり・自立支援・介護予防・重度化防止の推進の中に位置づけ、高齢者みずからが健康づくりや介護予防に取り組むことができるよう支援・啓発することを推進しております。 議員御案内のフレイルとは、加齢に伴い、運動機能や認知機能、社会性など、心身の活力が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響により、心身の脆弱性があらわれた状態のことで、健康な状態と要介護状態の中間の状態のことをいいますが、このフレイルを予防し、健康寿命を延ばすためには、運動・栄養・社会参加の3つの要素が重要となります。 本市におけるフレイル予防への取り組みでございますが、運動・栄養・社会参加の3要素を盛り込んだ介護予防事業を展開しており、具体的には、地域包括支援センターが、地域住民と協働して高齢者の身近な場所で開催する介護予防教室と、介護予防教室の終了後に、地域住民の自主的活動によって運営される通いの場に対する活動支援を行っております。 介護予防教室では、保健師等の指導により、参加された高齢者の方に、運動や口腔機能向上、栄養改善、認知症予防、閉じこもり予防などの介護予防に関する知識を深めていただくとともに、高齢者みずからが健康づくりに継続して取り組むための意識の向上に取り組んでおり、さらに、高齢者の転倒予防や、筋力・柔軟性・バランスを高めるための体操である岩国はつらつ体操についても実施しており、無理のない正しい体操方法を身につけていただいております。 また、介護予防教室の終了後に地域住民によって開催される通いの場においては、参加される高齢者の方々が、それぞれ役割を持って介護予防の活動を続けていただくことが、総合的にフレイルを予防することにつながると考えており、地域包括支援センターでは、この通いの場の活動が継続できるように、活動や運営に対する指導や助言、代表者等に対する研修を行っているところでございます。 このような取り組みを重ねてきた結果、介護予防事業を開始した平成18年度以降通いの場がふえ、平成29年度末時点では104団体が通いの場を運営され、1,646人の方がフレイル予防に取り組んでおられる状況でございます。 今後も、市といたしましては、介護予防教室の開催と通いの場の拡充により、介護予防を推進していくとともに、民生委員、福祉員などの関係団体を通じたチラシの配布や出前講座の開催など、地域団体と協働して広く市民の皆様に対し、フレイル予防の普及・啓発に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆13番(中村豊君)  それでは、順不同にはなりますが、再質問をさせていただきます。 初めに、災害ごみ対策について再質問いたします。 当初からの分別と収集体制の充実の重要さを再認識していると御答弁にありましたが、具体的にはどのように充実させていかれるのかお伺いいたします。 ◎環境部長(藤村篤士君)  当初からの分別につきましては、災害廃棄物を持ち出す仮置き場等における分別方法をお示しし、仮置き場にわかりやすい看板等を設置し、その後の処理が速やかに進められるよう努めていきたいと考えております。 また、収集体制の充実につきましては、災害廃棄物の収集に対応できる民間業者と災害協定を締結することなどを検討していきたいと考えております。 ◆13番(中村豊君)  今回、豪雨災害で災害ごみの仮置き場となった日の出町最終処分場の場所がわからなかったとか、向かった先に勘違いしそうな看板があり引き返したといった声をお聞きしました。確かに日の出町最終処分場はわかりにくい場所にあると思います。幅広く周知をする対策が必要だと思いますが、いかがでしょうか。 ◎環境部長(藤村篤士君)  議員御質問の日の出町最終処分場は、市民の皆様がふだん利用する機会がないことから、地元の地理に詳しくない方にとっては非常にわかりにくい場所にあると思います。これまでも、ごみカレンダーの最終ページに環境施設案内図を掲載してまいりましたが、来年度のごみカレンダーには、主要道路を追加するなど、よりわかりやすい表示に努めていきたいと考えております。 また、このたびの御指摘も踏まえ、災害廃棄物の仮置き場を設置する際には、臨時の立て看板を設置したり、わかりやすい案内図をお示ししたりするなど、市民の皆様に少しでもわかりやすい方法で周知をしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆13番(中村豊君)  それでは、今後、日の出町最終処分場のあり方はどうなっていくのか、お伺いいたします。 ◎環境部長(藤村篤士君)  日の出町最終処分場ですが、これは平成14年4月から埋立処理を行っております。これまでの埋立量から推計すると、あと約20年で埋立容量10万500立方メートルに達して、埋め立てが終了する見込みでございます。埋め立てが終了しましたら、まず休止の手続を行い、最低2年間環境測定を実施し、問題がなければ廃止の手続を行いまして、建物の設備等を解体撤去して完了となります。 跡地利用につきましては、利用に問題がない状況が確認できてからになりますことから、廃止の手続をした後に検討していくことになると考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆13番(中村豊君)  しっかりと災害廃棄物処理計画の策定も早めて、今回のような災害が起きた場合の災害ごみの処理の対応強化に努めてもらえればと思います。 次に、災害時要支援者の対応について再質問いたします。 災害が起きたときに、一番弱い立場の人に対して一番配慮し、自力で避難できない要援護者と言われる方々を軸とした対策を進めていくことが、元気な方たちをも助けていく支援につながっていくと思います。災害時、1人では避難できない寝たきり高齢者や重度障害者の方たちの対応はどうなっていますか。また、通常の避難とどう違うのか、お伺いいたします。 ◎健康福祉部長(森川義雄君)  災害時に公的な避難支援の必要性が特に高い在宅の寝たきり高齢者、重度障害者の方を対象に、迅速に、かつ安全に避難できるよう、平成18年度から災害時要援護者避難支援制度を実施しております。この場合の避難先は、通常の避難所ではなく、車椅子等に対応したスロープやトイレ、また、手すりやベッドなどの設備を有している介護施設等となります。これらの介護施設等に対しましては、避難の受け入れに係る協定を事前に締結しておりまして、災害の発生が予見される場合には市から電話連絡を行い、受け入れの可否について協議させていただき、受け入れが可能な場合に協力をしていただいている状況でございます。 ◆13番(中村豊君)  それでは、その協定を締結してくれている介護施設等は市内にどのくらいあるのでしょうか。また、現在何人の方が登録されているのかお伺いいたします。 ◎健康福祉部長(森川義雄君)  受け入れに係る協定では、介護施設等の協力が不可欠となっておりまして、現在、この協定を締結していただいているのは31事業所となっております。そのほか、避難支援移送の協力事業者が4事業所ございます。また、この避難支援制度の登録者でございますが、本年8月1日現在で高齢者が42名、障害者が12名の計54名となっております。今年度の実績としましては、8月までの大雨や台風に対しまして延べ4名の登録者の避難支援を行っております。 ◆13番(中村豊君)  それでは、災害が発生したときに特に支援が必要な方が、避難支援者として登録されるにはどのようにしたらよいのか、お伺いいたします。 ◎健康福祉部長(森川義雄君)  災害時要援護者として登録を希望される方は、事前に申請をしていただく必要がございます。申請をしていただきますと、調査員が訪問調査を行いまして、支援の内容などを確認した上で個別支援計画を作成し、名簿登録を行っております。災害時に不安のある在宅寝たきり高齢者や重度障害者の方は、高齢者支援課や障害者支援課の窓口で相談し、申請をしていただけたらと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆13番(中村豊君)  災害はいつ起こるかわかりません。今回の場合もそうでした。また、起こる前の迅速な行動、対応が大事になってまいります。災害発生が見込まれる場合、登録者に対してどのようなアプローチをしているのかお伺いいたします。 ◎健康福祉部長(森川義雄君)  台風や大雨等により災害の発生が予見される場合でございますけれども、まず、協定を締結している介護施設等に確認をとり、避難先の確保を行います。登録された方に対しましては、個別に電話等により早い段階で気象情報や避難情報をお伝えし、登録者の希望に応じて避難をしていただいております。その際には、その時点での安否確認のほか移動手段も確認し、家族による避難が可能かどうか、介護タクシー等の利用が可能かどうか、市または移送協力事業所に依頼したいのか等を確認して、対応しているところでございます。 ◆13番(中村豊君)  災害弱者と言われる方たちを守るためにも、幅広く市民の方へ制度の周知をすることは重要だと思いますが、この制度の周知についてはどのように取り組まれているのか、お伺いいたします。 ◎健康福祉部長(森川義雄君)  制度の周知についてでございますが、高齢者支援課、また障害者支援課の窓口で制度紹介のチラシをして配布しているほか、さまざまな相談や申請を行うために御家族の方が来庁される場合がございます。そういった場を利用させていただきまして、必要と思われる方に説明をさせていただいております。また、民生委員の方に制度の説明を行いまして、毎年5月に行われます高齢者実態調査において、寝たきり高齢者宅を訪問していただいている民生委員の方から、災害時要援護者の避難支援の登録を希望されるかどうかの意向調査をさせていただいているところです。 なお、ケアマネジャーの研修会の折にも制度の説明をさせていただき、ケアする立場から高齢者等に対して制度の周知をしていただいてもおります。また、重度障害者に対しましては、担当する相談支援員による個別の案内なども行っております。今後の周知方法につきましては、広報いわくに等も活用し、身近でわかりやすい制度となるよう周知に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆13番(中村豊君)  しっかりと地域全体で災害弱者と言われる方々に向き合っていただき、地域で支え合う社会の構築の、さらなる取り組みを期待しております。 では、次に、土砂災害への対応と避難情報について再質問いたします。 土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域に指定するまでの手順はどのように進められるのかお伺いいたします。 ◎都市建設部長(木邉光志君)  区域の指定でございますが、区域の指定に当たりましては、県によりまして対象地域の土地に関する地形や降水の状況及び利用状況に関する基礎調査を実施することになります。まず、イエローゾーンの指定基準でございますが、急傾斜地の崩壊については、傾斜度が30度、高さが5メートル以上の区域及び急傾斜地の上端からの水平距離が10メートル以内の区域、急傾斜地の下端から急傾斜地の高さの2倍以内の区域、土石流については、土石流の発生するおそれのある渓流において、扇頂部から下流までの部分及び隣接する勾配が2度以上の土地の区域、地すべりにつきましては、地塊――滑る塊ですが、これが滑る長さに相当する距離の範囲内の土地の区域、これらがイエローゾーンに指定されます。このイエローゾーンの中でも住民等の生命または身体に著しい危険が生じるおそれがある区域がレッドゾーンとして指定されることになります。 これら基礎調査終了後、県及び市のホームページや窓口等により区域指定の案が縦覧されまして、さらに住民説明会の開催により周知を図りまして、県知事により区域指定がなされます。 なお、レッドゾーンにつきましては、急傾斜地対策工事や開発等により地形等の諸条件が変わった場合につきましては、随時区域の指定の見直し等を行うようになっております。 ◆13番(中村豊君)  このたびの西日本豪雨災害では、広島県で土石流による大きな被害が発生し、また、多くの方々が被災されております。このような土石流災害には砂防堰堤の設置が有効な対策であると思われますが、砂防事業における砂防堰堤の設置にはどのような要件があるのかお伺いいたします。 ◎都市建設部長(木邉光志君)  通常の砂防事業の採択事例によりますと、豪雨等により多量の土砂が流出するおそれがある渓流で、次のいずれかに該当する効果があるものと規定されております。それは4つございまして、1つは公共施設――これは官庁、学校、病院等になります、及び市町村地域防災計画に位置づけられている避難場所及び重要鉱工業施設の保護、2番目に市街地、集落――こちらは保全人家が50戸以上の保護、それから3番目は面積が30ヘクタール以上の耕地の保護、最後に、港湾または河口の埋没などで、こちらは年間埋没が1万立方メートル以上の防止などが要件となってまいります。 ◆13番(中村豊君)  要件は4つとのことでございますが、ちょっとなかなか難しいと思うんですけれども、土砂災害に対しては、砂防堰堤は市民の生命・財産を守るためには重要な施設であり、砂防機能が十分に果たされてこそ効果があると思います。土砂災害に対する砂防堰堤設置等について、現状と今後のお考えをお聞かせ願えればと思います。 ◎都市建設部長(木邉光志君)  砂防堰堤は、土石流などから下流部の人家や公共施設を守ることを目的としておりまして、山口県が実施主体となって進めておる事業でございまして、その要件につきましては先ほど申し上げましたが、現在の代表的なものとしては通常砂防事業がございまして、今年度予定しております主な事業でございますが、多田地区の西上小路川、それから御庄地区の森ケ原北川、周東地区の須通東川などの地区において堰堤工事を実施すると伺っております。また、このたびの豪雨災害では、周東町におきまして大規模な土石流災害が発生しましたことから、災害関連緊急砂防事業が採択されておりまして、現在、周東町管内においては、久杉地区、中野地区、椎尾地区、新造谷地区の4カ所において砂防堰堤が設置されると伺っております。 本市といたしましても、これらの砂防事業は市民の皆様の安心・安全のために極めて重要な事業というふうに思っております。採択の要件や地域の実情を勘案いたしまして、必要な対策については県に申し伝えていきたいと思っております。 ◆13番(中村豊君)  今回の災害を教訓として、大きな被害をもたらす土砂災害対策を確実に進めていってもらいたいと思います。 今回の豪雨においては、早期に避難所が開設されましたが、対応人員の配置や数など、避難所の開き方はどうであったのでしょうか。また、市民の方への周知はどのような状況であったのかお伺いいたします。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  現在、岩国市の災害時の緊急避難場所は、全部で135カ所の施設を指定しております。今回の豪雨時の7月6日には、午前10時に土砂災害の危険が高まったということで、全市対象に避難準備、高齢者等避難開始という避難情報を発令いたしました。そのときに、早目の避難もしていただきたいということで、全市の土砂災害に適応した早期避難所を開設いたしました。 御存じのように、この早期避難所は、台風接近等、あるいは土砂災害の危険が予測されるという場合に備えまして、時間的な余裕を持って早目の避難をしていただけるよう、各地域に1カ所程度の設置ということになっております。早期避難所は、旧岩国市におきましては、出張所に併設した供用会館を主体として、公民館など、平素から住民の方に利用していただいている施設を中心に開設しております。対応人員の配置といたしましては、各避難所に2名程度を配置しております。このたびの住民への周知方法といたしましては、防災行政無線や市民メール、市民ニュースアプリなどでお知らせをしております。 全避難所を毎回一度に開設できるといいのですが、市の業務の継続ということもございますので、基本的には、被災地域をなるべく限定して、予想される被災地域の災害種別に適応した避難所を開設するというやり方、あるいは先ほど申し上げました早期避難所を各地域に1カ所程度開設するという方法で現在運用しておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆13番(中村豊君)  今後、避難所運営のあり方等もしっかり検討していってもらえればと思います。また、どのような場合でも、やっぱり早目の情報発信は大切なことであると思います。今回の西日本豪雨災害で、尾道市はLINEを採用し、被災者向けの情報を小まめに発信しております。LINEは若年層が使う割合が高く、行政になじみの薄い若者世代も親しみやすく、尾道市の場合、豪雨前は約8,000人だったLINE登録者数は、豪雨後に1万8,000人強に急増したそうです。本市もLINEでの災害情報発信を導入してはいかがでしょうか。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  確かに若い方へ防災情報をお知らせする方法としてLINEは非常に有効な手段であるというふうに思います。現在、本市におきましては、若者世代をターゲットとして防災情報を伝達していくという手段の一つといたしまして、LINEと同じくスマートフォンのアプリケーションである市民ニュースアプリというものを作成いたしまして配布しております。 この市民ニュースアプリは、本年4月から配布を開始したばかりでございますので、登録者数としては、災害前が約1,100人、災害後はやはり約2,500人にふえております。尾道市のLINEの登録者数には全く及びませんけれども、ごみカレンダーとかも利用できるようにソフトをつくっておりますので、今後も利便性向上に努めまして、登録者数をふやしていきたいというふうに考えております。 もちろん、御提案いただいたLINEについても、将来的には情報伝達の手段として幅広く捉えて、利用することも検討してまいります。よろしくお願いいたします。 ◆13番(中村豊君)  私たち一人一人が自分の身は自分で守る、また自分の住む場所にはどんなリスクがあるかを日ごろより意識することが大事です。行政におかれても、避難勧告や避難指示をいかに早く出すかが重要になってきます。しかし、いかに迅速に情報を発信しても、届かなければ効果はありません。サイレンによる注意喚起でも、雨が激しく降っていたら聞こえないケースもあります。スマホや防災無線、ラジオ等をしっかりと活用していただき、多重的な情報伝達の仕組みづくりが重要となってきます。あわせて、日本語が十分理解できない外国人への対応も大事なことではないでしょうか。いつ起こるかわからない災害に備えて、常に危機意識を持っていただき、どのように動けばよいかという意識づけを常に心がけ、今後の対応に努めていただくことを期待いたします。 では、フレイル予防について再質問いたします。 千葉県柏市では、柏市フレイル予防事業としてフレイルのリスクを確認できるチェックシートを作成し、市民の方をフレイルサポーターとして養成し、一定の研修を受けた方が中心となって町の健康づくりの担い手として健康づくりを推進しております。本市でのフレイルチェックシートの作成と市民フレイルサポーター養成に取り組まれる考えについてはいかがでしょうか。 ◎保健担当部長(森本聡子君)  フレイルチェックシートの作成とフレイルサポーターの養成についての御質問ですが、まず、フレイルチェックシートの作成につきまして、本市におきましては介護予防教室の中で運動機能を測定する体力チェック、口腔機能や認知機能のチェック、社会参加を促進するための地域や生活の中の目標設定等の項目を確認しております。これらを実施することでフレイルチェックシートと同様の効果が得られることから、今のところ、シートの作成は考えておりません。 それから、フレイルサポーターの養成についてでございますが、壇上で副市長がお答えしましたように、介護予防教室に参加された高齢者にフレイル予防の知識と実践方法を習得していただき、介護予防教室終了後の通いの場において、参加者各自が役割を持って介護予防の活動を続けていただくよう指導・助言を重ねており、このことがフレイル予防の担い手の育成となっており、フレイルサポーターの養成に当たると考えております。 ◆13番(中村豊君)  現在、市民の方で、介護予防に携わっている方たちがおられるとのことでありますが、その方たちが活動しやすい名称があればいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 ◎保健担当部長(森本聡子君)  活動しやすい名称についてということでございますが、地域で介護予防活動をされている通いの場の参加者の方々の声を参考に、今後検討してまいりたいと考えております。 ◆13番(中村豊君)  ぜひ期待しておりますので、お願いいたします。 フレイル予防については、運動と栄養と社会参加が必要であります。多くの方は、筋肉の衰えや、栄養はとらなければいけないということは重要視されていると思いますが、やはり一番重要になるのが社会参加ではないかと考えます。 社会参加というのは人それぞれの思いもあり、なかなか難しい部分であると感じますが、自治会であったりさまざまなサークルなどの場所に参加を促し、社会とのつながりを持つ仕組みづくりに取り組むことはとても重要であると考えます。仕組みづくりの取り組みについてお伺いいたします。 ◎保健担当部長(森本聡子君)  社会参加の促進と社会とのつながりを持つ仕組みづくりについての取り組みということでございますが、現在行っております内容としましては、身近な場所で高齢者の方々が気軽に参加できるように通いの場の拡大とそれに向けた運営費補助、また運営を支える担い手の育成支援、老人クラブ活動等に対する助成、それと、地域で実施されているサロン等の立ち上げや活動の支援を行っております。 ◆13番(中村豊君)  やはりひきこもりの高齢者というのが一番の問題になってくると思います。出かける理由がない、出かけるのが面倒であるなど、これらが要因となってひきこもりになると言われております。フレイル予防をしていく上で一番大切なのは、出かけたくなるモチベーションをつくり出すことではないかと考えます。ぜひ高齢者の方々が積極的に参加できるような仕組みをつくっていただき、フレイル予防の推進にしっかり取り組んでいってもらえればと思います。 以上で終わります。 ○副議長(藤本泰也君)  以上で、13番 中村 豊君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午後2時46分 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後3時10分 再開 ○議長(桑原敏幸君)  休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 ここで、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。 1番 前野弘明君。 ◆1番(前野弘明君)  市政改革クラブの前野弘明でございます。 平成30年7月豪雨におきましては、1982年以降最大の降水量と言われ、予測できぬ被害が各地で発生いたしました。犠牲となられた方々の御冥福をお祈りし、被災された皆様にお見舞い申し上げます。 今回も災害大国日本の危機管理についての取り組みをさらに進める必要性を感じるところであります。自助・共助の地方力の強化、コミュニティーの充実等をさらに推し進めていくことが求められております。 それでは、質問に入ります。 ことしは、維新150年、北朝鮮の核問題が浮上し、米中対立が激化している中、今や明治維新のとき以上の大きな変化が起ころうとしております。その渦中にあって、我々政治家には現状判断と未来展望を明確にする責任と行動力が願われているところであります。10年先、20年先、100年先に、あのときどうして行動しなかったのかと問われないようにしたいものであります。そのためには、私利私欲と無関係で、公を基準としたみずからの判断を天命として時代を駆け抜けた維新の志士がいたことを想起すべきであります。 29歳で斬首の刑になった吉田松陰先生と29歳で開眼し60歳で逝去された東澤瀉先生は、西の松陰、東の澤瀉といって、明治維新の行動力・実行力の思想的な支柱となられました。彼らの30年という時の流れは、大きな潮流となりました。 そこで、平成も30年の年月がたち、あとわずかとなり、新しい時代・年号がもうすぐ始まります。 ところで、私が異業種交流会で出会った陽明学研究家から東澤瀉を知らされたのは1988年、ちょうど平成元年で、東京での出来事でございました。以来、政治・経済のみならず、指導者にとっては必須の教養と思っております。平成3年に議員に初当選した後、1998年、通津に居宅を持ち、2009年、面高会を設立し、ことし2018年、未来の指導者を育てる塾を誘致し、さらにもうすぐ東澤瀉先生の漫画本が出版されることになりました。つまり、私にとって平成の30年間は岩国発展の土台となる思想哲学の検証と人材育成の機関づくりのための期間であったと言えるわけであります。 ここで、もう一度明治維新を振り返ってみましょう。維新は、西欧列強による植民地化に対抗するための国体づくりであったとも言えます。結果、植民地化は逃れることができましたが、資本主義と民主制度に加えて、個人主義という利己主義に化ける危険性をはらんでまいりました。これを憂慮し、澤瀉先生の長男・敬冶氏と渋沢栄一氏は陽明学会を設立、そして渋沢氏は、「経済は道徳なり」と主張したわけであります。 しかし、現状は、富の偏在は顕著で、拝金主義が横行、そういうふうに現在の状況がなっているわけであります。江戸しぐさで、宵越しの金は残さない。金は天下の回りもの。向こう三軒両隣で、隣組で助け合う習慣、これが危機管理の役目を果たしておりました。つまり、古きよき伝統を見直し、地方力によるコミュニティー形成、自助・共助の社会づくりが必要だということであります。 ここで、行政サービスの話をいたします。行政サービスの基本は、社会福祉の増進であると言います。福祉の目指すものは、一人一人の幸福の実現であります。つまり、幸福とは何かを問わなければならないわけであります。私たちは、願っている事柄や構想が実現したときに喜びを感じます。その中で最も強い幸福感は、命にもかえられるようなものであります。それは、人から愛されること、さらに人を愛することができることではないでしょうか。つまり、人格形成のできる場を提供されることが福祉の増進となるということであります。 どんなにすばらしい演奏者も、聴衆がいなければ幸せではないでしょう。文化創造は幸せ追求の中で起こることで、質の高い福祉サービスを生むこととなり、至上の幸せを感じることになります。 学校教育の現場は人格形成の訓練場でもあります。模範となる憧れの先生がいて、子供たちの志が立ち、学習意欲が生まれ、未来を担う人材が生まれてくるわけであります。また、家庭は社会の最小単位で、人格形成のための愛の学校と言われています。家庭は愛のとりで、どんなことがあっても家庭の機能を守ることができれば希望は残ります。 さて、現代社会は多くの問題を抱えています。特に情報の発信力・収集力・解析力は必須の能力となっております。情報過多の時代、事実を正しく捉えて判断する洞察力がますます必要になってきました。小学校高学年ぐらいから情報リテラシーの訓練が必要と言われます。教育現場の状況が気になります。もしも訓練なくして他を陥れる虚偽情報、不和をあえて助長する情報があふれていくと、後に破壊と暗黒の社会が訪れるわけであります。 これから大きな変化の時代と申し上げてまいりましたが、どのような社会を実現したいかをイメージしておかなければなりません。利己主義に染まった考え方はひとり勝ちを進めて、その地位を独占し権力を振り回すパワハラにつながることになっていきます。対立と闘争の考えは、独裁と暗黒の時代を創出します。そこで、和の精神に導かれた、富を分配する家族型社会の世界化が平和への近道となるのではないでしょうか。 日の沈まない大英帝国ができたのは宣教師の基盤があったからとも言われていますが、世界で日本文化が今、見直されています。この流れに乗って、日本文化の真髄をより多くの国へ伝えることができたらどうでしょうか。国際交流を進めるのはどういうことかを明確にすべきであります。 地方の原風景のもと、農作業や農閑期の家内作業を体験させてあげることも大切なことであります。古事記や日本書紀も世界でもっと研究されるべきであります。もっと文化の予算を組むべきであります。バイリンガルは、文化発信においてはもちろんよいことであります。しかし、もっと大切なのは、自分たちの文化に誇りを持つことであります。これから起こる大きな変化に対応するには、我が国の歴史の真実を知ることが必要なわけであります。 我々は、我が町我が国に誇りを持ち、持っている文化をその真髄まで理解し発信する能力をつけることが課題であると思います。地域の未来が見えてくれば、新しく文化創造もいいでしょう。学校教育から生涯教育まで、英才教育・指導者教育を常に心がけねばなりません。人づくりが福祉の増進となり、文化創造であり、その先に持続可能な町の発展を約束してくれるのであります。 ここから具体的質問に入ります。 まず、岩国市の将来展望と基本政策についてお尋ねいたします。1番として、基地政策について、その基地の存在理念についてお答え願えればと思います。また、基地とのかかわり方について、基地と共存するという考えについて解説をお願いしたいわけであります。 2番目、教育政策について、文化創造都市についてをお尋ねいたします。この意味についてお願いいたします。 コミュニティ・スクール制度について、コミュニティ・スクール制度が目指している地域・家庭・学校のあり方について問います。子供たちが豊かに育ち、丁寧に扱われ、将来の指導者が育つ、志が実現できるようサポートする、そういう制度であるかどうかを尋ねたいと思います。 3番目に、国や地域の現状をどのように捉えているかについてお尋ねしたいと思います。地球環境という観点、安全保障という観点から現状についてお答え願いたいと思います。また、東京一極集中について、どのように思われますでしょうか。地域の伝統的教育である澤瀉塾と今後の教育問題について、所感をお述べいただければありがたく思います。 以上で、壇上からの質問を終わりたいと思います。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、前野議員御質問の第1点目の、岩国市の将来展望と基本政策についての(3)国や地域の現状をどのように捉えているかについてお答えいたします。 まず、世界や我が国を取り巻く現状についてでございますが、世界では、人口が70億人を突破し、2050年には98億人に達すると予測されており、人間活動に伴う地球環境の負荷はますます増大し、人類の生存基盤である地球環境は存続の危機に瀕しているとも言われています。 また、世界経済においても、米国による関税の引き上げやその相手国による報復措置が行われるなど、貿易摩擦が激化し、長期化する可能性が高まっています。 また、我が国を取り巻く安全保障環境は、領土問題や国家間の挑発行為などにより、一層厳しさを増してきております。 国内においても、人口の東京一極集中の傾向は続いており、加えて、少子高齢化や人口減少という構造変化もあり、地域経済についても、東京圏と地方都市との格差の拡大に対する懸念が高まっております。 このような時代の潮流にあって、将来にわたり活力ある日本社会を維持するためには、各地方公共団体が自主性と主体性を発揮し、地方創生に取り組むことが必要であると考えております。 また、こうした状況は、我が国が明治維新期において、新しい時代を迎え、近代国家を形成していく過程にも似ていることから、私たちが明治維新に学ぶことは大変有意義なことだと思います。 明治維新期においては、志を持った多くの地方の人々が活躍しましたが、そこには、萩の吉田松陰や岩国においては東澤瀉など、志ある人材を育成した人々の存在がありました。 東澤瀉については、これまでの一般質問でもお答えしておりますが、幕末期には藩政の改革を訴え、若者たちに先例や旧格に従うのではなく、必死で取り組むことを教え、明治以降には、保津に塾を開き、1,000人以上の若者を育てたというふうに言われております。その東澤瀉のもとからは、宇部興産株式会社の創始者として知られる渡辺祐策や日本銀行の理事などを務めた河上謹一、陸軍元帥の長谷川好道など、日本の近代化に貢献した多くの人材が育ちました。 東澤瀉の教育においては、実践を重視する学問である陽明学の存在が重要だったと考えています。陽明学の本質は、奥深く、内面に働きかけるものであり、私利私欲に走ることなく、自分を磨くことが行動の前提として重要であることから、多くの志ある若者が育ったと言えます。 市では、こうした東澤瀉の功績をわかりやすく、幅広い世代の方々に知っていただくために、漫画形式の小冊子「東澤瀉伝」を、本年10月下旬を目途に発行する予定としております。市内の子供たちにも、ぜひ郷土の先人の生涯を通じて、その志を学んでいただきたいというふうに思っております。 また、東澤瀉の志を受け継いだ東正堂は、東京で陽明学会を設立していますが、そこには日本資本主義の父とも呼ばれる渋沢栄一も大きくかかわっております。その渋沢栄一は、自身の新春講演で、「経済と道徳、政治と道徳が権衡し、義と利が合一せねば真正なる文明も富貴も期しがたい」と述べております。これは、経済と道徳、政治と道徳のつり合いをとり、正しい道・道理と、もうけ・得を一つに合わせなければ、本物の文明と豊かさは期待できないという意味になりますが、こうした考えは現代のグローバル社会にも通じるものがあると思います。 このように、現代においても、東澤瀉の教えに学び、新しい時代を担う人材をしっかり育てていくことが、岩国、ひいては日本の将来にとって重要であると考えております。 明治150年の節目の年に立ち、私自身も改めて明治維新から志を学び、その維新の気概を持って、次の世代に誇ることのできる岩国の新時代をつくってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  第1点目の岩国市の将来展望と基本政策についての(1)基地政策についてお答えします。 まず、ア、基地の存在理念についてでございますが、申し上げるまでもなく、岩国基地は、海上自衛隊と、日米安全保障条約に基づき米軍が駐留する基地であります。我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す一方、米国がアジア太平洋地域への関与及びプレゼンスの維持・強化を進めている現状を踏まえると、日米安保体制の強化は、我が国の安全確保にとって、これまで以上に重要になるものと認識しております。また、四方を海に開かれた我が国において、海洋をめぐる安全保障環境が大きく変化する中、海上防衛の一線を担う海上自衛隊の果たす役割も、ますます大きくなってきております。こうした中、岩国基地は戦略上、また地政学上、重要な位置にあり、時代によってさまざまな変化はありながらも、抑止力の維持に主要な役割を担ってまいりました。岩国基地の存在理念を問われれば、我が国の平和と安全のために存在しているということは誰もが認めるものと理解しております。 外交・防衛政策は国の専管事項であり、安全保障のあり方についてはさまざまな議論がございますが、日米安全保障体制については、内閣府が平成30年1月に実施した自衛隊・防衛問題に関する世論調査によると、約8割の方々が肯定的に評価をされています。 本市議会においては、平成19年3月、国防への新たな理解と協力の必要性の趣旨から、市に対して、国防協力都市宣言を求める決議をされております。 市といたしまして、基地が所在する自治体として、我が国の平和の維持に大きく貢献していると自負しておりますが、今後も国の防衛政策を尊重し、基地との共存のもと、安心・安全対策や地域振興策に積極的に取り組み、本市の長期的な発展を目指してまいりたいと考えております。 次に、イ、基地とのかかわり方についてですが、議員御案内のとおり、市においては、岩国市総合計画に「基地との共存」を掲げ、基地を前向きに捉え、基地のメリットを生かしたまちづくりを進めております。 この「共存」につきましては、これまでの一般質問においても、依存ではないか、国や米軍の言いなりになるのではないかといった御質問・御指摘がございましたので、市の姿勢や考え方については、その都度、御説明をさせていただいたところであります。 今さら申し上げるまでもありませんが、基地との共存が財政的に国や基地に依存するということではなく、また、自治体として、自立する力を弱めるとも考えておりません。 基地が存在する理由は先ほど申し上げたとおりでありますが、そうした中で、基地を生かすということは、市としての基地に対する一つの価値観であり、本来の存在理由とは別に、自治体として基地とどのようにかかわるかが問われるものと存じます。 基地が所在する自治体でも多様な考え方があり、とかく基地問題に関しては、国や米軍と対立することが、いかにも対等の関係であるかのように映るのではないかと感じることがございます。「基地との共存」を掲げる中にあっても、市として、市民の安心・安全を守るために、基地政策の基本姿勢に「十分な安心・安全対策が講じられていると認められない場合には、これを容認できない」という基準を設けております。 市政は実際の取り組みにおいて、実効性が確保できるかどうかが重要であり、自治体の役割は、具体的に住民福祉の増進を図り、現実に市民の幸福を実現することにあると考えております。こうした基本をしっかりと踏まえ、国や米軍と現実的かつ具体的な取り組みを継続してまいりたいと考えております。 市においては、今年度、第2次岩国市総合計画の後期基本計画を策定することとしており、この中で、前期計画を引き継ぎ、「基地との共存」を掲げていく方向で策定作業を進めていく予定であります。 市といたしまして、基地を地域の発展に生かすという議員の志については、しっかり受けとめさせていただき、今後の基地行政に生かしてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎教育長(守山敏晴君)  第1点目の岩国市の将来展望と基本政策についての(2)教育政策についてお答えいたします。 まず、ア、文化創造都市についてですが、文化による都市の創造は、産業構造の変化により都市の空洞化や荒廃が進んだヨーロッパにおいて、芸術文化の創造性を生かした都市再生の試みが成功をおさめたことに始まります。それ以来、世界中の多数の都市において、同様の取り組みが進められてきましたが、我が国では、創造都市ネットワーク日本事業が開始されるとともに、文化芸術の持つ創造性を地域振興や観光振興に活用し、地域課題の解決に取り組む地方自治体を文化芸術創造都市に位置づける取り組みなどが進められてきました。 本市においては、平成28年3月に岩国市文化芸術創造都市宣言を行うとともに、創造都市ネットワーク日本に加盟いたしました。同時に、岩国市文化芸術振興プランを策定し、錦帯橋千年プロジェクト、世界とつながる文化交流プロジェクト、未来へはばたく子供夢プロジェクトの3つを重点プロジェクトとして、取り組みを進めているところです。 岩国市文化芸術振興プランでは、その方向性の一つとして「文化を伝える・文化の継承」が挙げられておりますが、この点において、各小・中学校では特色のある教育が行われています。一例を挙げますと、岩国中学校区では、錦帯橋を中心に据えた教育活動、学習活動を小学校から中学校まで継続して行っております。小学校6年時の錦帯橋子どもガイド、中学校3年時の修学旅行での錦帯橋PR活動は、錦帯橋に関する学習の集大成であり、郷土愛や郷土の文化への誇り、文化を未来へと伝える意志を育むことにつながっております。 郷土愛や郷土への文化への誇りを育むという点では、地域の文化・伝統、偉人の業績等について学ぶ学習を多くの学校が取り入れており、地域に伝わる伝統芸能を保存会の方々に指導していただいたり、地域の偉人に関する逸話や業績について講師を招いて学ぶ場を設けたりしております。地域の偉人の生き方を学ぶことは、文化継承の観点だけでなく、キャリア教育や道徳教育の観点からも有意義だと考えられ、教育委員会といたしましては、各校の学習がさらに充実したものとなるよう支援してまいります。 次に、イ、コミュニティ・スクール制度についてですが、コミュニティ・スクールは学校教育が抱える課題が複雑化・多様化する中において、子供たちの豊かな成長を保障することを目指し、学校・家庭・地域が連携・協働し、社会総がかりでの教育を実現することを目的としており、学校運営協議会制度のもと、協議会が設置された学校がコミュニティ・スクールとなります。 現在、市内の全小・中学校はコミュニティ・スクールとなっておりますが、コミュニティ・スクールには学校運営・学校支援・地域貢献という3つの機能があり、各学校では定期的に協議会を開催し、この3つの機能を踏まえた活動内容を協議しております。 学校運営に関する具体例では、学校運営協議会委員による学校評価があります。学校運営に関するさまざまな面において、学校運営協議会委員から評価や助言をいただき、教職員の取り組みを見直して改善しております。 学校支援に関する具体例では、宿題サポートボランティアがあります。さまざまな事情から家庭で宿題を終わらせることができない児童を対象に、放課後の学校で宿題に取り組ませ、そのサポートを行う活動です。 地域貢献に関する具体例では、下校時通学路の清掃があります。児童・生徒が下校時に歩道等に落ちているごみを拾いながら帰るという取り組みで、自然な形で児童・生徒が地域の美化に貢献できる活動となっております。 コミュニティ・スクールの充実には、関係者による率直で建設的な意見交換が不可欠となります。教育委員会といたしましては、学校運営協議会がそのような場となるように指導を行ってまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆1番(前野弘明君)  では、順番を変えて、コミュニティ・スクールからいきたいと思います。 コミュニティ・スクール制度ができたのが平成17年ぐらいだったと思いますが、実は、平成16年に私の住んでいるところで始めたつづみ塾が、この考え方とよく似ているということで、この制度が本当にいいものになるようにと期待して、今までいろいろと取り組んでまいりました。 さて、コミュニティ・スクールの中で学校運営協議会の委員の評価・助言等で、教職員の取り組みが改善された顕著な例があるかどうか、あったら教えてください。 ◎教育長(守山敏晴君)  学校運営協議会につきましては、何人かの議員の方々もその役になっておられますけれども、各学校で示した学校運営についてのいろいろな重点目標について評価をいただいております。各学校によっていろいろと目標等が異なりますけれども、共通しているのは授業改善についてであります。これまでは、学校というのはとかく教職員や学校の中で授業改善を行っておりましたけれども、学校運営協議会委員の方々が授業を見ていただきながら、その授業についての意見をいただく……。教科論から授業論といいますか、一般的に見た形で先生方の授業がどうであるか、わかりやすいか、生徒はよく考えているか、そういった部分について意見をいただいております。その部分について、授業改善が進んでいるというふうに認識をしております。 ◆1番(前野弘明君)  私も学校公開のときに見させていただいているんですが、先生方がいろんな取り組みをされて、しっかり準備したばかりに、そっちのほうに力が入って、なかなか子供との――逆に楽しい授業ではなくなったということとかがありまして、それはいろいろあるんだと思いますが、もう少し先生方が地域の中に溶け込んで、地域の方が来ても緊張しないような状況ができればいいなとは思います。そういったことをしっかり進めていただいて、地域の方とのコミュニケーションをふやしていただければありがたいなというふうに思っております。 それから、家庭と学校と地域という、これはまさにコミュニティ・スクールの一つの基本的な課題ですが、ちょうど教育基本法第13条にある内容そのものでございますが、家庭教育に与えたコミュニティ・スクールの影響で主な例が何かあったら教えてください。 ◎教育長(守山敏晴君)  先ほど壇上でも述べましたが、例えば宿題ができないという子に対する宿題のサポート、これもそれぞれの学校運営協議会のほうでいろんな課題をオープンにして、こういった問題があるんだけれども、どうだろうかという意見を共有する中で、それなら放課後に私たちがちょっと行って様子を見ようかということで始まったボランティアですし、今SNSが盛んになって、いつまでたってもスマホを操作していて困るという場合では、例えばある時間以降はスマホを使わないようにしていきましょう、これは中学校区でそう決めていきましょうとか、またはノーメディアデーをつくっていきましょうとか、そういった家庭教育に関する課題についての取り組みも行っているところがあります。 また、食育の関係で、子供たちに弁当をつくるための家庭科の授業を、地域の方も入っていただきながら行って、その実践として自分でお弁当をつくって学校に持ってくるというような、食育に関する活動もいろいろとしております。これは一例でございます。 ◆1番(前野弘明君)  お話の中から聞こえてくるのは、家庭教育に与えた影響としては、例えば親子の対話がふえた、そういったものが挙げられるんじゃないかと思いますが、しっかりそういうことを、親子の関係がしっかり持てていればいるほど、先ほど壇上でも申し上げましたが、やっぱり愛のとりでである家庭というものを基地として子供たちがどんどん巣立っていくわけで、それが基本ですから、そういったことにしっかり関与できる制度であってほしいと思います。これはまだまだ、いわゆる個人情報のいろんな問題もあるかもしれませんけれども、やっぱり皆さんでいろんな家庭を支えてあげることができる地域づくり・学校づくりというものにしっかり役立てていただけたらというふうに思っております。 今度は地域との関係になるんですが――地域への影響ですね。要するに、その町がこのコミュニティ・スクールをやることによってどういうふうに地域がよくなったかとか、そういう効果があった事例は何かありますか。 ◎教育長(守山敏晴君)  いろんなつながりが希薄になっているというようなことが課題になっておりますけれども、今、コミュニティ・スクールの一つの目的としては、学校を核とした地域づくりというものもございます。いろいろな学びの場を学校で行いながら、学校に地域の方が集まってくる。その学びを見ながら子供たちがまた学ぶことの大切さを身につけるということもあります。そういったことが地域のつながりになっているのかなと思っております。 また、先々週、民俗芸能まつりが岩国市でありまして、10団体が神楽とか踊りとか歌とかを発表されましたけれども、そこでも、これからその伝統の継承が問題であるという話がありました。しかし、その団体の中には小学校とか中学校の生徒・児童が一緒になって、大人の方とその発表会に参加しておるというようなこともあります。これも、コミュニティ・スクールのほうでそういった伝統を学ぶという機会を学校で設けながら、その発表の場にその小・中学校が参加しておるということで、そういった流れになっているんじゃないかと思っております。 ◆1番(前野弘明君)  よく道徳教育とかなんとかと、いろいろと言われます。道徳教育がスムーズにわかるのは、結局昔話とか地域の伝統とか、そういったものを通じてできることが多いんです。学校では余り宗教的な教育というか、そういうことはやらないんでしょうが……。まあ、これは、宗派教育がいけないのであって、宗教的教育はやるべきだとは思いますが、それがなかなか使い分けができない先生がいらっしゃると思うので、地域の方とそういう伝統芸能とかを通じて、要するにその一番深い意味を理解するというところで、つまり道徳というものが教えることのできるといったものをしっかりやれるかどうかということです。 あとは、壇上で申し上げましたが、国際交流なんかでも言えるんですが、今、やっぱりちゃんとした日本の文化を伝えないといけない。それは何かというと、その文化はその場所で生まれたものだから、その場所へ行かないとわからないものがあるんです。そういった意味で、地域の中に、まさにその場所で伝わってくる伝統芸能の中におけるその伝統精神というものをしっかり酌むことができるような、そういうものをしっかり出してあげるといいますか、研究して伝えてあげることができればいいのかなと。地域の人も、「いやあ、盆踊りというのはこういうためにあったんじゃのう」ともう一遍思い返すような……。そうしたら盆踊りの意義がわかって、それがもっと深い部分で理解される。そうしたら次にそういうものをつないでいくことができる人がいる……。まあ、盆踊りは、だんだんなくなっているところがあるというふうになっておりまして、大変なんですが、そういった昔ながらのものの深い意味をちゃんと伝えていく。多分ここではそれに関与されるというのが大事なことではないかなというふうなことを強く感じます。 最近、盆踊りをやめるところが少しずつふえてきたのを見て、大変悲しんでいるところでございます。だから、そういったところにどんどん入っていけるようになるというほうがいいんじゃないかと思います。ただ、地域のことが余りにも優先されて、学校教育がおろそかになってはいけないということはちゃんとしていただきたいと思います。 その中で、特に、いわゆる地域の方々とか保護者の方々からの意見をいろいろと聴取されること――聴取というか、まさに普通の話の中で聞けることだとは思うんですが、やっぱりざっくばらんな中できちっと話ができる環境をつくらなきゃいけないんじゃないかなとは思います。ですが、なかなかいろんなところでまだ問題がぽつぽつと起こっているようでございます。 それで、特に私が気になったのが、ある大手新聞の何とか人語という、これの書き写しを2年生にさせているということで、思想的にはちょっと問題があるなというようなことがずっと続いているというのを聞きました。こういうことは聞いていらっしゃいますでしょうか。 ◎教育長(守山敏晴君)  今の件はわかります。その理由についてですけれども、これもいろんな学校の課題というものがオープンにされます。その学校につきましては、例えば新聞を読む回数が少ないとか、または言語活動とか表現活動とか、そういった力にちょっと課題があるということがありまして、それを話す中で、中高生新聞――中高生を対象とした新聞というもの、それを使って教育をするNIEというものがありますけれども、そういったことの中で、新聞の文章を見てそれを書き写したり、または要約したり、またはキーワードに抜き出したりというような、今課題になっていることを身につけるために、そういったことを定期的にやっておられます。 結果としては、中学校1年時には表現力に課題がありましたけれども、中学校3年時においてはその課題が克服されているというような実績も聞いております。 ◆1番(前野弘明君)  結局、文章の中には言霊というのがありまして、やっぱりその中に思っているものが入り込んでいますから、それを写したり読んだりすることによって相当な影響を受けるんですね。ですから、例えばこういう文章の書き写しをされる場合は、非常に文章の上手な作家の書いた感動する小説の一部分とか、そういったものを書かせてあげるんだったらいいんだけれど、政治的なこともかなり入っていますね、この何とか人語……。そういったことがありますので、それを余りにもやり続けると、やっぱり偏ってしまうというふうに思います。 これはやっぱり各地で実は問題になっていまして、同じようなことをほかのところでやっていたということがあるんですが、ある学校ではそれをやめて、これだけではなくていろんな文章を書かせるということに変えたとか。まあ、これに特定してやっているところは多分、今回私が聞いたところと――まあ、ほかにもあるかもしれませんが、余りないというか、一応そのようになっております。今後、このことをよく考えていただいて、対処されるほうがよいのではないかと思います。その点はどうでしょうか。 ◎教育長(守山敏晴君)  毎日の新聞の内容ではなくて、これは中高生新聞で、その中で公共性の高いもの、誰が見ても、ああ、そのとおりだなというようなものを取り扱っておりますので、そういう政治色というか、そういったことは、私としては今、問題視はしておりません。そういう御意見があるということですので、これからまたその辺の意見を聞きながら対応していきたいと思っておりますけれども、大事なのは、各学校の取り組みについて、学校運営協議会等もありますから、そういった内容でまた協議されながら、子供たちのためによりよい方向に考えていくというのが大事なことだと思いますので、よろしくお願いいたします。 ◆1番(前野弘明君)  大分前の話でしょうから、つい最近始まったことじゃないんです、多分。それは、そのときにどういう目的でやられたかというと、さっき言われましたように文章の問題というのは、それは一つの理由でしょう。だけれど、そういう問題のあるところの物を取り扱うよりも、もう少しちゃんとした文章のところのを扱ってやっていただきたい。具体的に示せばよいのでしょうけれど、きょうはちょっと発言を控えさせていただきます。要は、そういったことをやる場合には、しっかり考えていただいて子供たちに提供すると……。 それで、もう一つの問題は、実は、これを書き写しをしなかったら内申書に響くよというふうな、そのような指導があったやに聞いているんです。これは問題だというふうに思います。いろんなことをもう一度検証していただいて、ぜひ学校現場がもっと子供たちにとって健やかに育つ環境というものになるように考えていただきたいというふうに思うわけであります。 学校現場についてもう一つ言えば、今、時々保護者の方から聞こえてくるのが、部活動と学校教育との関係、このバランスといったものが大分聞こえてまいります。この辺はよく意見を拾っていかれることが必要ではないかなと……。これはコミュニティ・スクールの中で、本当に何げないざっくばらんな話の中でいいから、どんどん取り込んでいって、それで本当に子供たちにとってどうだろうかということを考える、コミュニティ・スクールをそういう機会にしていただきたいと思うんです。その辺はどうでしょうか。 ◎教育長(守山敏晴君)  今、議員が言われましたように、学校が子供たちにとってよりよい場になるように、それは、コミュニティ・スクール等で課題をオープンにしながら協議していくということがよいところでありますから、これまでは閉ざされた空間の中で学校教育が進んでおりましたけれども、これをオープンにしていこうということでありますから、それぞれで学校教育が進んでいけばよいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆1番(前野弘明君)  ということで、コミュニティ・スクール制度が岩国で具体的に始まったのは平成26年度からでございます。ちょうどつづみ塾ができてから10年後になるんです。10年という単位は非常に意味があるかなというふうに私も思っております。制度としてはよい制度でございます。ぜひこれを活用して地域の人材も掘り起こしていただきたいというふうに思います。では地域の人材についてはどうかというと、いろんなコーディネーター講座とかがありますので、そういったものを通じてもできますし、やっぱり独自にも、何かあったら学校運営協議会の中でそういう勉強会をされるとか、そういうものを進めていかれるといいのではないかというふうに思っております。 要は、議長役というか、みんなをまとめる役としていらっしゃる校長先生の采配する力だと思うんです。そういう校長先生の能力が上がるような、こういう施策が必要だというふうに強く感じていますので、その辺を御指導のほう、よろしくお願いしたいと思います。 さて、あと14分ですので余りたくさんのことを申し上げられませんが、要は、岩国というところは発展するためのポテンシャルが非常に高いところだというふうによく言われております。それは基地があるからだというふうに言われるんです。基地への依存ではなく共存だと言われます。まさに、基地との共存で発展させることができる岩国をちょっとイメージしていきたいなというふうに思います。 今回、防衛省の艦艇装備研究所が入ってまいります。その関係で、これから先、岩国にとってどういう明るい未来が開かれるのか。何かそういう構想があればおっしゃっていただきたい。 ◎総合政策部長(村上昇君)  艦艇装備研究所は、皆様御存じのように東京一極集中から地方移転ということで始まったわけでございますが、その中にありまして、まず中央における集中というものを、技術にしても何にしても極力地方に持ってこようと、そこから起爆剤といいますか、そういうものが地域の発展につながるようにということで、岩国市におきましても、県を通じて地域の活性化、経済の発展、技術の進展、そういったものを見込む中で、今後、艦艇装備研究所が建設されていくことを期待しているところでございます。 ◆1番(前野弘明君)  そうですね。東京一極集中というふうに言われました。まさに、東京が潰れたら日本が全部潰れます。そうなったら大変なんですね。私も壇上で申し上げましたように、日本の存在価値というのは――世界の中でもまれな民族でございまして、和を中心として、平和を求めるすばらしい民族なんです。そういう意味では、世界にとって大事な、なくてはならない民族になるということからすると、やっぱりこの国土を守らなくちゃいけない。そうすると、一極集中を避けて分散型にしなくてはいけないし、どこかが潰れても、いろんなところが必ずそこを補完するという形にならなくてはいけないというふうに思うわけであります。そうすると、私は日本の場合、2つか3つの軸を持ってやるべきではないかというふうに思っています。東京があれば西京――西の京としてこちらを選んでいいだろうし、真ん中に京があればちょうどいいんじゃないかなというふうに思ったりします。京がつく三つのところで日本を支える。それをつないでいく、そういうこともあっていいんじゃないかなというふうに思います。これはなかなか行政からそういうことは発表をまだできないわけで、関係ないわけですが、そういうふうな構想もできるということなんですね。 そういったことで、艦艇装備研究所も多分、大学との関係とか、かなりいろんな関係の研究所が引っ張ってこられるんじゃないかと思うんです。それは要するに、この辺の地域の学問的なポテンシャルを上げることだと思います。皆さんが集まってくる場所になるわけでございます。そういった意味では、非常に期待されるところだと思います。 日本は海洋国家であり、その海洋国家の大事な海の状態を観測するロボットをつくるといいますか、研究するところというのは、非常に役に立つものだと思います。そういったことから、どんどん先にいろんな夢が広がっていくんじゃないかと思います。また、それをきっちり、いわゆる国の関係の機関をそこでしっかりひっつけながら、この地域がよりよい方向に行くといった考え方になる。そのためには自立した、こちらが主体的にどのように考えるか。国防に対する考え方を主体的に発揮していくということが大事なんではないかなというふうに思います。そういった観点から、いろんなことに取り組んでいただきたいというふうに思います。その点、何かありますか。あればどうぞ。 ◎市長(福田良彦君)  前野議員のお話のように、この艦艇装備研究所につきましては、多くの企業とか研究機関、高等教育を含めて非常に関心が高い施設だというふうに私どもも考えておりまして、これは日本で初めての、陸上においていろんな研究をする施設でありますので、汎用性が高いところに市としても大きな可能性を感じております。ことしは五十数億円の予算がついて、これからいろんな工事が発注されます。また、次年度については、既に135億円の概算要求をされたというふうに伺っておりますので、また、そういった意味で、地域とのいろんな経済的な波及効果もあるでしょう。また、先ほど前野議員がお話しのように、今後いろいろな企業誘致とか、そういった最先端の分野、これを岩国市から発信すること、また世界でのいろんな技術の連携によって、それにかかわる人材がこの地域からも生まれてくることを大いに期待もしております。この研究所を平成33年に稼働したいという意向で進んでおりますので、市としても、そういったスケジュールに沿って、県と協力しながらしっかりかかわってまいりたいというふうに考えております。 ◆1番(前野弘明君)  市長のいろんなイメージがどんどん広がっていく世界が見えましたので、少し安心しております。よろしくお願いいたします。 実は、今回の質問は、平成の30年間を振り返りながら質問させていただきました。私はこの30年というのは、やっぱり何か大きな意味があるというふうに思っております。日本がまた大きく変わる30年の、その準備期間であったというふうに思います。私たちは今何をすべきかということなんです。岩国もそれに乗っかって、何ができるかということを考えなくてはいけないときが来ているのではないかなというふうに思っております。 私もちらっと政策の中で申し上げました、家庭の効用といいますか、家庭問題に関することをずっと考えましたところ、やっぱり子供たちが育つために本当に必要な基地は家庭から始まると。それで、もちろん学校では学問でやりますけれども、そういった意味では、家庭教育の支援というのを、ある程度基本的な部分として押さえておかなくてはいけないのではないかというふうなことを感じております。岩国市の子供たちがしっかり育つためにも、家庭教育支援の政策をこれからどんどん考えていただければいいのではないかなと。各地でそういう動きがありますけれども、そのことを今からどのように考えられますか。前向きに考えていただきたいと思いますが、教育長、何かありましたら一言お願いいたします。 ◎教育長(守山敏晴君)  家庭教育支援も大変大事な部分だと思います。今、ある中学校区で家庭教育支援チームというものができて、いろんな関係の方がチームを組んで、訪問支援をしたり、お母さん方の相談に乗ったり、学校によっては、学校をそういう相談のサロンとして家庭教育の相談をし合う場として図書室を開放しておるという学校もあります。家庭教育支援についてはいろんな方策を考えながら取り組んでいきたいと思っております。 ◆1番(前野弘明君)  私は、教育問題を考えているときに、一番初めに出会ったのがシュタイナー教育でした。シュタイナー教育は、家庭とのかかわり方を大事にしていました。1週間に1度は必ず集まって親御さんと一緒に話をする――子供を中心に、先生方が話をするということをやっていらっしゃるみたいでございますが、そういった理想的な形というものができ上がるように期待しております。よろしくお願いいたします。 それでは、結論といいますか、最後に、この岩国というところは、基地があり、国際交流もできる。また、国防という観点から物事を考える中で、国のことをしっかり考える機会が与えられていくんじゃないかというふうに思います。そういうものを大切にしながら、本来向かわなくてはいけない世界の平和のための努力を、この地域からしっかり発信というか、努力できる、そういう出発点がここに――出発できるこの土地から、出発する何かが――人材があるし、いろんな文化があるということが言われるのではないかと思います。そういったものができる場所として、岩国が大いに発展することを期待しております。 30年間の準備期間がありました。その間に哲学者の東澤瀉を挙げてやってきましたけれども、この山口県からは具体的に西の松陰、東の澤瀉が代表選手として出られました。それが基本になって、その上にでき上がったこの社会――理想社会ができ上がるということになるわけであります。 要は、今までの30年を本当に生かして、次の世代につなぐよき地域づくり・まちづくりをしていただけたらというふうに思っております。ということで、これで終わりたいと思いますが、市長は最後に何か言われますか、あと3分あるからよかったら……。(笑声)本当は最後に振ればよかったんですが。 ◎市長(福田良彦君)  前野議員におかれましては、これまでも一般質問におきましてそういった家庭教育の重要性、また江戸から学ぶいろんな江戸しぐさを含めて、そういった心の振る舞いとかといったこと、また、今回は明治維新150年に沿って、その30年という――平成30年であり、明治維新150年という大きな節目の年で、振り返ってみて、吉田松陰や東澤瀉から学ぶことといった観点から、一般質問なり、これまでいろいろな提言もいただいたところであります。 また、議員みずからにおかれましても、通津の郷友会におきまして、地域でのいろんな顕彰活動、また国際交流活動を含めた、地域に根づいたさまざまな活動を展開してきておられます。こういったことは、やはり全ては、しっかりと次代の子供たちの地域の郷土愛を育む、また立派な人材に育っていただきたいという、そのためのいろんな機会を提供したり、いろいろな活動をみずから率先してこられたというふうに感じております。今後、行政としても教育委員会や地域の方とも連携しながら、そういった活動をしっかりと行うことによって、次代を担うすばらしい人材をこの岩国から輩出できるように、私も市長として、微力ではありますが、しっかりとその趣旨を感じながら頑張ってまいりたいというふうに感じております。 ◆1番(前野弘明君)  では、よろしくお願いいたします。以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。 ○議長(桑原敏幸君)  以上で、1番 前野弘明君の一般質問を終了いたします。 20番 植野正則君。 ◆20番(植野正則君)  初日最後の一般質問でございます。私は40分間ということでございますので、40分以内でおさめようというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。 市政改革クラブの植野正則でございます。通告に基づきまして一般質問を行います。 1点目の岩国市の財政についての(1)財政健全化判断比率の変遷と改善された要因についてでございますけれども、今期定例会に提出をされております平成29年度決算におきまして、成果として示されておりますように、本市の財政状況を示す指標である財政健全化判断比率につきましては、行財政改革の成果と堅実な行財政運営によりまして年々改善されておりますけれども、改めて財政健全化比率の変遷と、改善されてきた要因についてお伺いいたします。 (2)の特別会計における今後の課題と対応策についてでございますけれども、12特別会計及び4公営企業会計においては、いずれも資金不足は生じていないとの決算報告でございますけれども、将来にわたり生じるであろう課題があればお伺いをいたします。また、課題に対する対応策についてもあわせてお伺いいたします。 (3)の地方公営企業会計における今後の課題と対応策についてでございますけれども、地方公営企業会計におきまして、将来にわたり生じるであろう課題があればお伺いいたします。また、課題に対する対応策についてもあわせてお伺いします。 (4)の監査委員の建議についてでございますけれども、決算監査におきまして監査委員の審査意見書が出されておりますけれども、行政監査の折に出された監査委員からの建議があればお伺いいたします。 また、その建議があれば、それを受けて次期予算編成にどのように反映をされているのかということについてもお伺いいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  植野議員御質問の第1点目の岩国市の財政についてお答えいたします。 まず、財政健全化判断比率の変遷と改善された要因についてでありますが、財政健全化判断比率につきましては、地方公共団体の財政状況を客観的にあらわすとともに、財政の早期健全化や再生の必要性を判断するための指標として、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に、実質赤字比率・連結実質赤字比率・実質公債費比率・将来負担比率の4つの比率が定められています。 これらの比率について、過去3年間の数値を順に申し上げますと、実質赤字比率と連結実質赤字比率は、対象となる会計がこれまで全て黒字であることから、比率自体が算定されていません。 また、実質公債費比率については、平成27年度が10.5%、平成28年度が8.9%、平成29年度が6.9%と着実に改善をしております。また、将来負担比率についても、平成27年度が18.9%、平成28年度が11.8%、平成29年度が5.5%と大きく改善しております。 これらの数値が改善した要因につきましては、実質公債費比率では、市債発行額を償還額の範囲内に抑制してきたことによる公債費の減少や、下水道事業や市場事業などの公営企業会計の公債費に対する一般会計からの繰出金の減少などが挙げられます。 また、将来負担比率では、市債発行額の抑制による市債残高の減少や、普通交付税の縮減等に備えて積み立てた財政調整基金残高の増加などが挙げられます。 なお、数値の改善につきましては、財政計画の基本方針である将来負担の軽減を図るために、人件費の削減や市債残高の縮減などの各種取り組みを実施してきた成果があらわれたものと考えております。 一方で、本市においては、近年、岩国駅周辺整備事業やごみ焼却施設建設事業などのまちづくりに必要な大規模事業を多数実施してきており、本年度の当初予算では、800億円を超える予算規模となっております。事業の実施に当たりましては、基地関係の国庫支出金などの高率な補助金を活用することにより、市の負担割合を軽減して、市債発行額をできるだけ抑制するとともに、発行に当たっても、合併特例債や過疎債などの普通交付税措置のある有利な起債の活用に努めてきたところであります。 今後におきましても、将来負担の軽減を念頭に、健全な財政運営に努めてまいりたいと考えております。 次に、特別会計における今後の課題と対応策についてでありますが、我が国の総人口は、2008年の1億2,808万人をピークに減少に転ずる人口減少社会を迎え、2053年には1億人を割り9,924万人になると推計されております。さらに、内閣府の少子化社会対策白書や高齢社会白書において、未婚化、晩婚化などによる出生率の低下に伴う少子化や医療技術の進歩などによる高齢化が進んでいくことが見込まれています。 こうした人口減少や少子化・高齢化の流れは、特に地方都市や中山間地域において顕著にあらわれ、本市の特別会計においても、人口減少に伴い、主な歳入である使用料の減少が見込まれるほか、国民健康保険特別会計や介護保険特別会計では、高齢化に伴い、医療費や介護サービス費の増加が懸念されるなど、特別会計の健全運営に少なからず影響を及ぼすものと認識しております。 将来にわたり事業を安定的に継続していくためには、独立採算の原則のもと、経費の削減や事業の見直しなどの経営の合理化を図り、中長期的な視点から経営基盤の強化に取り組んでいく必要があると考えております。 経営環境が厳しくなる中にあっても、事業やサービスを安定的に提供できるよう、今後も特別会計の健全運営に努めてまいります。 最後に、(4)の監査委員による建議についてでありますが、市の監査委員による定期監査については、財務等に関する事務事業の執行や処理状況が、法令に基づいて、適正かつ効果的、合理的に行われたかを主眼に実施され、改善を要するものについては、監査委員から意見をいただいております。 監査委員の意見を受けて、対策を講ずる必要がある場合には、事務事業の改善等を適宜適切に行っているところです。 また、これまでに、財務に関する事務事業の改善に限らず、さまざまな意見をいただいておりますが、一例といたしましては、本年3月定例会での定期監査の結果に関する報告の中で、地域資源活性化事業について、修繕や維持管理の予算が多く、地域の特色を生かした事業とはなっていないため、地域の特色を生かす事業に特化すべきであり、修繕や維持管理の予算は、経常経費での予算措置を講じることといった趣旨の意見がありました。 この意見を踏まえ、地域資源活性化事業では、計上する事業について見直しを行うとともに、維持管理的な予算については、地域の実情等を考慮し、緊急性や全体の予算の状況などを勘案しながら、必要と判断したものには予算措置を講じてまいりたいと考えております。 今後におきましても、監査委員の意見については、個々の事情等も勘案して適切に対応してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎水道事業管理者(辻孝弘君)  第1点目の岩国市の財政についての(3)地方公営企業会計における今後の課題と対応策についてのうち、水道事業会計及び工業用水道事業会計における今後の課題と対応策についてお答えいたします。 まず、水道事業につきましては、平成29年度に策定した水道施設耐震化10ヵ年計画に沿って耐震化事業を進めているところでありますが、今後、人口減少によって使用水量が減少し、給水収益の減少が懸念されます。そのため水道施設の更新の際には、将来の水需要を予測し、ダウンサイジング等を検討し、効率的な事業運営を行っていかなければならないと考えております。 次に、工業用水道事業でありますが、工業用水道布設事業は昭和49年3月に完成し、通津沖工業団地を初めとする各企業に配水しており、既に44年が経過しております。一部では老朽化が著しく進み、漏水が頻繁に発生している状況にあります。工業用水道の配水の特徴としまして、口径が大きく、布設場所も国道や河川部といった重要施設に布設していることから、漏水修理には市民生活への影響も大きく、あわせて多額の費用が必要となり、経営を圧迫する一因となっております。今後、工業用水道の更新を控え、早急に将来を見据えた運営計画を策定してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎地域医療担当部長(山田真也君)  第1点目の岩国市の財政についての(3)地方公営企業会計における今後の課題と対応策についてのうち、病院事業会計における今後の課題と対応策についてお答えいたします。 錦中央病院、美和病院の両市立病院は、救急医療を初め、初期診療から慢性期医療まで幅広く医療を提供し、広大な面積を有する玖北地域の拠点病院として、重要な役割を果たしているところであります。 また、高齢化の進展が著しい地域であり、人口の減少等に伴い、患者数の減少が見込まれる中、入院・外来診療だけでなく、訪問診療等の需要がふえることが予想されることから、玖北地域における地域包括ケアシステムの中心的役割を担うことが求められております。 市といたしましては、今後も僻地医療提供体制を堅持するため、経営改善のための経費節減、業務改善等を行っていくとともに、医療サービスの低下につながることのないよう、医師等医療スタッフの確保や医療・介護連携の促進等に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎都市建設部長(木邉光志君)  第1点目の岩国市の財政についての(3)地方公営企業会計における今後の課題と対応策についてのうち、下水道事業会計における今後の課題と対応策についてお答えします。 本市の下水道事業は普及率が低く、下水道使用料の収益だけでは事業に要する経費を賄えていないことが課題となっております。その課題への対応として、積極的に面整備を進めていく必要がありますが、それには多額の財源が必要となることから、補助金及び企業債を活用して、平成28年度に策定した下水道事業経営戦略及び収支計画に基づき整備を行っていくこととしております。 一方、近年本市におきましても人口が減少していることや、節水型家電製品の普及等により、これまでのような普及率の向上に伴う使用料収益の増加が望めない状況が懸念されるため、今後につきましては、下水道事業経営戦略を定期的に見直し、一層の経費節減に努め、社会情勢や経営状況に応じた下水道使用料の改定も視野に入れながら、健全な経営に努めてまいりますので、よろしくお願いします。 ◆20番(植野正則君)  ただいま本市の大まかな現在の財政の傾向についての御答弁をいただきました。 決算の中身につきましては、各委員会に付託をされておりますので、これからの再質問につきましては、当然のことながら大まかなところでのお答えをいただきたいというふうに思います。 まず、1点目でございますけれども、一般会計と公営企業会計とのいわゆる経費の負担区分のルールがございますが、これにおける基準内の繰入金と基準外の繰入金の項目には主にどのようなものがあるのかにつきまして、公営企業ごとにお伺いできればと思います。 ◎総合政策部長(村上昇君)  地方公営企業会計への繰出金でございますが、総務省から基準に係る通知が出ております。そういった中におきまして、まず水道事業会計につきましては一般会計のほうから基準内繰り出しとしまして、消火栓の設置に対する工事負担金とか、統合いたしました簡易水道事業の企業債の償還元金及び利子に対する補助金、水道事業会計を運営するに当たっての職員に対する児童手当等の補助金等がございます。基準外の繰り出しとしましては、合併特例事業を水道局でいろいろ実施しておりますけれど、それに伴う合併特例債も普通交付税措置があるということから、充当可能な事業に対する補助金という形で繰り出しをしておるところでございます。病院事業会計におきましては、基準内繰り出しとしまして、病院の建設改良に係る経費ということで償還元金等に対する負担とか、僻地医療の確保に関する経費、不採算地区における病院の運営に係る経費、救急医療の確保に係る経費といったものについて実施しております。また、基準外繰り出しにつきましては、平成30年度予算になりますけれども、錦中央病院のほうから本郷診療所に支援することでの人件費・事務費といったものがございます。 下水道事業につきましては、基準内の繰り出しの主なものとしましては、雨水排水の処理とか、分流式の下水道に係る経費といったものが主になろうかと思います。 ◆20番(植野正則君)  病院事業につきまして、先ほどの壇上での御答弁の中でちょっと1点だけ気になることがあるので、確認をさせていただきたいと思いますけれども、今後は訪問診療の需要がふえてくるのではないかという予測があるというふうな御答弁がございました。訪問診療に要する経費につきましては、自治体が独自に行う事業というふうに捉えて、基準外の繰入金で対応するということになるのでしょうか。このあたりをお答えいただけたらというふうに思います。 ◎地域医療担当部長(山田真也君)  先ほど壇上で御答弁いたしましたように、今後、高齢化の進展などといったことから、中山間地域における訪問診療の需要がふえるのではないかというふうに見込んでおりますけれども、議員お尋ねの訪問診療に係る経費につきましては、先ほど総合政策部長が答弁を差し上げましたように、僻地医療の確保に要する経費の中の訪問看護に要する経費というのが繰入基準の中で定められております。そういったことから、基準内の繰入金とともに、あとは病院収益で賄っていくというふうになろうかと考えております。 ◆20番(植野正則君)  ちょっと確認ですけれども、今の御答弁の内容は、基準内の繰入金と病院収益の2つでもって訪問看護に要する経費に充てるということでよろしゅうございますか。 ◎地域医療担当部長(山田真也君)  そのように考えております。 ◆20番(植野正則君)  それでは、次に水道事業の関係についてちょっとお尋ねしたいと思いますが、水道事業会計におきまして、人口減少による給水収益の減少があるというふうに言われておりますけれども、今後、水道施設耐震化10ヵ年計画を進めていかれる上で、水道料金の値上げについては考えておられるのかどうかについてお伺いいたしておきます。 ◎水道局次長(佐藤明男君)  水道施設耐震化10ヵ年計画を平成24年4月に策定しました際、本計画を進める財源としまして、平成25年5月に水道料金の改定をさせていただきました。そして、本年2月に再度計画を見直し、それと同時に財政計画も策定しております。現時点では、平成30年度から向こう10年間、現行の水道料金の水準で水道施設耐震化10ヵ年計画を進める計画となっております。 ◆20番(植野正則君)  少なくとも、向こう10年間は水道料金は上げないんだということでよろしゅうございますね。 それでは続きまして、先ほどの壇上での御答弁の中で、水道事業につきましては、簡易水道の統合によって広大な地域の安定した生活用水の供給を行うということになるわけでございますが、ただ1点、ダウンサイジングによって適正な事業運営に支障を来すことが起こるのではないかというふうな懸念を持ったわけでございますけれども、この点について御答弁いただきたいということと、あわせまして、効率的な水道事業の運営を図るための新たな方策が何かあればお答えをいただきたいというふうに思います。 ◎水道局次長(佐藤明男君)  水道局が現在管理しております簡易水道施設の中には、人口減少等によって過大な能力を有する施設が存在いたしております。このような施設の更新の際には、過剰な投資とならないようにダウンサイジングを検討し、更新計画を立てておりますが、これは全国的に見られる手法であります。ダウンサイジングによりましても、その地域の特性や適正な水需要を予測し、更新施設の規模や機能等を決定いたしますので、事業運営には支障を来さないと考えております。 また、効率的な運営につきましては、上水施設や配水池など、隣接する地域の水道施設を一つに統合することが最も効率的な方法ではありますが、水源の水量の問題や各施設の距離や地形の問題等、幾つかの課題があり、具体的に実施に至ったものはございません。しかし、将来にわたり事業の運営を良好な状態で保つためには、常に効率的な運営を目標にし、検討していかなければならないと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆20番(植野正則君)  ただいま御答弁をいただきましたが、この、いわゆるダウンサイジングは、規模を縮小していく、ひいては人員削減につながるような言葉ではないかというふうに理解をいたしておるところでございますが、このあたりを今後十分に検討していくというふうなお話でございますので、期待をいたします。正常で安定した生活用水の供給という大命題がございますので、その点につきましてはくれぐれもしっかりとした体制づくりをお願いしたいというふうに思います。 それでは、最後に6点目の質問をさせていただきます。実質公債費比率につきましては着実に改善しており、また、将来負担比率は大きく改善しておるということでございまして、これは先ほども申し上げましたように、本市の行財政改革でございますとか、堅実な財政運営によるものというふうに評価をいたしております。今後につきましては、将来負担の軽減を念頭に置いて、健全な財政運営に努めるとのことでございますが、道路整備とか河川環境整備等の良質の社会資本の整備を行う場合は、将来への負担が多少あっても、市の財産として残せるものとなりますので、時期を逸しないで積極的に取り組むべきというふうに考えますけれども、見解をお伺いいたします。 ◎総合政策部長(村上昇君)  議員が今おっしゃいました道路整備とか河川整備ということでございますが、おっしゃいましたように、良質な社会資本整備ということで、確かに市の財産という捉え方もあろうかと思いますが、これまでも必要な社会資本整備については整備をしてきたと捉える中で、大規模事業も近年多く実施しておりますけれど、これからも健全財政を実施しながら、なおかつそういったあたりでのまちづくりも進めてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆20番(植野正則君)  ただいまの質問によって、財政指標等から見た本市の現在の財政状況と課題のあらましは理解できたつもりでございます。財政担当部局におかれましては、限られた財源を有効に活用して、将来を見越した堅実な財政運営を行っていこうとされることは理解できるわけでございますけれども、福田市長のもとには、道路とか河川、福祉、さらには防災対策を初めとするさまざまな要望とか提言が寄せられているのではないかというふうに思っております。 理事者でございます福田市長におかれましては、行政全般を見渡す中で、時期を逸することなく地域ごとの課題に積極的に取り組むための投資を行っていただくことをお願い申し上げまして、一般質問を終わります。 ○議長(桑原敏幸君)  以上で、20番 植野正則君の一般質問を終了いたします。 ここでお諮りいたします。通告されました一般質問はまだ残されておりますが、本日はこの程度にとどめ、明9月6日午前10時に本会議を再開し、一般質問を続行することにいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(桑原敏幸君)  御異議なしと認め、さよう決しました。 本日はこれにて散会いたします。午後4時41分 散会 ――――――――――――――――――――――――――――――  地方自治法第123条第2項の規定により署名する。                         岩国市議会議長  桑 原 敏 幸                         岩国市議会副議長 藤 本 泰 也                         岩国市議会議員  中 村   豊                         岩国市議会議員  桑 田 勝 弘                         岩国市議会議員  河 合 伸 治...